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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第828回

ほぼ日編集部様

6月13日のニュースから

昨日、ここで取り上げた中国の野菜の話、
また今日の朝日新聞に出てる。社会面のベタ記事だ。

「中国産ホウレンソウ 基準250倍の農薬検出」

昨日は6倍だったけど、
今度の記事では250倍だぞ!!
こりゃあすごかですばい。

記事ば読んでみると、
日本の中堅商社が輸入した中国産冷凍ホウレンソウ
『茎無しホウレンソウカット』から
日本の食品衛生法で定める基準値の
250倍もの農薬の残留が検出されたという。
この農薬は昨日の話でも出てきた同じ農薬だ。
「クロルピリホス」
これは基本的にはシロアリ駆除などに使われる
殺虫剤だそうで、ア
メリカで最初大問題になり、
日本でも最近注目されている。

ところが、中国には「公害」とか
「環境」という考えがないようで、
すさまじい経済発展の陰で環境の悪化や
公害問題が心配されている。
かつて1970年代の日本も同じように
経済成長主義の元で多くの環境破壊と
公害の被害が続出したことがあります。
今の中国はかつて日本が来た道
という感じがしますよねえ。
最近テレビなどで「激安」などといって、
売っている商品の多くが人件費の安い中国産なのですが、
それは単に人件費が安いというだけでなく、
環境対策にカネをかけていない
ということもあるんだと思います。

結局、そのツケは日本人の消費者が払っているわけで、
この「クロルピリホス」問題は
これからちゃんと見ていかんといけませんね。

さて、今日は例の
「与党3人組」のけったいな物語をもう1回。
先日の話は道路公団民営化推進のための第三者委員会に
「猪瀬直樹を入れるな!」と、
口では名前を出してはいないけど、
誰もがそうと思う言い方で、
福田官房長官に一種の圧力をかけたという話じゃった。
今回は、防衛庁のリスト問題に関する
『調査報告書』を
チョイと国民の目から逸らそうと
企んだという話ですたい。

手口は全く同じ。
「命令や指示はしていない」
という言い方で自分のやったことについて
責任を逃れ他に転嫁するという汚い手口だ。
政治家は巧妙に言葉を操り、
後に証拠として残るように
はっきりとした表現を使わない。
しかし、対面した相手には意思が
ちゃんと伝わるような言い方をするんですばい。

公共事業などで口を利いて謝礼を貰うときも
同じような手口で犯罪から逃れようとする
政治家はこれまでいっぱいいた。
今回の『調査報告書』は防衛庁が情報公開法に
基づいて情報公開の申請をした人物について
リストを作成していたというのが発端。
役所が国民のことを基本的には信用していないことを
露に示したもので、これは明らかにファール。
やっちゃいかんことばやったわけですたいね。
防衛庁はそれなりに反省して
今後こんなこつはやりまっせん、
ちゅう反省の意味を込めた報告書を作ったとですね。
その報告書は38ページで、
中には今回防衛庁が取った行為の中で
「証拠隠しと思われてもやむを得ない」
という役所としては
かなり思い切った表現も入っていたそうだ。

11日の出来事ですたいね。
新聞の記事などを総合すると、
11日昼前、防衛庁の伊藤事務次官が首相官邸を訪れ、
小泉首相に38ページの報告書を元に
最終的な報告を行ったという。
首相は12日の党首討論で小泉さんが
何遍も繰り返していたように、
この11日の最終説明の時も
「事実は包み隠さず、分かりやすく説明しなさい」
と指示したという。官邸の福田官房長官と
事務方トップの古川官房副長官は前の日、
つまり10日午後の段階で
38ページの報告書の原案に基づいて
説明を受けていたそうだ。
要するに11日昼ごろまでは防衛庁も首相官邸も
今回のリスト問題についてはこの
『調査報告書』を公表して
決着を図るつもりであったことは確かなようだ。
ところがある時点から問題が妙にこじれてくる。

11日午後2時から国会内で始まった
与党3幹事長・国対委員長の会談。
ここには防衛庁からは
宇多川新一・人事教育局長が出て、
38ページの報告書について説明を行ったという。
毎日新聞の2面、
「検証 防衛リスト報告隠し」
「内閣の政権担当能力低下」
という記事から宇田川局長の説明後に
起こったことを引用しておこう。

「宇田川新一人事教育局長が
 38ページの調査報告書について説明を終えると、
 与党幹部がおもむろに口を開いた。
 『この資料は出回っていないのか』
 『配っていません』
 与党幹部は4ページの
 『調査報告の概要』を手に取り、
 『公表はこの4枚で言い』
 と告げた。
 与党の事前了承を取り付ける
 セレモニーと考えていた防衛庁は異変に慌てた。
 概要を公表すれば本体の存在を追及される。
 宇多川局長は東京・市ケ谷の防衛庁に戻り、
 表題を『調査報告』に修正する作業を急いだ」
 
毎日新聞の記事によれば、国会内の会談は、
午後3時50分2終わり
「ここでの話はなかったことにしよう」
と箝口令が敷かれたという。

しかし、間抜けなことにこのときすでに
国防族幹部議員らには職員が手分けして
38ページの本体の報告書を配布し始めていたそうだ。
記者クラブのマスコミへの配布は止まった。
しかし、各社の記者達は分厚い調査報告書が
うずたかく積まれ、配布寸前なのを目撃しているわけで、
それを急に4ページしか出さないことになれば、
いくらとかく批判の多い記者クラブのメンバーも
これはおかしいぞ、と思わないはずがない。

案の定、5時から始まった宇多川局長の記者会見は
3時間にわたった。
記者クラブ側が局長の説明に納得しなかったからだ。

そして、この調査報告書の隠ぺい問題が表面化するや、
自民党の山崎幹事長などは
「あれは指示したものではない、
 自分は意見を言っただけだ。
 最終的には防衛庁が決めたんだ」
と防衛庁に責任転嫁をはかっている。
これって、本当にどうしようもないねえ・・・・
恥の上塗りですね。
往生際が悪いっての!?
潔く自分の影響力行使について
責任を認めたらまだましなんだけどなあ・・・・

まあ、事実関係はこうしたものだったようだ。
しかし、与党の政治家の時代錯誤というか、
時代感覚の古さには呆れてものも言えないくらいだ。
この情報化時代に事実を具合が悪いといって
隠ぺいしようとして出来ると本当に思っているとすれば
、お間抜けというしかない。
最近の一連の政治家の不祥事や
官庁を舞台にしたスキャンダルも内部から
必ず事実が明らかになってくる時代なんだ。
隠して隠しおおせるものではないんだねえ。
こういうウソを国民に対し
平気で押し通そうとする政治家は即刻レッドカードだ。
「退場!!!!!」

ということで、
これから「マスコミ倫理懇談会」の公開シンポジウムで
講演だ。
出かけます。
また明日・・・

2002-06-14-FRI

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