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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第726回

ほぼ日編集部様

2月28日のニュースから

これは今日の記事ではないんですが、
このまま見逃してはいかんなあという訳で、
27日の新聞からピックアップして書き残しておきます。
27日の朝日新聞の国際面に3段見出しで

「『ウソつき』と言わせない」
「ニセ情報の担当部門 米国防総省、廃止検討」


また毎日新聞も7面の国際面で

「ブッシュ大統領 『偽情報』作戦に不快感」
「米国防総省、対テロ世論誘導を見直し」


日本人には突然出てきた話で、
何?これって?という感じなんですが、
これをアメリカで最初に報じた
ニューヨーク・タイムズ紙によると、
昨年11月、国防総省の中に新たに
「戦略影響局」なる部署が新設されたんだそうだ。
11月というからには
明らかに9・11同時多発テロ事件を受けた形で
対テロ戦略の一環として
こういう世論誘導作戦を担当するセクションを
新設したということだろう。

記事にはちょろっとしか書いてないので
詳細はわからないが、
この「戦略影響局」は
敵を欺くために同盟国を含む外国メディアに
虚偽の情報を流すというものらしい。
味方だろうと誰だろうと使えるものは最大限に使って
敵を混乱させようという作戦らしい。
まあ、日本でも昔から敵を欺くためには
先ず味方から欺くべし、という考え方はあるわけで、
そう不思議ではない。
問題はそれを堂々と謳った部局を新設し、
しかも極秘にすべきところを
マスメディアに
すっぱ抜かれてしまったというところだろう。
さすがアメリカの新聞社だ。

こういう国家も戦略部門の問題でもバンバン暴いてくる。
こういうヤミの戦略・作戦は
極秘にやってこそ意味があるのに
表に出てしまった段階でもう意味がなくなるわけですね。
ブッシュさんの「不快感」もそういう意味でしょうね。
「なんとバカなことをしてくれたんだ」
国防総省の考え方はオーケーだけど、
すっぱ抜かれた以上はもうダメ!
記事によればブッシュさんは
早速ラムズフェルド国防長官に善処を求めたという。
同長官も廃止などを検討中だという。
で、27日夕刊を見ていたら、
朝日新聞2面に2段見出しで

「米国防総省 『うそ情報』の担当局を廃止」
「長官『信頼回復に努力』」


ともう廃止するという記事が出ていた。
この辺はさすがアメリカ、やることが早いや。
記事によると、
ラムズフェルド国防長官は
すでにアフガニスタンなどで
人心をつかむために宣伝戦を担当している
「戦略影響局」の廃止を決めたという。
同長官は記者会見で
「どんな議論が当事者の間であったか分らないが、
 虚偽情報をこれまで流したことはないし
 今後も流すつもりはない」
と語ったそうだ。

まあ、皮肉な見方をすれば、
この長官の言葉自体が「偽情報」じゃないのかね!?
とも言えるんですばい。
正しくは
「虚偽情報はこれまでも流してきたし、
 今後も流すつもりだ」
というのが軍事の常識ってもんじゃないのかなあ。
ま、語るに落ちたってヤツですか。

話は変わりますが、
イスラエルで軍の予備役兵が
ヨルダン川西岸とガザ地区での軍務につくのを拒否する
「軍務拒否の手紙」運動が広がっていることを
この欄で以前取り上げたことがあったと思うが
27日の朝日新聞に
関連の続報が出ていたので紹介しておこう。

「『軍務拒否の手紙』賛同者
 予備役兵2人収監 イスラエル」


この記事によれば、
軍から招集を受けた2人の予備役2人が
軍務拒否の手紙を公表、即日収監されたという。
収監されたのは占領地で前線任務に招集された
31歳の軍曹と27歳の曹長。
2人は軍が収監を決めた直後に
「我々の行動を止めることは出来ない」
という声明を出したそうだ。
今年1月下旬、パレスティナと
イスラエル軍との軍事紛争が激化したことを受けて
最初は50人で始まった
「軍務拒否の手紙」の賛同者が
処罰されるのは初めてだという。
但し今年1月までに占領地で個人的に
占領地での軍務に就くことを拒否した士官や
兵士は約400人で、
その内20数人が収監されたという。
イスラエルの若者もやるよねえ。
日本人にこういうことはできるかいなあ?

真紀子さんや雪印や宗男さんや、
何かというとザ−ッと雪崩現象のように
皆一緒になって流されて行く我々日本人には
とてもとてもそういう発想すら出てこない。
太平洋戦争のときがそのいい例でしょうか。
戦争に誰が反対した????
真紀子さんや雪印問題では
いろいろと読者からメールを頂いていますが、
私の真意は常にそこにあるんですばい。
雪崩現象がおきた時自分はどこまで踏みとどまれるか。
これが私の一生のテーマなんですね。
戦争のシッポのところで生まれてきた我々世代の、
実感的なこだわりとでもいえばいいんでしょうか。

というところでこれから久し振りに耳の病院へ。
また明日・・・・・

2002-03-01-FRI

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