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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第743回

ほぼ日編集部様

3月17日のニュースから

毎日新聞のオピニオンのページ、
つまり読者の投書欄ですが、
私もちょっと気になっていたニュースへの
感想が述べてあったのでそれを紹介しながら、
言葉について考えてみたい。
投書の見出しは

「不適切発言の記事 扱いに疑問」

投書の主は神戸の経営者(40)。
北海道の小学校で女性教諭がスキーの授業中に
3年生の子供たちに
「自殺するように滑りなさい」
と指導したことが
3月3日の毎日新聞の全国版に掲載された。
神戸の男性はこのニュースの扱いが
少し行き過ぎではないかと問題にしているんですね。
投書氏は指摘する。
「確かに不適切な発言だと思う。
 ただこの発言で、事故が起きたのならともかく、
 不適切な発言だけで
 全国版のニュースになってしまうことには
 少し首をかしげる」

この程度の話なら
精々PTA レベルか校区レベルの問題だという。
こうして言葉の端々を新聞のネタにしてしていると、
結局はそのツケが教育そのものに
跳ね返ってくるんだとこの投書氏はいう。
そして最後にこう締めくくっている。

「利口な教師は無難な教育しか行わなくなるだろう。
 いかなる状況に陥っても、手を上げることもなければ、
 厳しく注意もしない。
 そんなフレンドリーな教育者が増え、
 そのツケは社会を通じて
 我が身に降りかかってくるだろう」

まあ、ざーっと言うと、こういうことなんですがね。
実は私もあのニュースを新聞で見たとき
チョイとなにがしかの違和感を感じていたんですね。
女性の教師が「自殺」
という言葉を使ったこと自体がけしからんという
大方の判断ですよねえ。
私は彼女がその言葉を発したときの
詳細な状況を知らなければ安易な判断は
出来ないなあとその時は思ったんでした。
言葉は一つの文脈の中で生きているわけで、
その単語だけ取り出せばどれだけでも
難癖をつけることが出来るんだと思います。
実際の状況は分かりませんが、
例えば彼女はこの「自殺」という言葉を
雪の急斜面を滑るとき、
勇気を持って怖がらずに
思い切って体を前に突っ込んでいきなさい、
というような意味で使ったのかもしれません。
体を前方に投げ出す様を小学3年生に伝えるときに
「自殺するように」という言葉が
彼女には一番適切と思ったのかもしれない。
本当のところは私も知りませんから
実際はどうだったのか知りませんが、
この女性教師は新聞の全国版で
ひどい教師の見本のように指弾される程のことは
なかったのかもしれませんね。
マスコミとPTAと母親たちによって、
日本の教師は角が取れた
まーるい無個性の教師になってしまったら
その方が怖いよねえ。
そういうことを考えさせてくれた投書だった。
最後に言っておきますが、
この件は詳細を知らないので飽くまで
一般論の域を出ない話だと思ってください。

最後に今永田町では
鈴木宗男氏の議員辞職を野党が要求して大騒ぎだけど、
私は本当に疑惑があるなら、
そんなにすぐに止めさせないで、
国会の中でとことん調査して、
それからでもいいのにと思う。
議員を辞職してしまえば、
国会の調査から離れてしまうと思うんですけどね。

ま、いいか。
明日からまたしっかり生きようかな。
今日まではぐんなりしてるけど・・・・・

2002-03-18-MON

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