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第913回
ほぼ日編集部様
9月19日のニュースから
ここ数日は、北朝鮮へ拉致された日本人13人
(最初は11人と言われたが、その後2人も判明)のうち
亡くなった8人の悲劇的な最後に
ニュースの焦点が合わされている。
当然のことだと思う。
私たちは世間がまだ何も知らない時期から
この問題を取材し、報じてきたものとして
「あいつらはやっぱりやってたのか!?」
という強い憤りを覚える。
金正日総書記の
「一部の英雄主義にかぶれた者の誤った行動」
と言い方にも今更何を!と怒りで1杯だ。
すべてを掌握しなければ気が済まない
金総書記として知らなかった、
という言い方はあまりにも「鉄面皮」な話ですよ!!
私は17日のテレビの中でもそのことを指摘した。
さて、新聞もテレビも、
そして政治家もこうなってくるとカサにかかって攻める、
責める。
これまで自分たちはこの問題に
正面から対処してこなかったのに、
またメディアも
チャンと報じてこなかったにもかかわらず、
もうやりたい放題、言いたい放題。居丈高という感じだ。
私はそういう日本のメディアと
被害者家族の悲しみにしり馬に乗って吠えている
日本の一部政治家に違和感を覚える。
だから今日はどこも言っていないことを
ここで指摘したい。
あなた方はかつて日本が
朝鮮半島から多くの朝鮮人を「強制連行」
という名の下に日本に拉致してきて、
鉱山などで強制労働させ、
多くは悲惨な死に方をしている事実を知っているのか?
戦前・戦時中の日本の軍部独裁主義の下で起きた、
こうした不正義と、北朝鮮という
異常な権力構造を持った国で起きていることは
基本的には同じことなのだ。
私たち日本人側にそういう歴史認識があって今、
北朝鮮の金正日体制の異常さと
彼らがやってきた蛮行を指弾するなら、
それはそれでいいんだと思う。
しかし、今の日本人の何割がそうした
歴史の認識を持っているのだろうか?
若い人たちには大半がそういう認識は
ひとかけらもないだろうね。
そういうところで今回の拉致の問題で煽られたら、
もうそこには憎悪しか残らない。
また民族間の「憎悪」が新たな対立と悲劇を生んでいく。
パレスチナとイスラエルの抗争・報復の連鎖は、
歴史的な民族間の「憎悪」が一部の政治家や軍部の野望、
そして宗教的な情熱によって燃料を注ぎ込まれ、
いつ終わるともなく続いていく、
その現実を私たちに示している。
私はそういう意味で、
今回小泉首相が取った苦渋の決断は支持したいと思う。
民主主義とはほど遠い独裁政権、
そして二つの国の間の異常な関係。
こういうものが「強制連行」や「拉致」という
非人間的なことをもたらしているんだということです。
そういう関係に終止符を打ちたいという
小泉さんの気持ちは素直に買えますよ。
ただこのまま詳細が分からないまま
放置することはできませんがね。
今日の私の指摘には
異論を抱かれる人もいるとは思いますが、
私はあくまで数十年前の「強制連行」と
戦後に起きた「拉致」とはまったく別物だと思いますよ。
日本が「強制連行」をしていたからといって、
北朝鮮の「拉致」が免罪されるというものでは
全くありません。
それは別の事実として捉えるべきだと思っています。
だから私たちは早くから
「拉致問題」を徹底的に取材して報じてきたんです。
混同しないでほしいんです。
お分かりでしょうか?
今日はこの辺で・・
また明日・・・・
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