TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第963回

ほぼ日編集部様

11月15日のニュースから

16日の朝、朝寝坊してしまいました。
9時間ぐらい、
1週間分の睡眠不足を取り戻すように
眠り続けました。
お陰でこの通り締め切り時間に
追われながら書いています。
このところ、朝の短時間に書いていて、
書き終わらないうちに出てしまったりと
まあ、職人稼業としては何とも
慚愧に堪えない状況が続いていました。
さすがに読者は厳しいなあ・・・・
そんなに中途半端ならやめてしまえ!
読みたいんじゃあ!
などという、ずきんとこたえるメールも
届いていまして、申し訳ないの一言です。

さて、実は昨日15日の新聞をまだ読んでいないんです。
このこと自体が私にとっては大変なことなんですが、
番組終了後になんかスケジュールが入ってしまうと
そうなってしまいます。
と、いうわけで、これまで書きたいなあ
と切り抜いておいた新聞の切り抜きから取り上げてみます。

11月12日の毎日新聞朝刊13面に
「理系白書  ・・・課題を聞く」
という一見地味なインタビュー記事がありました。
最初はうっかり見逃していたんですけど、
読んでみるとこれがなかなか味のある内容で
思わずハサミでジョキジョキとやってしまいました。
この日はあのノーベル賞で一躍注目を浴びた、
島津製作所フェロー 田中耕一さん(43)です。
インタビュー記事の全体の見出しは
「失敗を面白がろう」
で、脇の見出しがこうです。
「人間は完ぺきな存在ではない」

全部で8段ある記事の全体のトーンは
「失敗」についての田中さんの考え方を
かなり詳しく紹介しているものだ。
結論からいてしまうと、
田中さんの主旨は最近私が出版した本
『報道は欠陥商品と疑え』(ウエイツ)
の基本的な考え方と同じなんですね。
私の「報道は欠陥商品」という考えは
これまでのメディア論の中にはあまりないんですけど、
田中さんの様な職人のもっと上、
技術者というか「匠」ですね、
その「化学の匠」にここまでズバリと言ってもらえると、
嬉しいもんですからねえ・・・
よしこれだと思った次第ですばい。
田中さんのノーベル賞の対象になっている
発見がグリセリンとコバルトを
誤って混ぜてしまったことから始まったことは
皆さん、ご存知ですよねえ。
その失敗のことを説明した後に
田中さんはこう言っています。

「しかし、人間は完ぺきではない。
 人間の作ったものは、必ずどこかに欠点がある。
 失敗は当然あるものだという前提のもとに、
 すべてを考えなければならないと思います」

「日本では、完ぺきを求められるから、
 失敗ばかりが目についてしまう。
 だから失敗を恐れてみんな同じ枠にはまり、
 似たようなことにばかり取り組むということに
 なると思います。
 完ぺきを求めない、失敗を恐れない、
 失敗しても取り返しがつく、
 そういう考え方を取り入れてもいいと思います」

どうですか??
勇気が出る田中さんならではの話でしょう。
私も報道については全くこの通りだと
思っているもんですけん、取り上げてみました。

じゃあ、土曜日いい日を!!

また明日・・・・

2002-11-16-SAT

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