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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第989回

ほぼ日編集部様

12月12日のニュースから

金曜日番組を休むことにしてから
少し身体的・心理的に自由な時間ができて
ちょっとリラックスしています。
さて、気がつかないうちに私の「ほぼ日」参加、
「あのくさ、こればい」
連載開始3周年が過ぎていました。
そうか、3年か??
と感慨を深くしています。
毎回読んでいただき感想や励ましなど
様々な反応を寄せていただき、
それに力を頂きながら
ここまでやって来たという気がします。
今後とも宜しくお願いします。

さて、12日の新聞では私はこれに注目しました。
朝日新聞の夕刊、2面のコラム『窓』。
「今井氏の退場」
書き出しはこうだ。

「今井敬氏は旧制一高、東大から
 富士製鉄(今の新日鉄)に入り、
 30代にして将来の社長といわれた。
 勉強家で政策にも通じる一方、ゴルフ、
 囲碁、小唄と趣味も多彩だ。
 経団連会長に上り詰めた時には、
 これぞ典型的なエリートと評判になった」
 
確かに日本のこれまでの典型的なエリートの人物像だ。
それが今回道路公団の
民営化推進委員会の委員長に選ばれてからは、
どうも従来のエリートでは現代日本の抱える問題を
スパッと解決するためには
用をなさないんではないか??
いう疑問を持たれるに至ったように私には見えていた。
この日のコラムもそのところを衝いているので、
取り上げて見る気になったんですばい。
コラムによれば、今井氏は委員長に選ばれてからも、
自信たっぷりだったという。
最終局面ではこうだったと指摘する。

「『国会を通らない案は出せない』と言いだし、
 委員会内の多数派と対立を深めたが、
 最後は自分の手でまとめられると
 信じて疑わなかったのではないか。
 新日鉄の社長時代、
 鉄鋼産業にかつての輝きはなかった。
 それでも『鉄は国家なり』と
 豪語してはばからなかった大企業で育ち、
 自民党のパートナーとしてなにくれと面倒みた
 『財界総理』を務めたことが、
 自信のよりどころだったろう。
 それが、JR経営者、経営コンサルタント、
 ジャーナリストといった新しい世論を背負った委員に
 論破され、退場を迫られた。
 自民党総裁たる首相にも突き放された。
 残酷な言い方になるが、
 時代は今井氏を求めなかった」
 
日本は今大きな転換期にあるんですばい。
従来、恐らく明治維新以来と言っていいんだろうが、
自然や町、村、街を公共事業という名の
土木事業で大改造することが日本の発展に通じるし、
そこで落とされた国民の税金が土建事業会社から
国民に回り、景気が維持されていく、
経済の成長率が上に向いていく、
それが日本の生きる道・・・
みたいな国民も政治家も役人もみんなが
そう思ってきたわけですよね。
それがここへ来て、そういうやり方では
もうこれ以上はダメですよ。
つまりそれを支えてきた国民の貯金箱は
もう空になり始めましたよ、ということでしょう。
それにもかかわらず、相変わらず、
従来型の土木事業を国民が欲しがっているという
論理だけで高速道路を作ろうとする。
国民はその辺の危機感を次第に持ち始めているんですね。
だから、あの委員会も超エリートでさえも
吹き飛んでしまったんでしょう。
数年前なら考えられないことです。
確かに小泉さんは「丸投げ」の名手です。
でも、その丸投げ方式で少しずつだけど、
状況は変わり始めているんですね。それがまさに
「今井氏の退場」
だったわけですばい。
でも、本当の、小泉さんの勝負は
国会の場ですよね。
ここでいい加減な妥協を彼がしたら、
期待は一気に反発に変わり、
次の選挙はすさまじいことになるような気がします。
彼がどんな曲芸を見せるのか??
今から期待をして見ていこうと思いますね。

ということでまた明日・・・・

追伸・・・
あ、思い出した。
3年前の今日、やはり今日のようないい天気の日でした。
この日は新聞の休刊日でして、
ほぼ日を書くために近くの駅にスポーツ紙を
買いに行こうとして、くぼみに左足をとられ、
骨折をした日です。
ああ、そうか、今日は私の「骨折記念日」だ!!!!
今でも、左足の甲が痛みますよ!
色々あったなあ・・・・

2002-12-13-FRI

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