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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第888回

ほぼ日編集部様

8月21日のニュースから

毎日新聞朝刊9面にベタ記事だけど、
ちょっと目を引くロンドン・時事通信発の原稿があった。
自社の記者の記事じゃないので扱いは小さいが、
最近の企業スキャンダルのことを考えると、
結構大事な指摘のようだ。

「日本企業は 問題隠ぺい 
 英紙評論」


20日付けの英国の新聞「フィナンシャル・タイムズ」は
日本企業の会計に関する論評記事の中で
こういうふうに言っているらしい。

「日本企業の不十分な情報開示やいい加減な財務報告は、
 一部日本企業による問題隠蔽の可能性を示唆するものだ」

記事によればこの論評は
「隠された日本」と題してあり、さらにこう続く。
「会計業務は常に芸術(アート)と
 科学が混ぜ合わさったものだが、
 日本では伝統的には芸術部門がはるかに大きい」
(もよ監査担当者)

という意見を引用して、
日本の企業の多くが実体を反映していない
財務報告を行っているとの疑いを持たざるを得ないと
指摘しているそうだ。
まあね、アメリカだってこの間から
エンロンやワールド・コムなど
会計監査法人ぐるみで
いい加減な会計処理をやっていたことがばれたばかりで、
日本だけが特殊って訳じゃないだろうね。
企業というのは
どこでも利益の前には真実さえも
ひれ伏してしまいがちなだけさ。

企業倫理なんて言っても
イザとなると弱いもんだということは
これまでにもいやというほど見てきてるからねえ。
英国の新聞記者が偉そうなことを書いてるけど
英国の企業がじゃあ、本当に大丈夫かいな、
ということは一応聞いてみる必要はあるでしょうね。

ただ、最近で言えば、日本ハムの問題ね、
これはどうしようもない話だねえ。
最初は599キログラムだけの輸入牛肉を
国産牛肉として申請、
国の買い取り制度に乗せてしまった、と言う話だった。
姫路の営業所の部長さんが
「在庫が貯まりすぎて困るので自分の判断でやった」
と記者たちに囲まれて告白しているところが
テレビで流れていた。
はあ・・・・珍しいサラリーマンだなあ・・・
ここまで自分で責任を取ろうとするのってありかなあ・・・
それとも組織を守るために
上層部は関係ないということを言うために
敢えて出てきた『忠臣』なのかなあ・・・
などと考えながら見ていた。
すると21日の新聞では各紙とも一斉に1面トップで

「偽装新たに3.5トン 
 日本ハム社長、専務に降格」
「社内調査と処分を発表 
 3営業部閉鎖  会長は取締役を退任」

(以上は毎日新聞1面トップ記事)

朝日の記事も1面トップ。

「日ハム偽装さらに4トン超 
 社内調査 」
「社長、専務に降格 新社長藤井氏
 義則氏は名誉会長」


朝日新聞は1面に続き2面社説で取り上げ、
さらに3面で特集、社会面では見開きで
問題の背景を探っている。
最近では珍しい全力投球の取材だ。
毎日新聞も1面の他に3面で

「実態は『一族温存』日ハム社内処分決定」
「まず創業者に"配慮" 事件の重さ
 認識薄く」


と厳しく迫っているし、
経済面では今後の日ハムの課題を特集。
社会面でも日ハムの社内調査の要旨を掲載し、
さらに処分への世間の評価を
厳しいタッチで特集している。
新たに発覚した偽装工作の輸入肉の量が
朝日と毎日ではちょっと違っている。
毎日では
「偽装新たに3.5トン」
となっているのに対し、朝日では
「日ハム偽装さらに4トン超」
となっている。
新聞を読み比べている人はそうはいないだろうから、
これはこれで見逃されてしまいそうだが、
ここは私がよしっ、っと調べてみた。
毎日新聞の「日ハム社内調査結果(要旨)」を
きっちりと読んでいって初めて分かった。
「新たに判明した事実」
として、愛媛営業部が輸入牛肉の
不良在庫合計3553.6キロを
段ボール箱に詰め替え国産牛肉と表示したことを
明らかにしている。
毎日はこれを取って新たな偽装は
「3.5トン」
としているわけだ。
じゃあ朝日はなぜ「4トン超」となるのか、
さらに読み込んでみた。するとこういう下りがある。
「混入の可能性が否定できないものも
別に0.6トンあった」
朝日は3.5トンとこの0.6トンを足したんだねえ。
で、4.16トンだから表現としては
「4トン超」
てなことになるんだろうな。
これはどっちがいいか、分からないが、
朝日にはどこか数字は大きければいい
という匂いがつきまとっている。
間違いじゃないんだけどさ、
ここは正確に3.5トンとやって、
その他にもこういうことがあるって
書いたほうがいいような気がするけどね。
朝日の記事の書き方と日ハムの偽装を
一緒にする気はないけれど、
こういう真実から少しでも目をそらして
利益を上げようというところに実は
すべての問題の根っこがあるような気がして
ならないんだ。
だからさ、敢えて朝日の記事にまで
拡大して言ってしまったんだけど・・・
仕事上でどっか絶対に自分に課すもの、
良心とか真実とか、いろんな言い方はできるだろうけど、
そういうものが私たちには必要なんだよねえ。
それを外すと
場合によってはえらいことになるんだと思うよ。

で、明日24日は13時から東京の自動車会館
(千代田区九段南)で
『ザ・スクープ』の打ち切りに関する
シンポジウムが開かれるそうだ。
私もソット覗こうかなあと思ってます。
東京近郊の人は覗いてみませんか・・・
以下にいつものメールを掲載しておきます。

_______________________

<テレビ番組は誰のものか?
 テレビ朝日「ザ・スクープ」打ち切りを問う>

 緊急シンポジウムご案内 2002年8月

既に、ご存じのように、テレビ朝日で13年間続いた
調査報道番組「ザ・スクープ」が
今年9月末をもって、打ち切りになろうとしています。
この「ザ・スクープ」がこれまで残してきた足跡は、
計り知れないものがあります。
端的には、週刊誌メディアが興味本位に取り上げ、
新聞も片隅に追いやった桶川ストーカー殺人事件。
丹念な現場再取材から
次第に警察当局の捜査ミスを明らかにし、
ついには政治をも動かしストーカー規制法まで
成立させたのは、記憶に新しいところです。
ダイオキシン問題への取り組みも全く同様です。
「ザ・スクープ」が内外で、
ダイオキシン被害にあっている現場に入り
行政当局の無策ぶりをテレビという媒体を通じて
告発したことで、これまた、政治や行政を動かしました。
報道に携わる者の原点である
掘り起こしジャーナリズムに徹した「ザ・スクープ」を、
なぜ、番組打ち切りにする必要があるのか。
視聴率を確保しにくいということが
理由になっているとすれば、テレビ番組はいったい、
誰のものなのか、視聴者のものでないのか、
テレビ会社は視聴者への説明責任をどう考えるのか。
われわれ「ザ・スクープ」存続を求める会は、
こういった問題意識をもとに、下記のように、
緊急シンポジウムを開くことにしました。
急ごしらえのシンポジウムのため、
十分な準備が出来ていませんが、
状況に流されないテレビ報道番組のあり方を
問うつもりでおり、ぜひご参集ください。
なお、シンポジウム終了後に、
メディア関係者にアピールするための会見も
予定しております。

日時 2002年8月24日(土)午後1時から
場所 東京市ヶ谷・自動車会館1F会議室
(東京千代田区九段南4―8―13
    TEL03―3264―4719
    JR中央線・総武線市ヶ谷駅から徒歩約3分)

パネラー 番組出席者やジャーナリズム関係者らを中心に
     猪野憲一、小川和久、加藤久晴、中村悟郎、
     原寿雄、吉永春子の各氏を予定。

テレビ朝日報道番組「ザ・スクープ」存続を求める会発起人
猪野憲一、岩上安身、小川和久、川人博、紀藤正樹、
三枝成彬、 田島泰彦、谷美智士、中村悟郎、原寿雄、
藤田謹也、牧野義司、 元木昌彦

「ザ・スクープ」存続を求める会のホームページアドレスは、
下記のとおりです。是非ご覧下さい。
http://www.h5.dion.ne.jp/~scoop/ 
募金、カンパのための銀行口座を下記のとおり開設しました。
【銀行名】あさひ銀行 赤坂支店
【口座名】ザ・スクープ存続を求める会 藤田謹也
【口座番号】1349560

2002-08-22-THU

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