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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第848回

ほぼ日編集部様

7月3日のニュースから

先、朝日新聞の2面にほとんど誰も気がつかない
小さな記事、もちろんベタ記事ですばい。
これから見て下さい。

「人権法案、国連問題視 
 高等弁務官側 法相と面談へ」


短いので原文を載せておこう。

「政府が国会に提出した人権擁護法案について
 ロビンソン国連人権高等弁務官が懸念を表明する
 親書を小泉首相に送った問題で、
 森山真弓法相は法案の内容などを説明するため、
 来日する同高等弁務官事務所の
 バーデキン特別顧問と
 来週中に東京で面談することになった」

ぱーっと読んでこの文章の意味が直ぐに分かった人は
エラかばい!要するに来週に森山法相と
バーデキンさんという人が会うというのが
ニュースですたいね。

何でや?
国連の人権高等弁務官が
例の人権擁護法案について心配しちょるらしい。
森山さんはこれに対し「心配いりまへんわ」
と説明する気げな。
ま、この記事で分かるとはそこまでですたいね。
よう分からん記事ですばい。
ばってん、こげな記事は大体直前に
かなり詳しいニュースが流れていて、
今日の記事などはそれを受けた
続報のケースが多かですもんね。
悪文の見本みたいなこの記事もそげな角度で見ると
なるほどち思えます。
ばってんが、私は朝日のこれに関する記事は
見ていないので
恐らく私が見落としているんでしょうかね。

そんなら毎日新聞はどやろうか?
ち思うて今日の毎日新聞を見ていたら
25面にありましたね。かなり詳しい記事が。
こちらは最初かもしれまっせん。

「人権擁護法案 国連弁務官が『懸念』
 首相に書簡 委員会の独立性で?」


毎日新聞によれば、
ロビンソン国連人権高等弁務官から
小泉首相に届いた書簡(朝日新聞は親書と表現)は
今年の3月と6月の2回だったという。
毎日の記事によれば、その書簡の中身は
こういうものだったそうだ。
「日本弁護士連合会やNGO (非政府組織)から、
 法案(人権擁護法案)がパリ原則と
 完全に合致しないと指摘を受け、
 法案の非公式訳を入手したが、
 いくつかの懸念はあると思われる。
 特別顧問を派遣したい」

なるほど、日本の日弁連やNGOなどが
国連の人権高等弁務官に
今日本で起きていることについて報告をしたわけですね。
国連なりに調べてみたらやっぱり問題がありそうだ、
これはちゃんと調べねば・・・・
ということで国連人権高等弁務官事務所が
特別顧問を派遣します、
ということになったわけですね。

じゃあ、この書簡にあった「パリ原則」ちゃ、
どういうもんじゃろうか??
私も聞いたことがなかですばい。

パリ原則。
記事によるとこれは93年に国連で採択されたもので、
各国が人権機関を設置する際の
原則を定めているものだそうです。
世界の各国で人権を守るために
人権機関を作ろうということになっても、
そこには一定のルールがありますばい、
ちゅうわけですたいね。
そのルールの中でも大事なのが
人権機関と政府との関係。
つまりその人権機関は政府から
独立していなければ意味がない。
つまり独立性の問題で、
日本の法案は「懸念」があるというわけです。
パリ原則では独立性についてこう言っているそうだ。

「上位機関に照会せずに
 問題を処理する権限を行使すべきだ」


また、国連の規約人権委員会は98年、日本政府に
「警察や入管施設、刑務所での処遇など
 公権力による人権侵害に懸念があり、
 独立した人権機関を早く設立すべきだ」
との勧告をしている。
それなのに今回の人権擁護法案は
「法務省の外局」として位置づけられており、
明らかに国連規約人権委員会の
「独立した人権機関」
という勧告に違反している。
今回のロビンソン国連人権高等弁務官の書簡は
そうした点を考慮して行なわれたと
記事は指摘している。

これに対して「法務省のロボット」
などと陰口を聞かれる森山真弓法相は
閣議後の会見で
「必ずしも正確に(法案を)把握していない」
と述べて、国連に反論する姿勢だそうだ。
森山さん、一度でいいから
官僚の報告だけでなく自分の頭で資料を読み、
自分の頭脳で考えて下さいよ。
そうすれば、法務省から上がってくる報告が
世界の大勢といかに
食い違っているかわかるはずですばい。
ここは「法務省のロボット」などと言わせないために
森山さんの一踏ん張りを期待したい。
期待しても無理か!!??

さて、国連規約人権委員会が
人権侵害が発生していると問題にしているのは
1.警察
2.入管施設
3.刑務所
などの施設での公権力による人権侵害である。

なのに、だ。
なのに、日本政府は、
これら3つの問題公権力施設が
法務省の管轄下にあると知りながら、
それを法務省の外局とする
「人権擁護委員会」なるものに
取り締まらせようというのだ。
これは誰が見たっておかしいぞ!!!
と思うでしょう。
国連の人権高等弁務官事務所だって
そりゃあおかしいというに決まってますばい。

つまり分かり易く言えば、
泥棒に泥棒を捕まえさせようという考え方ですよね。
もちろんこれは喩えですから。
法務省が泥棒だという気はありませんので念のため。
あたらしくできる人権擁護委員会は
法務省の外局になるわけですが、
それは職員の構成も法務省からの
出向が中心になるということのようです。
そんなアホな・・・と思うでしょう。
私もここだけは、いやここだけじゃないけど・・・
本当におかしいことだ、
道理が通らない話だと思うんですね。
日本の中だけで暮らしていると、
こうした世界の常識から全く離れていても
何にも感じなくなるというのが怖いですね。
政府のお役人様はこれであアリだと思っている。
つまり日本の中で問題をちゃんと処理できるのは
彼ら中央省庁の高級官僚しかいないということでしょう。
そんなことはないんですよねえ。
民間の方がよっぽど知恵者がいるのに
何かと官僚の手でやろうとする。
で、ここ20年ぐらい何でも
失敗しているんですけどね・・・・・・

はい、今日はここまで・・・・

また明日・・・・

2002-07-04-THU

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