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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第895回

ほぼ日編集部様

8月28日のニュースから

朝日新聞の社会面にこういう記事があった。

「政府却下の30人『難民』
 99年以降4年間で国連事務所が審査」


難民の問題は普通の日本人には
関係ないなあと思われている問題だろう。
だからでしょうね、新聞でも地味な扱いですばい。
一応3段見出しで扱ってはいるが、
見出しの活字が細くて目立たない。貧弱な感じなんだね。

さて、この話はどういうことかというと、
国連の機関として
「国連難民高等弁務官事務所」というのがあるのは
皆さん、ご存知だと思います。
あの緒方貞子さんが
トップの「国連難民高等弁務官」を
務めていた機関ですね。

冷戦が終わってからむしろ民族紛争などが激化、
世界中で難民の問題が深刻になってきたという事情が
背景にはあるんだと思います。
さて、その「難民高等弁務官事務所」が
日本政府によって
「あんたは難民とは認められません」
として難民認定を拒否されたケースを審査し直したら、
何とその内30件も
「難民にあたる」と認定できたそうだ。

99年からの4年間だけでこの数字だというが、
同じ難民条約という基準に照らして判断したはずなのに、
結論は全く正反対になってしまった。
例えば、として具体的な例が紹介されている。
記事によれば、トルコ出身のクルド人男性の場合、
トルコ国内でクルド人が迫害を受けている現実を考慮して、
国連難民高等弁務官事務所の
「日本・韓国地域事務所」(東京)は
今年の3月には「難民」と認定したという。
ところが、このケースは日本の法務省が難民とは認めず、
それどころか「異議申し立て」すらも
却下したケースだった。

先ごろ、中国・瀋陽で発生した
日本大使館事件をきっかけに
日本でも難民認定申請の期限の見直しなどが
検討されているそうだが、こ
の人物は難民に当たるかどうか・・・・
という肝心の基準そのものには
なんら検討をしたり見直しをしたりという
兆しはないようだ。

「難民」
というのは単に経済的な理由だけで
他国へ「移民状態」となるのとは全く事情が異なる。
政治的な理由でそのまま国内にいれば
迫害を受ける可能性があるケースを
「難民」として認定している。
昔で言えば「亡命」と呼んでいたケースだ。
ただ「亡命」というのは政治家や軍人など
幹部クラスに付ける呼び方なので一般ピープルの
「亡命」の場合には「難民」という呼称で表現している。

日本は世界でも最も
難民認定が厳しい国で知られているが、
これは日本の法務省が伝統的に異民族に対しては
「治安思想」で対応しているため、
外国からやって来る人間には
できるだけ厳しく対処しようという方針をとっている。
システム上の問題としては、
難民の認定を外国人の出入国を管理する
「出入国管理事務所」が
担当していることだと言われている。
つまり、取り締まり機関が
同時に難民認定の判断をしているのは、
機能上はおかしいわけで
難民認定についてはこうした
法務省の下部機関から独立した
「第三者機関」を設置して、
客観的に難民の認定業務を行うべきだという意見がある。
私も全くそう思う。
難民認定をこれまでの治安思想だけで
取り仕切ろうというのがそもそも時代遅れなんですよね。


今日は朝早く起きたけどどうしても眠たい。
もう1回寝る。
取りあえずこれだけは原稿として送っておこう。

2002-08-29-THU

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