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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第846回

ほぼ日編集部様

7月1日のニュースから

このところ何度かアメリカの
大手通信会社「ワールドコム」の
不正経理のことをここで取り上げている。
これは何もアメリカの失敗をあげつらうことではなく、
日本でも起こりうるという気がするので
事実関係を分かっただけ
ここで紹介しておきたいからだ。

日本の新聞・テレビの報道では
あまりちゃんと扱われていない。
でも新聞をしっかり読み込んでいると、
それなりに情報は出ている。
今日の朝日新聞の10面
「世界の論調」というコーナーに
米・ボストングローブ紙の社説が転載されている。
見出しは

「不正経理防止のルールを」

だ。
この社説を全部紹介することは出来ないので
ここに書かれていることで、
いくつかの注目すべき数字があるので、
それを中心に紹介しておこう。

先ずこういう事実が述べられている。
2年前のことだそうだ。
ワールドコム社は自社の最高経営者(CEO)と
最高財務責任者(CFO)に
1千万ドル(約12億円)もの
ボーナスを与えたんだそうだ。
しかも、その頃同社の株価は
長期低落の兆しがあったにもかかわらずにだ。

この12億円も特別にボーナスば頂いた
最高財務責任者がやったことは
なんと極めて簡単な経理の不正行為だ。
この社説が指摘するには、この最高財務責任者は、
本来は経費として帳簿上に計上すべき
38億ドル(約4500億円)を
会社の資産に計上して、
資産を不正に水増ししたんだそうだ。
このおかげでワールドコム社の資金繰りは
一見よさそうに見えることになった。
つまり同社の株を買う投資家の判断材料の一つ、
「この会社は資金繰りに困っていないか?」
という疑問に
「大丈夫!」
という根拠を誤って与えてしまったことになる。
これははっきり言って詐欺的な行為ですばい。

これほど簡単な経理のゴマカシに対し、
監査法人の「アーサー・アンダーセン」
はそれを見逃していたことを問題にされている。
しかし、アンダーセン側は
「ワールドコムの最高財務責任者が
 重要な情報を隠していた」
と弁明していると、この社説は報じている。
社説子は書く。
「もともと小さな長距離電話会社だった
 ワールドコムは、
 90年代のITブームに乗っかって
 通信業界の巨人に成長した。
 しかし、こうした投資ブームの先には
 破滅が待っていることを、
 投資家は分かっていたはずだ」

急激な登り坂にはまた急勾配の下りの
坂道が待ち受けていることを投資家は知っているはずだ、
と社説は言うのだが、同時にそれには

「投資先に関する正確な情報を知る権利も持つ。
 上院銀行委員会で承認された会計監視法案を、
 議会は速やかに可決するべきである。
 いかなる企業情報をも直ちに公開することを
 政府が保証しない限り、
 長期的な経済成長は望めまい」

ということもきちんと指摘している。
アメリカでさえまだそんなことを議論しているのか。
日本はとてもとてもそんな段階でもない。
企業の情報公開なんて・・・・・
隠すことは考えていても公開することなんか、
これから先も考えていないのが
日本の企業じゃなかろうかねえ。
「会計監視法案」
というのがどんな内容なのか知らないが、
日本でもそのうち
同じ議論をするようになるんではないだろうか?!
「情報公開なければ成長なし」
と言い切るアメリカの新聞の社説もすごいよ。

ということで今日はおやすみなさいだ!!
また明日・・・・

2002-07-02-TUE

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