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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第879回


ほぼ日編集部様

8月12日のニュースから

12日は朝刊がお休み。で、夕刊をチェック。
このニュースだね、今日は・・・・

毎日新聞夕刊3面にこの見出し。

「US 航空が破たん
 負債78億ドル 米大手
 テロ後初」

 
アメリカの航空業界で
第6位のUS航空(USエアウエイズ)が11日、
日本の民事再生法に当たる
米連邦破産法11条の適用を
バージニア州連邦破産裁判所に申請し、
事実上の倒産をしたそうだ。
負債総額78億3000万ドル(約9400億円)。
アメリカの航空業界は
昨年9月11日の同時多発テロの後、
利用客が激減しているため
軒並み経営不振に見舞われているそうですが、
この中でついにUS航空が脱落したということらしい。
記事には書いてないが、
このほかにもランキング上位の航空会社にも
倒産の噂が流れており、
まだアメリカ航空業界の苦境は続きそうだ。
記事によれば、US航空は
テロ以前に既に激しい価格競争で
数年前から業績不振に喘いでいたそうで、
テロ事件による利用客減が倒産への
ヒキガネを引いたことになるんでしょうね。

朝日新聞の夕刊も1面に4段見出しでこう書いている。

「USエアが破綻  テロ打撃、負債78億ドル 
 運行は継続」


この記事でも同社がテロ以前から
経営不振だったことが触れられているので、
アメリカ航空業界の構造的な問題として
既に潜在していたことのようだ。
それがテロで一気に顕在化したんだろう。
記事にはこうある。

「全米第6位だったUSエアウエイズはテロ以前から
 経営不振が続いていた。
 テロ以降、同社の主要空港の一つだった
 ワシントン郊外のロナルド・レーガン空港が
 長期間閉鎖されたことや、
 営業基盤とする東海岸で飛行機から
 鉄道に切り替えるビジネ客が増えたことで
 大打撃を被っていた」

この記事を読んで二つのことを思いましたね。
先ず第一番目に、
オサマ・ビン・ラディン氏を初めとする
アルカイダの勢力は昨年世界貿易センタービルを破壊し、
3千人を超える人命に損害を与えたばかりでなく、
こうして今もアメリカに
打撃を与え続けているんだということ。
あのWTC崩壊のシーンは
人々に恐怖感をしっかりと植え付け、
この恐怖感が新たな打撃となって
広がっていっているわけですよね。
そういう意味では彼らイスラム過激派の作戦は
見事に成功していると認めざるを得ないね。
もちろんのことですが、
だからといって私があのテロ攻撃を
認めているわけじゃありませんからね。
わざわざこういう風に言い訳がましく
言わなきゃいかんところが
この問題のややこしいところですたいね。
ビィン・ラディン1派は
この「US航空破綻」のニュースを
ほくそ笑みながら見ているだろうな。
残念ながらそういうふうにしか思えない。
アメリカが受けて立った
「新たな戦争」「21世紀の戦争」は
今後もこうして息の長い戦いになるんでしょう。
それはハッキリと覚悟しておいたほうがいいと
思いますね。

第二にこの問題は一皮めくると、
航空業界の自由化がもたらした必然的な結末とも言える。
自由化は当然の如く価格競争になる。
切り詰められるところまで切り詰めてくる。
それがこれまでの
サービス(価格も含む)向上につながっている間は
いいんだけど、
ある時点から採算割れの状態になってくる可能性がある。
私はかつて航空記者もやっていたので、
航空会社の最も大事な点は何かいつも考えていた。
それは「安全な運航」に尽きるんだと思いますね。
経営を考えるあまり整備を初め
安全面ヘの配慮がちょっとでも薄れると、
その結末は思いもよらない事故へとつながってしまう。
これが怖いんですね。
アメリカの今度の倒産劇などを見ていると、
安全な運航は大丈夫なのかと
思ってしまうんですよ・・・

てなわけで今日は航空会社の倒産について
考えてみましたばい。
また明日・・・・・

2002-08-13-TUE

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