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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第860回

ほぼ日編集部様

7月16日のニュースから

毎日新聞の社会面にこんなベタ記事が目に付いた。

「小6女児買春容疑
 会社員2人を起訴 高知」


記事によると、高知地検は、
高知市で二人の会社員、
一人は33歳、もう一人は26歳の男性を
児童買春禁止法違反容疑で起訴したという。
日付は「15日までに」ということで、
15日より以前のいつか。
また容疑は
「伝言サービスで知り合った小学6年の女児2人に、
 現金を渡してみだらな行為をしたとして・・」
となっている。
ここでこの記事のスタイルにまずあれっ?
という疑問を感じる点が三つあることに気がつく。
まず「15日までに」という、
ニュースにとって大事な「何時か?」
という要素がなんだかあやしい。

ニュースに「5W1H 」、
つまり、WHO,WHEN,WHERE,WHAT,WHY,HOW・・・・
だが、このうち「WHEN」(いつ?)が
15日までというのだから、
14日なのか10日なのか、漠然としている。
もう一つはこの事件記事は高知地検が起訴した、
というニュースになっている。
しかし、いきなり起訴から
ニュースになるというのはあまり一般的ではないので、
地検の前に警察の逮捕、
取り調べという段階があるはずだ。
記事になるのはこの逮捕の時が普通だ。
今回はいきなり起訴という話だ。

恐らく今回の事件には小学6年生の女の子が
二人も関わっているので、
警察・検察関係者が教育的な観点から
情報をメディアに公開するのを
ストップしていたんだと思う。
しかし、起訴し、裁判になる時点では
公にならざるを得ないため、
恐らく毎日が書く前に地元紙などが先に記事を掲載し、
毎日はこれを追ったんだろうね。
だからベタ記事扱いというのは分かる。
もう一つは、容疑の表記の問題だ。
見出しでは

「小6女児買春容疑」

となっている。
成人、つまり大人の男性が未成年、
それも15歳未満の児童と金銭と引き換えに
セックスをした場合に
「買春」
と呼び、大人と大人の関係である
「売春」
とは区別しているのは今やもう一般的になったと思う。
毎日の記事は見出しはこうした
新聞の表記のスタイルに則って
「買春」行為が問題になっているのだが、
本文中は「みだらな行為」と
少し曖昧な表現になっている。
「買春」と「みだらな行為」は
同じようでやはり少し違う。
恐らく一方の当事者が小学6年生
(事件当時は11歳と12歳)という、
我々大人の想像を絶するような低学年、
まあ、はっきり言えば子供ですよねえ・・・
ということもあって記事中ではぼかしたんでしょうね。
記事をもう少し丁寧に見ていこう。引用する。

「調べでは、両被告はそれぞれ今年4月、
 高知市内の女児2人(当時11歳と12歳)に
 計4万円を渡して、みだらな行為をした疑い。
 1人の女児の親がカネの多さに気づき発覚。
 県警が女児の携帯電話の着信履歴から
 両被告を割り出し、先月までに相次いで逮捕。
 女児2人は4月ごろ、
 中学生と偽り『1、2万円で』などと
 伝言サービスに電話し、
 両被告との連絡には校内の公衆電話も使ったらしい。
 『遊ぶお金が欲しかった』と話している」
 
毎日の記事は小学6年生の、
いま風に言えば「援助交際」、
はっきり言えば「売春」という常識を超えた事態に
戸惑っているように見える。
見出しと本文の表記が異なることや、
扱いの小ささなど新聞社の編集者が半分は怒りながら
「何だ?これは?」
と自問自答しているに違いない。
最近の子供たちの性にたいする暴走を
どう判断していいかという
親達の世代の戸惑いでもあるでしょうね。

で、じゃあ、朝日新聞はこの事件は
どう扱っているのかしら・・・・と調べてみた。
何と朝日は前日の夕刊で4段見出しで扱っている。
これはやはりかなりのニュースだと判断したんだろう。

「小学校内の電話から『1、2万で』 
 小6に誘われ?買春  容疑者2人高知で逮捕」


事件の概要は毎日の記事とほとんど同じなので、
これが高知地検の発表だったんだろうなと
伺わせる内容だ。
ただ、朝日新聞の場合は見出しも
本記の文章も容疑を
「買春」
という表記で通しており、曖昧にはしていない。
つまり、小学6年生の女の子が伝言サービスなど通じて
「援助交際」もしくは「売春」を持ちかけ、
これに大人の男性会社員が乗ったという構図だ。
朝日は「数万円」としているが、
ここは毎日の「二人で4万円」というのが
正しいのだろう。

もちろんこうした低年齢の子供を性の対象とする
大人の行為も問題であろうが、
私はやはりこのニュースの核心は
小学6年生の女の子が遊ぶかね欲しさに
1、2万円であっさりと売春行為に走ってしまう、
その異常さだ。
これは異常とは言わないのだろうか?
皆さんはどう考えるんだろうな??
こういう子供たちを生み出してしまう、
日本の消費感覚に私は眩しさと絶望的な感覚と
同時に持ってしまうんですけどねえ・・・

今日はここまで・・・・・

あ、もう一つ私たちが番組で
検察庁の裏金作りの証言者として取り上げ、
私自身がインタビューした元奈良地検の事務官、
大田原昌嗣氏が、
16日、工事現場へ侵入したという容疑で
逮捕されてしまった。
検察庁は、検察に刃向かった人間は
地の果てでも追っていって逮捕してやるという
覚悟なんですね。
権力者の恣意的な権力の行使には
おぞましいものを感じます。
絶対許さないぞ!!!
そういうことでしょう。
工事現場に足を踏み入れただけで逮捕というんじゃ、
そこら中の散歩好きに人は
直ぐに逮捕されちゃいますよ。
これは偶然ではないんだと思いますよ。
大田原氏をかなり以前から「行動確認」、
つまり尾行していて、違法行為として逮捕できる時点で、
つまりうっかり彼が工事現場に入ったときに
現行犯逮捕したんでしょう。
こんな恣意的な警察・検察の捜査権の乱用は
絶対に認められません!!!
これはそのうちちゃんと取材して番組でお伝えします。

ではまた明日・・・・

2002-07-17-WED

TORIGOOE
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