TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第770回

ほぼ日編集部様

4月14日のニュースから

すいません・・・また朝に書くハメに。
夜になるともう頭が正常に働かないので、
早朝更新前に滑り込みという形になってしまいました。
・・・といういいわけで始めます。

14日の新聞を読んでいて
私なりになるほどと思ったことが一つありました。
朝日新聞が朝刊の1面左下で4段見出しの
こんな記事を掲載しています。

「次世代台頭、変わる自民  
 安保論議、軸足『右』に」


いま自民党など与党3党の内部で進められている
有事法制の原案作りの中で、
積極姿勢を示す若手の議員と有力幹部の中で溝があり、
大勢としては若手の意見が
通りつつあるようだという記事だ。
積極派の代表として
自民党の前防衛副長官・石破茂議員が挙げられている。
彼は11日に開かれた与党3党の
安保プロジェクトチームの会合で
「こんなことで国民がついてくるのか」
と慎重な姿勢をとる防衛庁幹部を叱咤したという。
記事によれば、石破氏には有事法制の原案には
(16日に閣議決定を目指しているという)、
有事に民間人が業務従事命令に従わない場合の
罰則規定がないのに不満なようだ。
「こんな議論は20年前に行うべきだった」
とその不満を防衛庁幹部にぶつけたんだという。
記事はこうした発言に石破氏ら
新世代が実務を取り仕切り始めたという
自負がにじんでいるという。
そして一方、例えば古賀誠・前幹事長は
民主党若手との会合で
「野中(広務・元幹事長)さんか私が幹事長だったら、
 有事法制議論はここまで進まなかった。
 なぜこんなに急ぐのか」
と疑問を語ったという。
記事が伝えている例では昨年秋の
テロ対策特措法の基づく米軍支援の際には、
イージス艦を派遣しようとした
山崎拓幹事長に断念を迫ったのは
野中氏とポスト「YKK」世代である古賀氏。
そして派遣論を掲げる石破氏らに
「あんなに大きな立派な船を出してはいけない」
と釘を刺したのは衆院特別委員長(当時)の
加藤紘一氏だったという。
自民党は党是では憲法改正を掲げてはいるが、
現実には経済成長優先路線をとり続け、
自衛隊の活動拡大には抑制的だった。
その中には戦前を知る
故・梶山静六さんとか野中さんとか、宮沢喜一さんとか、
後藤田正晴さんとかが常にブレーキをかけ続けていた。
それがここへ来て世代交代が目立つようになってきて、
安全保障論議では次第に戦争を知らない若手が
発言力を増している。
朝日の記事はそうした微妙な変化をついたものだ。
野中氏は記事の中でこう言っている。
「有事法制について役所から相談はない。
 進み具合の報告はあるが、ほうほうと聞いているだけ。
 意見は公の場でしか言わないことにしている」
自民党の現実路線を引っ張ってきた有力議員の後退。
それに変わってイケイケドンドンの若手議員達。
国民があまり気がつかないうちに
潮の流れが変わりつつあるんではないか?
そういう目を見開かせる記事だ。
これは2面にも続きがあって、

「変わる『タカ』『ハト』」
「不審船事件・同時多発テロ・・・
 薄れゆく世論の拒否感」
「『日本のかじ取り誤らぬよう』
 後継者求める『仲介役』」

記事をいちいち要約するのも面倒なので簡単に言うと、
若手と言われているのは石破氏や
米田建三・党国防部会長代理ら。
記事の中で若手防衛族のまとめ役として紹介されている
久間章生・元防衛庁長官は自分は新世代と旧世代との
「仲介役」と自任しながらこう言っているそうだ。
「若手はタカ派というより合理主義者だ。
 しかし、後藤田正晴、梶山静六両氏ら
 戦中派とは違い大衆に流される怖さ、
 人間の感傷的な弱さを知らない」

ここまで原稿を書いてきて私が一番書きたかったのは
この久間さんのこの言葉なんですね。

「大衆に流される怖さ、人間の感傷的な弱さ」

この合理主義とは相反する現象こそ
日本を誤らせたものだからね、
そこにはお互い、気を付けましょう。
そんな心の中の抑制心のボタンがかかっていた
旧世代の政治家達。
それに対して合理的に理を詰めてくる新世代政治家達。
これは太平洋戦争の記憶がある、
なしとかなり関係しているんでしょうか。
直接の記憶はなくても戦争のことを
ちゃんと受け止めている人とそうでない人と・・・・
次第に日本人の中にはそうでない人が増えていく。
まあ、仕方のないことだけどさ。
少なくとも私は憂慮しつつ見ている。

あ、もう時間がないぞ、
送らなきゃああ・・・・・

2002-04-15-MON

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