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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第709回
ほぼ日編集部様

2月2日のニュースから

放送を終えて帰って来たところです。
ほぼ日宛のメールが転送されて来ていましたので
拝見しました。
今日の特集に対する反対、賛成ともに
いろいろな意見があって興味深いものがありました。
参考までに一つ二つ紹介しておきます。

先ず反対の意見。

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●あなたの数少ない人脈と、
それで得た偏った意見を
自信満々に全国放送しないでください。
不愉快です。

あなたが野上(前)事務次官と話した内容は
ちゃんと録音テープに撮りましたか?
メモを取っただけでは彼は
きっと言った覚えが無いというはずです。
・・・身をもって試してみたら分かるでしょう。

今日の様な放送を続けるつもりなら
迷惑なので、キャスターを代えてください。
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うう、きついねえ。
キャスター代えて下さいということですが、
そういう方は見なくてもいいんですよ。民間放送は。
それからもちろん野上次官とのインタビューは
ちゃんと保存してありますので御安心下さい。
あ、もう一つ、細かいことで恐縮ですが、
これ、残念ながら全国放送ではないんですね。

もう一丁行くかア、反対意見。

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●「何の偏見や偏りもなく見て来たつもりです」

今朝 23chであなたのいろいろ言うことを
聞いていましたが
あなたも やっぱり 
旧守派の中ボスということが分りました

今回の事件はいろいろな人種を仮面をはぐ
良いチャンスでした

あなたには 本当の国民の視点がわからない

リテールの積み上げで真実が見えるとは
うそ800

大局的に変革してもらいたくない人種がすることと
同じように
あなたも枝葉(この言葉に多分また異議を言うでしょうが)
の積み重ねでしか
大きな変革をしようとしている動きに対抗できないのです

大変動がこわいけど 
それが正義だとわかっているから
真正面から反対できない
だから ありったけの材料集めに躍起になるのでしょう

あなたが言う 
真紀子のうそや失政はみんなわかっているのです
それ以上に大事なことをやっているから応援するのです

そのことを多分あなたも知っていて
こういう番組を私物化していいきなあなたは
間違いなく旧守派である

小泉内閣と同様 こんな視点の物言いがつづいたら・・・・
あなたも ね!

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これもきつかですばい。
守旧派ですか、私がねえ!?
あれよく見ると「守旧派」でなく「旧守派」と書いてある。
訂正。

では賛成意見。
ほぼ日の読者なので
当然ながら賛成してくれる意見の方が多いんですが、
その中から一つだけ
私の一番言いたかったことを述べておられる
この意見をどうぞ。
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●今日の放送、とても共感できました。

番組の内容は、「外相発言のウソ」ということですが、
私は今日の内容でその通りだと感じたのは、
「神はdetailに宿る」という事でした。

今日のお話の中で、コメンテイターの方や
長野さんが紹介された菅直人の発言の中に、
「マクロの視点で言えば、・・・」
という表現がありましたけど、
こういうのって、みんな好きですよね。
「大きな視点で、」とか「大所高所から言えば、」などは、
人間の器とダブらせて、
自分の資質を大きく見せたい時に良く使われますが、
私には、それは現場を知らない人の
議論すり替え行為だと思えるんです。
確かに大きな視点は大切ですが、
それはdetailを突き詰め、分析した後に、
その原因や本質を考える事なんだと思うんです。
analysis(分析)と
synthesis(統合)の関係
とでも言いましょうか、
分析無くして統合無し、ではないかな、と。

ですから、
「言った言わない論なんてどうでも良くて、
 問題は・・・」というのは間違っていると思うんです。
その点で、今日の番組のアプローチは
とても正しかったと思います。
そして番組の最後でおっしゃった通り、
次にはsynthesisをしなければなりませんよね。
でも、それにもまた
detailを突き詰める事が大事なんだと思います。
鈴木議員が誰に何を何時、何回行ったのか、
といったことや、
一体国会議員は自分が属している(族している?)業界を
管轄する役所に
どれぐらいの影響力があるものなのか、
役所はそういった政治家をどう見ていて、
どう対処しているのか。
そういった細かな検証が、
「政治と官の関係」といった大きな議論へと
発展していくのではないかと思います。

私は役人なので、
こういった「マル政案件」はよく知っていますし、
また今回の嘘つき犯は田中真紀子だと思います。
ですので、
「実はこういう細かな事をしっかりと見極める事が大事」
という鳥越さんの発言には、
ニュースの職人として現場を知る人の強さを感じました。

これからも職人としてdetailにこだわって、
その中から「問題の本質」を発見していって下さい。
今日の放送は大変面白かったです。
充実した1時間をありがとうございました。


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私の最も強調したかったのはこのことでした。
私達の仕事はディテールにとことんこだわり、
そこを突き詰めて取材して行く中で
見えてくる全体像を見て行きたい。
これに尽きるんですね。
論理の展開の方法論に二つあるのを御存じでしょうか。
「演繹法」
「帰納法」
正確を期すためこの二つの言葉を
辞書できちっと定義しておきましょう。
『新明解 国語辞典』(三省堂)からです。

『演繹』 一般的な原理から、論理の手続きを踏んで
個々の事実や命題を推論すること(考え方)

『帰納』 個々の特殊な事柄から一般的原理や法則を
導き出すこと(方法)

私達報道に携わる人間は常に後者、
「帰納法」にこだわって生きています。
事実に積み上げて何が見えるかが勝負なんですね。
現場で職人として生きている私はそれ以外にはありません。
今回は田中真紀子氏が思わずついてしまったウソと
それが引き起こした騒動を見て行くと、
今の日本の政治状況やマスコミの雪崩報道の
実態が見えてくることに
取材している内に気がついた訳です。
番組を録画している方はもう一度見て頂きたいんですが、
私達は真紀子さんのウソを暴くことだけを
狙った訳ではないんです。
そのウソに付け入る形で自民党内の、
所謂「抵抗勢力」が一気に小泉政権の弱体化を狙って
蠢動し始めた、その状況が分って頂けたらと思ったんです。
実はこれは自民党内部の権力闘争なんですね。
小泉さんはこれで一歩後退したことは事実でしょうね。
ただ、小泉さんはこれまでの政治家とは
違うところがありそうです。
それはこれから私達が見て行くところですが。

今日は番組のスタッフルームに放送中から電話鳴り放っし。
大変でした。
一つだけ気になることは、真紀子さんの事となると
どうして皆、ああも感情的になるんでしょうねえ。
もっと普通に冷静に論じてもいいんですけどねえ。
先ほど紹介したメールで私の事を
「旧守派」と呼ばれたかたはメールのタイトルが
「あんたにゃキャスターは無理」
というものでした。
なんか憎しみの感情が篭っているように思えたのは
私のひがみ根性のせいでしょうか。

しかし、賛成反対ともに放送を見て頂いて感謝しています。
こういう、ほかの番組とは違うことを目指している、
へそ曲がり報道番組だと言うことを理解して頂けたら
幸いです。

ではまた明日・・・・・・

2002-02-03-SUN

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