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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第785回

ほぼ日編集部様

4月29日のニュースから

世の中、今は連休の真っ只中なんですね。
福岡から帰ってきて野球をぼんやり観てました。
また逆転されて負けてました。
あーあ、今年も春先だけの阪神かな・・・
と思っていたら、片岡、桧山と
ホームランでひっくり返して結局勝ちましたよ。
ええっ!!!と思わず起き直って
その後かなり真剣にテレビ見ちゃいましたよ。
今年はやっぱり違うごたるばい、うん・・・・

で、朝日新聞をめくっていたら
3面の左下にベタ記事扱いでこんな見出しが。

「移民政策『日本も同じ』ルペン氏」

むむむ・・・・何?ルペンさんが・・・日本に言及・・
ほとんど目立たない記事ですが、
これは日本の外国人問題を考えるうえで
かなり重要な話たいねえ・・
と改めてちゃんと読んでみましたとです。

記事によると、先ごろ行われたフランスの大統領選挙で
正確な数字は覚えてませんが、確か17%を超える支持率で
保守派のシラクさんに次ぐ第2位になった
極右「国民戦線」の大統領選挙候補、ルペン氏が、
記者会見で「日本と同じだ」と言ったそうだ。
記事から正確にルペン氏の発言を引用しておきますと・・・

「日本とスイスの国籍法は
 完全にわれわれの考えと一致する。
 われわれが人種的な偏見を持っていると
 指摘されるのはおかしい」

記事によればルペン氏が言わんとすることは
こんなことらしい。

フランスの国籍法によれば、
父母、つまり両親がたとえ外国人でも
フランス生まれで11歳から18歳までの間に
5年以上居住していれば、ほぼ自動的に
フランスの国籍が取得できるんだそうだ。
二重国籍も禁じてはいない。
これに対して日本やスイスの国籍法は
外国人の国籍取得の基準が大変厳しく、
二重国籍も認められていない。
ルペンさんが言いたいのは、
だからフランスも日本やスイスのように
国籍法を厳しいものにすべきだというわけだ。
今のように簡単に移民を受け入れるな、
まあ、こういうわけですね。

記事の中にルペン氏の言葉として次のような下りがある。
「治安の悪化は移民が主な原因だ」
端的に言ってこの言葉で表される移民をめぐる現実が
今のヨーロッパの国々、つまりEUですね、
どこも抱える爆弾のようなものなんですね。
ドイツもそうですし、オーストリアなども
ネオナチと呼ばれる極端な右翼勢力が
政治に影響力を強めている背景には
この移民の問題が横たわっています。
ルペン氏はもうここ10数年で
ジリジリとフランスの政治の世界で力を伸ばしており、
今回の大統領選挙では社会党のジョスパン候補(首相)を
上回る票を獲得しました。
これには私も驚きましたが、
この記事のようにフランスやドイツの移民をめぐる事情を
ちょっとでも知っていれば、
いずれこうした状況は来るだろうなということは
分っていましたね。

フランスは自由の国として
世界中の政治亡命者にとっては天国みたいな国でした。
パリは「自由・平等・博愛」という
フランス革命で掲げられた理想を体現する都市として
これまで多くの南の国々からの移民を
受け入れてきたのです。
しかし、そうした理想の陰で
フランス国民は異民族との混合に疲れ果てていたのですね。
勿論多くのフランス人が
こうした理想を捨てているわけではないと思いますが、
普通の庶民が、大衆が外国から
どんどん入ってくる人たちとのつき合いに
倦み疲れ果ててしまったんでしょう。

日本は確かに国籍法が厳しいし、
移民政策もフランスほど優しくはありません。
しかし、人種や民族の混交は
ある種の軋轢を生み出すということは確かでしょう。
と、いうことは分かりながら、21世紀、
日本もこれまでのようなやり方でいいのか、
という難しい問題も突きつけられています。
要するに私にもこれが正解という答えは見出せないのです。
ただ、ここにこれからの日本の考えるべき課題があることは
確かなようですね。
今日はルペンを考えてみました。

また明日・・・・

2002-04-30-TUE

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