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第834回
ほぼ日編集部様
6月19日のニュースから
すみません、また朝に送稿になっちゃいました。
夜遅くまで仕事が入ると、
帰宅したころにはガソリン切れの車のように
もう動かないんですばい。
仕方がなか、と諦めて最近は早朝運転が
多くなってしまって、
編集部にはご迷惑をかけています。
でも毎日これを書きながらものを考えたり、
感じたりしていないと、
私は私でなくなってしまいそうで、
やっぱりキーボードに向かってしまいます。
これから北里病院へ耳の定期診察に行くところで
時間がないんですけど、これから30分が勝負と思い、
やります。
19日は鈴木宗男議員の逮捕劇で
東京中が大騒ぎだった。
空にはヘリコプターで、号外まで出ていた。
いつものことだけど分っていたことを騒ぎすぎ。
もっと淡々とやれないものか?
東京地検はある目的意識を持ってやっているのだけど、
これはあくまで容疑に過ぎない。
裁判で決着するまでは
「推定無罪」と言うルールがあることを
私たちメディアで仕事をするものは
もう少し真剣に考えたほうがいいんだと思う。
今回の鈴木議員にかけられた容疑は
「あっ旋収賄」
実は私たちのようにかつて捜査2課を担当して
毎日毎日汚職事件の事を考えてきたものからすると、
東京地検はよくぞ収賄の罪の中でも最も難しいと言われる
「あっ旋収賄」
から捜査を始めたな・・・・
と正直言って驚きを禁じえない。
あっ旋収賄が他の単純収賄などと違って難しいのは、
刑法の条文の中に
「不正の請託」
という1項目が入っているからです。
もう少し易しく言い直しましょうね。
あっ旋収賄の容疑には
1.現金の収受の事実
2.業者からの不正の請託の事実
3.不正の請託を公務員に働きかけた事実
以上の3点の立証が必要になる。
現金の収受は
今回400万円と500万円と金額は違えこそ、
事実関係については贈賄側の「やまりん」も
鈴木議員も認めているので、問題はない。
ただ400万と500万の
僅か100万の違いが後でカネの趣旨とからんで
問題になってくる可能性はあるが、
まあ、とりあえずはクリアーってとこかなあ。
さて問題は先に指摘したように
不正の請託があったかどうかです。
「あっ旋収賄罪」が戦後の政治家の汚職事件の歴史の中で
少ないのはこの不正の請託の立証が
極めて困難だったからです。
政治家は官僚などに口をきく場合、
あまり具体的に問題を指摘しない
ケースが多いわけですたいね。
「あの問題一つ宜しく頼むよ」
これだけで役人側はああ、あのことね、
じゃあやっておきましょう、
と業者に有利なように事を運ぶとしますね。
でもこれでは「あっ旋収賄罪」は成立しないんです。
例えば、分かり易く例を言えば
「税金を安くしてくれ」
「交通違反のもみ消しをやってくれ」
など、明らかに「不正」な行為を頼んだという
事実の立証が必要なんですね。
だから「あっ旋収賄罪」は捜査員の間では
「抜かずの宝刀」ではなく「抜けずの宝刀」などと
自嘲気味に語られてきたと言う歴史が有るわけです。
ただ「あっ旋収賄罪」には他の収賄罪には
構成要件として必要な「職務権限」は
必要ではありません。
公務員(政治家も含む)が他の公務員に
不正なことをしてくれるように頼み、
その見返りに金銭を貰った場合は成立します。
多くの政治家が「口を利いて」
見返りに金銭を「政治資金」として頂いているとすると、
実はこれは全部あっ旋収賄に近いんですが、
先に言いましたように、
「不正の請託」の立証が困難なため、
実際には捜査の対象にはなっていないんですね。
そこで、その抜け穴をふさごうというので
「あっ旋利得罪」というのが今、
考えられているんですね。
さて、今回の宗男さんの容疑ですが、
19日の新聞、朝日の社会面に鈴木議員の
「弁明」と並んで
「やまりん社長陳述書」
というのが全文掲載されていました。
マスコミはあまり注目していませんが、
これは今後の裁判のことを考えると、
この陳述書は大きな意味を持ってきそうですばい。
「やまりん」の社長、
山田哲社長は陳述書の中でこう述べている。
「今年5月18日に釧路地検帯広支部で
初めて東京地検特捜部の調べを受けた。
検事から『狙いは鈴木一本』と言われた。
98年8月4、5日には
自民党の他の2代議士にも献金したが、
この二人は捜査対象にしないという意味と解釈した。
この日、検事から脅かされ、
事実と違う調書に署名した。
6月8、9日にも調べを受けたが、
このときは検事が示した調書案には署名しなかった。
前回の調書の訂正を申し出ても応じて貰えなかった。
献金額は間違いなく400万円で、確実な資料がある。
8月1日付けで当社の総務部長が作成し、
同月4日に鈴木議員側に出した。
『領収書発行依頼』だ。
純粋に官房副長官に就任したことの
お祝いの気持ちから行ったもので、
政治資金規正法の枠の中だった」
これを見ると東京地検特捜部が
かなり焦って無理をしているなあと思わせる。
この辺は今後裁判の中では
必ず問題になってくるだろうし、争点になるだろう。
マスコミが大喜びをして
鈴木宗男バッシングしているほどことは
簡単ではないんだね。
あ、またこんな時間・・・
ではこれから病院へ・・・ |