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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第815回

ほぼ日編集部様

5月31日のニュースから

このところアメリカで
プロ野球選手の薬物使用の話が結構盛り上がっている。
先日この欄で、去年引退した
カンセコ選手の言葉を紹介したことがある。
それを一部再現すると・・・・・
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最近アメリカ・メジャーリーグを引退したばかりの
元最優秀選手、ホセ・カンセコ氏(37)が
テレビのインタビューで衝撃的な発言をしたという。
記事によれば発言の内容は次のようなものだそうだ。

「大リーガーの85%は(筋肉増強効果のある)
 ステロイド系の薬物を使用している。
 薬物テストを行ったら野球は成立しないだろう。
 われわれが知っているように
 (野球の)試合が改造されてしまっている。
 だから50本も60本も75本も本塁打が打てる選手がいる」
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5月20日のニュースですから、10日程前の話ですが、
その後も選手の告白が続いているんだそうだ。
実は30日の毎日新聞朝刊のスポーツ面と
朝日新聞の夕刊3面にこんな記事が出ている。
で、31日の毎日新聞とスポニチにも同じ話が出ている。
同じ話というのは、
つまり同じ元大リーガーの証言なんですね。
見出しだけ先に並べておきます。

「元MVP選手 米誌に告白
 『選手半数ドーピング』」
「筋肉増強剤、日常の話題に」
(30日毎日)

「ステロイド使用 カミニティ告白
 96年のMVP受賞者」


まずどういう話なのか、、
一番詳しい毎日新聞30日付けの記事から
紹介しておこう。

1996年に最優秀選手(MVP)に選ばれた強打者、
ケン・カミニティ
(名前の呼び方が毎日新聞の30日付けは
 「カマナティ」となっており、
 31日の毎日新聞に掲載された
 共同通信の配信記事では
 「カミニティ」とちょっと違っている。
 同じ新聞でも1日違いでこうも違うと読者は混乱する。
 校閲部門できっちり
 チェックする必要があるんではないだろうか!!)。
さて、そのカミニティ氏が
アメリカの雑誌『スポーツ・イラストレーテッド』誌に、
自分が筋肉増強剤を使用していたことを
告白したんだという。

彼は今でも薬物の副作用に悩んでいるそうだが、
「少なくとも大リーガーの半数が、
 筋肉増強剤を使用している」
と大リーグの現状に警告を発している。
記事によれば、カミニティ氏は
パドレスに在籍していた96年のシーズン途中に、
故障からの回復を早めるために、
筋肉増強剤の使用を始めたという。
その直後から成績が急上昇し、
それまでの自己記録を16本も上回る40本塁打を放ち、
さらに打点は130、打率3割2分6厘。
その年は満票でナショナル・リーグの
最優秀選手に選ばれた。

ところが、その後は筋肉が過剰に強くなったため、
靭帯や腱などの関節部分が相次いで故障し、
昨年引退してしまった。
結局96年の成績が最高で、
それを上回ることは出来なかったそうだ。
これはあのマクガイヤ選手の場合と全く同じ状況だ。
そして、記事によれば、カミニティ氏は
その後も男性ホルモンの分泌が
極端に少なくなるなどの後遺症に
現在も悩まされているんだという。
カミニティ氏によれば、
選手同士で筋肉増強剤がよく話題になっており、
「(使用は)秘密ではなくなっている」
ということだ。
米国のプロスポーツの世界では
バスケットのNBAやフットボールのNFLでは、
ドーピング(禁止薬物使用)の検査を導入しているが、
大リーグではまだ行なわれていない。

実はこの問題の根は非常に深いものがありそうだ。
アメリカでは筋肉増強剤(ステロイド剤)を
医師の処方なしに使用することは法的には
禁じられているんだそうだ。
オリンピックの競技では勿論発覚すれば、
メダルも取り消し。
でも禁止規定を持っていない
プロ野球は全くのフリー状態が実情のようだ。
記事によれば、セリグ・コミッショナーは
「検査導入の必要は強く感じている」
というが、大きな発言力を持つ選手会側が
「プライバシーの侵害」
と反対しており、実現は難しいという。
インタビューの中でカミニティ氏は
「巨額の報酬が目の前にあるところで、
 選手達に『使用を辞めろ』とは言えない」
と薬物の背景にはこうした成功の結果得られる
巨額のマネーが存在していることを指摘している。

ここからは同じ毎日新聞でも31日付の記事。
共同通信の配信記事のようだ。
29日付けのUSAトゥデー紙は
昨年73本のホームランを打って新記録を作った
バリー・ボンズ(ジャイアンツ)が
こう語ったと書いているという。

「(薬物使用)検査が
 自分のクリーンさを証明してくれる」

マグワイヤ選手と同じように
最多本塁打を突然記録すると
当然こうした薬物の疑いがかかってくる。
これをバリー・ボンズ選手も
十分に意識していてこういう発言になったんだろう。
と、いうことはやっぱり、
選手の間では薬物を使っていては
「クリーンではない」
という認識があるんでしょうかねえ??

で、「スポーツ・イラストレーテッド」誌は
特集記事の中でこう書いているそうだ。

「ボンズはかつて185ポンド(約84キロ)の
 1、2番打者タイプだったが、
 現在は230ポンドのホームランバッターになった。
 最近急激に体重を増やし、本塁打を量産している」

こういう書き方はボンズ選手の意思に反して
何やら意味あり気で、
いかにも彼が筋肉増強剤を使用していると
言わんばかりである。
それで先のボンズ選手の発言になったんだろうね。

レンジャーズの先発左腕、
ケニー・ロジャース投手はこう言う。

「普通の選手は(薬物使用で)スターになれ、スターは
 スーパースターになれる。
 スーパースターはこれまで
 見たことのないようなことをやってしまう」

スーパースターを目指して、巨万の富を目指して、
アメリカでは今日も
ステロイドが使われているのだろうか??
これはアメリカだけの話なんだろうか?
日本でもやがて問題になる日が
来るような気がしてならない。

ではこれにて・・・
またあす・・・・・

2002-06-01-SAT

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