TORIGOE
3分間で、
最近のニュースを知る。

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第725回

ほぼ日編集部様

2月27日のニュースから

今日は毎日新聞の4面にある「記者の目」が
ちょっとした読み物だ。
これまで断片的なニュースとして伝えられて来た
あの「エンロン」破たんに関するニュースの
核みたいなものを北米総局の
逸見 義行記者がきっちりと書いている。
エンロン事件といっていいと思うけど、
今アメリカで進行している最もアメリカ的な、
あまりにもアメリカ的な事件について知りたい人は
これを読めば大体のことは分る。見出しはこうだ。

「米資本主義の暗部を露呈」
「カネがすべてに優先」


書き出しだけは引用しておこう。

「エネルギー販売最大手の
 エンロン(本社・テキサス州)の倒産が、
 米国の政界、経済界を大きく揺さぶっている。
 『ウォ−ル街の寵児』『ニューエコノミーの旗手』
 とたたえられた同社の破たんが、
 昨春まで史上最長の景気拡大を続けてきた
 米資本主義の『反映の0年』の暗部を
 さらけ出してしまったためだ」

このエンロンの破たんは
いくつもの問題点を含んでいることが
この記事を読めば分るが、
その中で私はこの問題について取り上げておきたい。
「確定拠出型年金『401K』」
と呼ばれる、アメリカで大流行して、
それをまねして日本でも導入されようとしている
老後の年金の話だ。
ここも記事を一部引用します。

「『大恐慌時代に窓から飛び降りた人の気持ちが
  わかります』。
 2月に議会で証言した
 エンロン従業員の言葉は痛切だった。
 老後に備えて自社株中心に運用してきた
 確定拠出型年金『401K』は
 倒産と同時に紙くずになった。
 倒産後に、不正経理、インサイダー取引、
 会計監査事務所による証拠隠滅などの
 さまざまな疑惑が浮上した」

「401K」はアメリカの株が上がり続けている間は
夢のような老後を保障するものとして
もてはやされたものだ。
しかし、一転株価が下がりはじめると、
その抱えていた問題点が表面化してきたわけです。
この年金の仕組みは普通の積み立て式の年金と違って
払い込んだ資金を株や債券を組み込んで運用し、
それを老後に受け取るというものです。
株価は一時的に下がっても
20年先に引退するころには
またもとの値段に戻っているかも知れない訳で、
安定した企業の株を組み込んでおけば
そう大した問題は生じないはずだった。
問題はその株を発行している会社が
存在しているかどうかですね。
倒産したら株券は一瞬にして紙くずになってしまう訳で、
その瞬間に老後の保障も泡のように
ぱちんと弾けてしまうんですね。
エンロンの社員達は自社株を組み込んだ
「401K」を持っていたんでしょうね。
記事に引用してある従業員の言葉
「大恐慌時代に窓から飛び降りた人の気持ちがわかります」
という声はまさに悲痛そのものです。
それでいて会社の幹部達は
会社の倒産前に自社株を売り抜け
て何百億円という利益を得ていたというのですから
ひどい話です。
資本主義というのは基本的には
そういうカネ本位主義みたいなものがあるんでしょうから、
要注意ということです。
グローバリズムとか自己責任とか競争社会とかいう言葉が
日本でアメリカを手本に大流行していますが、
エンロンの倒産にまつわるさまざまな問題は、
そうした言葉の裏側に潜む
暗部を見せてくれているんでしょうね。

ここで外出です。
保存・・・・・
でも帰宅は午前様、
明日は早起きしなければならないので
ここらで終わっときます。
はい、すみません・・・・・・
また明日・・・・・・・

2002-02-28-THU

TORIGOOE
戻る