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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第994回

ほぼ日編集部様

12月17日のニュースから

毎日新聞は1面、朝日新聞は
2面に来年度の国の予算編成の総額が記事になっている。
こういう記事はあまり一般読者は
読まないなあと思いつつも書いてしまう、
書かねばならぬ記事なんだろうね。
だから私などが読んでも
何が何だかよく分からない記事だ。
難しい。
実はこの国の予算をチャンと説明し、
問題点を指摘して税金の使い道について
読者とともに考えることが今、
一番大事なときだと思うんですけどね。
しかし、実際の記事はこのように無残なものだ。
でもそこから何とか大事な骨だけを
取りだす作業をしてみよう。

朝日新聞の記事の見出しは

「一般会計 82兆円弱  来年度予算 
 交付税17兆4000億円」


ここで大事なのは来年度の一般会計の総額が
82兆円弱になるだろうということだ。
夏に各省庁から出された概算要求では総額は
84兆円を上回っていたので、
それからすると2兆円強削減している。
これは02年度の81兆2千億円を
わずかに上回るだけだという。
まあ、一応財務省としては減らす
努力はしたということでしょうね。
例えば、都道府県市町村にばらまく
「地方交付税」は来年度17兆4千億円程度だそうだ。
これがどの程度の額なのか、
私たちには一向に分からんのだけど、
02年度は一般会計からの地方交付税は
17兆円だったが、
特別会計から1兆円借り入れていたので、
合計すると、18兆円の地方交付税になっていた。
これを来年度は特別会計からの借り入れをなくして、
17兆4千億円だけにする。
つまり6千億円は減額するというのだ。
これで地方がどれだけ
打撃を受けるのか分かりませんがね・・・・
さあ、問題は支出じゃなくて歳入の予定の方だねえ。
記事によると、来年度の税収の見通しは
42兆円程度だという。
もうこれだけでも私たちは
驚かなきゃいかんのですばい。
なーしてかちゅうと、いいですか、
国民から入ってくる税金収入は42兆円
支出の予定が82兆円。
えええっ!!!???
じゃなかですか?
あなたが毎月の給料が42万円としましょうか。
それでも毎月82万円の支出を予定していたら、
あなたは間違いなくアホウと言われますよ。
そうでしょう。
最初からこんなメチャクチャ
アンバランスな予算を組んでいいんですかい??
実はこういう予算の構造は
もうずっと続けられてきたんですね。
国民の要求という大義名分で。
現実には政治家がそういう要求を
予算に組み込んでいたんですけどね。
で、税収以外に日銀納付金などの収入が
3兆5千億円前後あるそうなんで、
これを足すと、来年度の国の収入は
42兆円+3兆4千億円=45兆4千億円。
これっきりである。
これが今の日本の国民の実力だ。
これしか出せないんだよね。
でも82兆円弱という一般会計予算歳出額からすると
足りないよねえ・・・・どうするのよ?
エライ足りないじゃん!!!
そこで登場するのが日本人にはこたえられませんなあ、
打ち出の小づち・・・そう、国債の発行ですばい。
国が借金するわけですたい。
記事によると、来年度の国債の新規発行額は
「36兆円台とみられる」
という。
先程計算した収入の
総額45兆4千億円と国債の新規発行額を
足すとどうなるのか?
45兆4千億円+36兆円=81兆4千億円
これが記事上では「82兆円弱」と
表現されたものの実体だね。
「厳しい財政事情を背景に、
 02年度の81兆2千億円をわずかに
 上回る水準にまで伸びを圧縮する」
と記事には書いてある。
まあ、これはブリーフをした財務省の
お役人の言葉でしょうね。
うちらも頑張ってるんだからねえ、頼むよ!
2千億円削ったんだからねえ・・・
そんな言葉が聞こえてきそうな
こん数字合わせだわあ・・・・・
で、記事の最後にこんなことが書いてある。
一般歳出の中で、公共投資関係費は「削りこんで」
47兆6千億円〜47兆7千億円台になる
見通しだそうだ。
これだけ収入がない状況のなかでまだやっぱり
公共事業だぜ。「公共投資」の中には
色んな事業が入っているのだろうから、
一概に不必要とは言えないかもしれないが、
相も変わらず「公共事業」中心の予算なんだなあ・・・
と思ってしまう。
で、驚くなかれよ。
82兆円弱(正確には、81兆4千億円)のうち
実はこれまでの国債という名の
借金の元利払いにあてる
「国債費」
という項目が何と17兆円弱だそうだ。
81兆4千億円のうち最初から17兆円はさっ引かれて、
実際に使える予算は
81兆4千億円−17兆円=64兆4千億円
これは実に20%なんですよ。
20%は最初から引いて考えるのが
今の日本の予算の実態だということ。
知っていましたか???
こんな日本に誰がした!!??
私は国民がこれまであまりにも
税金の使い道についておおらかといえば聞こえはいいが、
関心を持ってこなかったツケがこうして
回ってきているんでしょうね。
政治家と財務省を初めとする中央省庁の官僚さんの
長年に亘る合作がこれですよ。

毎日新聞の1面にこんな記事が。

「国家公務員  幹部退職金 最大1割減 
 官民格差解消へ  来年10月実施」


詳細は時間がないので書けないが、
ようするに公務員と民間の退職金の差が
あまり大きくなりすぎたので、少し調整しましょう、
ということですね。
上にみたように日本の国の予算は
もうぼろぼろなんですから。
それなのに公務員の幹部だけがこんなに
退職金もらっていいのかしら??
って思った訳じゃないでしょうが、
まあ、バツが悪くなったちゅうやつですかねえ。

で、驚くな!
事務次官(62歳定年)が59歳で退職した場合、
現在の退職金はなんと・・・
8946万円
これを12.7%削減して来年10月から
7807万円
とするんだそうだ。
この不況下でボーナスや退職金など
もらいたくてももらえない人が
いるんでしょうに・・・へえー。
役所に長年勤めていると7800万円も
私たちの税金からもらえるんだねえ。
でも、なんでそれが来年10月からなんだ?
今すぐ実行してくれよ!!

まあ、私たちのために夜も寝ずに仕事をしてきた
人たちだろうから、この位当然か??

また明日・・・

2002-12-18-WED

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