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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第803回

ほぼ日編集部様

5月17日のニュースから

やがて9月11日がやって来る。
あの事件から1年目を迎え、世界中のメディアが
何らかの特集を考え、出してくるだろう。
そういう中で最近アメリカのメディアで
まだ声は小さいんだが、
あの事件の前にFBI(米連邦捜査局)が、
ハイジャックの可能性を指摘していたという情報が
しきりに流れている。

最初に見たのは16日のスポニチに
恐らく共同通信の配信だと思われるベタ記事。

「対米テロ攻撃の警告メモ『存在』 米政府当局者認める」


僅か20行足らずの短い記事だが、私はこのニュース、
結構重要だなと思いましたばい。
記事によれば、
14日のニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は、
米飛行学校に通う中東出身者(ビンラディン氏の
配下という)によるテロ攻撃の可能性があるとして、
昨年夏にFBI担当者がFBI 本部に捜査を促した
極秘メモの存在が明らかになったという。
記事では、この警告メモは
9月の事件前にビンラディン氏に直接言及し、
飛行学校での訓練などを通じた対米テロ攻撃の可能性を
指摘したものだという。
しかもこのメモの存在を米政府当局が認めたのは
初めてだそうだ。

で、この話は今日の朝日の9面にも3段見出しで出ている。
同じ話のようだが、もう少し明確な事実関係が
明らかにされている点で、こちらはさらに重みがある。

「FBIの機密メモ  米大統領にも報告」
「テロ前に計画指摘  議会内に批判の声」


どうやら今年秋の中間選挙も絡んでこの問題はアメリカで
今後大きな問題になっていきそうな気配だ。
朝日の記事によれば、今回の記事は
ニューヨーク・タイムズ紙が報じたFBIの警告メモ
(今回朝日の記事では機密メモと表現されているが・・・)
の内容が昨年夏の段階で
ブッシュ大統領にも伝えられていたという。
つまり、9・11の事件の前に現場からの情報という形で
ブッシュ大統領にまで上げられていたというのだ。
しかも、記事によると、その事実について、15日、
フライシャー大統領報道官が認めたんだそうだ。
もう一回繰り返しておくと、
その機密メモの内容というのは、
昨年9月の同時多発テロ事件前に、
オサマ・ビンラディン氏によって
米国の飛行学校に送り込まれ、
ハイジャックを計画している可能性があるというもの。
FBIの捜査官がこの警告のためのメモを作り上司に報告、
これはさらに大統領まで
上げられていたということでしょうね。

これが本当なら事件後からくすぶり続けてきた、
ブッシュ政権の上層部は何らかのテロ情報を
つかんでいたにも関わらず、事件を阻止できなかった。
この疑惑に火を付けることになるんだろうな。
朝日の記事でも

「米議会内には、ブッシュ政権の<対テロ対策>
 (注:朝日の記事にはこういうふうに書かれているが、
 ここは単に<テロ対策>でいいんじゃないだろうか??)
 が不十分だったという批判が出ており、
 大統領自身の対応も問題視されそうだ」
と書かれているので、今後米議会の動向は要注意だ。

こうした報道に対し、フラーシャー報道官は
こういうふうに言いわけしているそうだ。

「大統領が聞いた情報は、従来の意味でのハイジャックで、
 飛行機をミサイル代わりに使う自爆ではない」

そりゃあ、まあ、そうだろうなあ・・・・
飛行機で突っ込むというテロ情報を大統領が知りながら
放置したとすれば、それはもう犯罪的な行為になる。
だけど、そこまでのディテールまでは知らなくても、
ビンラディン氏らのグループが飛行学校に送り込まれて
事件を起こすという情報に接していたんだったら、
やっぱり何らかの手を打たずに
あの日を迎えてしまったこと、
これは今後ちゃんと検証すべき問題でしょうね。

ということでまた明日・・・・

2002-05-18-SAT

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