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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第812回

ほぼ日編集部様

5月28日のニュースから

福島へ取材で行ってまして2日間休載しました。
モバイルがぶっ壊れてから
地方へ行くと原稿が書けません。
後で気がついたんですが、
携帯のメールでも短い原稿なら送れるんですね。

さて、今日の朝日新聞の7面に
こんな言葉が出てました。
「地球24時」という短信コーナーの中にある
『ことば・ワールド』という欄。

「ブッシュ米大統領は、
 現代をカウボーイの時代と勘違いしている。
 世界はテキサスで、
 自分は保安官のつもりらしい」
(27日、イランのアリ・シャムハニ
 国防軍需大臣がテレビインタビューに答えて)

イランはアメリカとは微妙な関係ですたい。
イランのハタミ政権は
これまでのイランのシーア派教条主義の政権とは違って
相当に革新的なんです。
開明派といっていいでしょう。
ところが、アメリカは以前の、
ホメイニさんの流れを継いだ
イランの姿しか頭にないらしく、
先日はイランをイラク、
北朝鮮と並べて「悪の枢軸国」の一つに数える始末。
私はアメリカが今こそハタミ政権を積極的に支援して、
イラン国内の力関係を保守派から
改革派に傾くようにすればいいと思うんです。
でもブッシュさんは誰の入れ知恵か知りませんが、
イランは全部一つに見えるらしいんですね。
イランは自ら変わろうとしているところを見ようとしない。
イランに私はいたことがあるので、
民衆レベルで彼らが変化を求めているのが
よく分ります。
それなのに、ああそれなのに・・・ですばい。
ブッシュときたら本当に
このイランの大臣が言うように
自分のことをテキサスの保安官気取り、
それも何も事情の分らない保安官だから
困ったもんですばい。

ここで保存・・・・・

食事の後に書こうと思って寝てしまった。
最近は地方取材が続くとかなり疲れる。
次の日がたっといく自分が情けない。

で、朝起きて続きを書く。

朝日新聞の12面はオピニオン欄ですが、
ここには「ポリティカにっぽん」
というタイトルのコラムが常設されている。
筆者は最近時々テレビの番組でもお見受けする
朝日新聞記者で現在は
「本社コラムニスト」という肩書きの早野 透氏である。
型通りの政治記事に比べると
自由に主観を表に出して書きつづるこのコラムは面白い。
朝日新聞の中では必ず読むコーナーだ。
今日の見出しは

「ふがいない官 おぼつかない有事」

主旨はあの亀井静香さんに
有事法制の問題や個人保護法案について、
早野さんが聞いたその内容である。
亀井さんといえば風貌のこともこれあり、
いや余り人の風貌については
コメントしないほうがいいとは思うけど、
でもしようがないやね、あの風貌だもん。
迫力あるってヤツですよ。
で、あの風貌もあってさ、
どちらかといえば「タカ派」の
イメージがついて回っている。
が、しかし、何度か直接に会った印象をいうと、
表面的に思われているよりは
もうちょっと奥は深い政治家のようには見えたね。
で、早野さんのコラムだけど、
先週、早野さんが亀井さんの
話を聞く機会が会ったそうだ。

なぜなら、亀井さんは
「死刑廃止推進議員連盟」
の会長で、27、28日と欧州評議会と
「司法人権セミナー」を開いたからだそうだ。
その会場ででも早野さんが
亀井さんをつかまえて聞いたんだろう。
コラムの一部を紹介しておこう。

--なぜ亀井さんが死刑廃止なんですか。

「裁判には誤審があるからね。
 それは100に一つとしても本人にとっては
 100分の100だ。
 権力が命を奪うと取り返しがつかない」

亀井さんはご存知の通り警察官僚の出身である。
過去の冤罪事件は
すべて日本の警察のずさんな捜査によって
生み出されてきた。
死刑台まで行って再審によって生還した人も何人かいる。
死刑制度があるかぎり
人が人を合法的に殺してしまう可能性はなくならない。
警察官として現場の事情を知っているからこうした
「権力が命を奪うと取り返しがつかない」
という思いが出てくるのか?!
しかし、一方で事件で
家族を失った人々の心情もあるのは確かだ。
早野さんが聞く。

--でも、愛する者を奪われた家族は
犯人を許せない思いがあるでしょう。

「その感情をあえて克服しようという
 人間の魂の努力ということがあると思うんですよ。
 それを死刑制度で否定しちゃいけない」

最近は犯罪被害者の立場から死刑を求める声が強い。
その方が時流という感じはする。
その中でええっ・・
この人が死刑制度反対派の先頭に立っているのか、
というのは
その辺の実情を知らない人からすると
やや驚きかもしれないね。

そこで早野さんはもう1歩踏み込んで
今国会で問題になっている
「有事法制」の問題について聞いてみた。

--では、有事法制の法案はどう思います。

「有事法制は当然必要でやらなければならない。
 しかし、わが国は沖縄戦の体験があるでしょう。
 何で自衛隊が動きやすくする部分だけ先行するのか。
 国民の権利がどう守られるのか
 ということが大切だろう。
 なぜ国民保護法制は2年先なのか。
 一緒に提出すべきものではないか」

この後も「国民保護とは何か」「個人情報保護法案」
などについても亀井さんの意見が述べられているが、
それらは朝日新聞をご覧になってもらうとして、
早野さんはコラムで、
官に対する国民の不信感が強まる中で、
有事法制も個人情報保護法案など
官が強行するのはおかしいんじゃないか
ということを言っているようだ。
あの亀井さんもさえ
そういう点に考慮しているのに
日本の官僚は何を考えているんだ、
とそれを許す日本の政治の危うさを
指摘しているように見える。

私は今行われている法案審議の
どれを見ても政治家のリーダーシップというより
「官僚の復権」を狙ったものばかりだ
という気がしますばい。
規制緩和と不祥事で傷ついた官僚機構が
「報道被害」とか
「個人情報の保護」とか
「有事に備えるため」とか
「郵政事業の改革」とか称して、
結局は官僚組織のコントロールで
郵便配送事業から
メディアまで支配下に置こうという
野心がみえみえですたいね。

あ、まだ間に合うかなあ・・・・
また明日・・・・・

2002-05-28-TUE

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