TORIGOE
3分間で、
最近のニュースを知る。

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第916回

ほぼ日編集部様

9月24日のニュースから

24日の新聞の1面トップ記事は朝日も毎日もこれだ!

「民主代表選 鳩山氏、からくも3選 
 決選投票 菅氏に12ポイント差 」

 (毎日新聞)

「民主代表 鳩山氏 3選 
 菅氏 役職受けぬ意向 決選投票で僅差」

 (朝日新聞)

民主党の代表選挙で鳩山由紀夫氏が
辛うじて菅直人氏を破って代表に選ばれた記事が出ている。
両紙とも2番手の記事は何かというと、
こちらはドイツの総選挙で現職、
シュレーダー首相が率いる
社民党と緑の党の連立与党が勝利したというニュースだ。
どこの新聞もこの二つの国で行なわれた
選挙を関連づけて何がしかの解説を書いている記事は
見当たらないので今日は、
「あのくさ、こればい」はこの辺に注目して書く。

朝日新聞のコラム「天声人語」も
ドイツ総選挙と民主党代表選についても書いているが、
関心は世論誘導をどうやるか、と言う書き方だ。
ドイツのシュレーダーさんはうまくやったが、
民主党の鳩山さんには
「もう少し躍動感がほしかった。
 ヒトラーに学べとはいわないが、
 国民の関心をぐっと引きつけるような
 場面をもっとつくってほしかった」

両方の選挙を見ていて感じるのは、
そんな皮相なことじゃなかですたいね。
メディア戦略が上手いとか下手とかいう
話じゃなかですばい。
民主党の代表選で目立ったことは、
自民党とは一つも変わらぬ派閥の争い、
そこに若手グループが割って入ろうとしたところは
新鮮な部分もあったが、
それも所詮鳩山か、菅か、
というコップの中の争いに埋没してしまった。

そこからはこの党は国民にとって
どういうメリットを持っていて、
この党を支持すると日本の暮らしはどうかわるのか、
小泉さんが頑張っている
構造改革路線とはどう違うのか・・・・
等々そもそも民主党とはなんぞや??
といったことが国民に分かるような
選挙であってほしかったのに、
メディアの焦点はどのグループが何票、
どこが勝っている、負けているという、
矮小化された勝負だけに絞られてしまった。
その間に小泉さんは北朝鮮訪問で
着々と点数を稼いでいるわけで、
ますます民主党の影は薄くなったんですね。

そこへ行くと、ドイツの総選挙では今、
アメリカが準備しているイラク攻撃について
社民党のシュレーダー党首は
「たとえアメリカがイラクを攻撃しても
 資金も軍隊も出さない」
と言いきって支持率を上げるなど、
国の根本的な政策についての
メッセージが国民には伝わったようだ。
さらにシュレーダーさんは
「国連がイラク攻撃を決議してもドイツは加わらない」
とまで明言し、
このところドイツはアメリカべったりから
独立または孤立?ドイツへと変身中だ。
それを結果的には国民が支持した。
といっても僅差でしたけどね。
関連記事が毎日新聞は6、7面に出ているが、
6面の「見るNEWS}
という図をみると、見出しは

「社民党『一人負け』」

となっている。
あれれれっ??!!
得票率の今回と前回の比較の図が示してあるのだ。
これを見ると、なんと今回は
社会民主党(SPD)は38.5%
(前回は40.9%)
キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)38.5%
(前回は35.1%)
90年連合・緑の党は8.6% 
(前回は6.7%)
自由民主党(FDP)は7.4% 
(前回は6.2%)

と言う結果だったことが分かる。
結局、第3党、緑の党が善戦し、
社民党との連立政権が勝利したわけだ。
所謂中道左派の勝利だ。
これまで欧州は基本的に社民政権がほとんどだったが、
このところそれにもストップがかかっていたのだが、
これで欧州最大の国が
今後も社民政権で行くことになったわけだ。
英国も労働党政権で基本的には社民政権なんだけど
英国のブレアー首相は
「アメリカにすり寄るプードル」
とからかわれているのに対し、
ドイツはここへ来てアメリカに対し
毅然とした態度を見せるようになった。
今回の総選挙の勝利もこの姿勢で
劣勢を伝えられた選挙情勢を
後半戦で盛り返したと言われている。
こういうドイツの社民党政権のあり方と、
今回の日本の民主党の党首選挙のあり方を見ていると、
日本には信頼のおける野党がいないんだなあ・・・・
とつくづく思わざるを得ないんだよ。

あ、もう時間が無くなったので
中身の紹介は出来ないけど
朝日新聞24日付の13ページ、
オピニオンのページだけど、ここに掲載されている
「テロは世界を変えたか 
 ロバート・ベラー氏に聞く」

というロングインタビュー記事は実に興味深い。
皆さんも是非一度読んでみて下さい。
「『9.11』米国史上の位置づけは」
「敵に似れば3度目の『敗北』」
「『勝利』には報復でなく交渉」


中身については時間がないので明日書きます。

ではまた・・・・・

2002-09-25-WED

TORIGOOE
戻る