TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第703回

ほぼ日編集部様

1月27日のニュースから

日曜日は日曜日で
これまで先延ばしにして来たものの
始末をつける日なので結構忙しい。
ゆっくり休日を本でも読んでという感じではない。
でも何となく
自分の時間があるような気がしていいんだねえ。
実際は今言ったように5つぐらいの
やるべきことが順番待ちで並んでいるんだけどね。

最初に取りかかるのがここさ。
「あのくさ こればい!」
最近分ったけど午前中はまだ耳の状態も良いので
ミスタッチもないんだが、
夜仕事から帰って来てはダメだねえ。
頭が疲れ切ってる。
歳とともに次第に朝型になってしまった。
昔は原稿書くのだって深夜だったし、
手紙もそうだし、何ごとも深夜が
最上の時間だったんだけどね。
今は夜は寝ることだけを考えている。
老人になるっってことはこういうことなんでしょうね。
だから今は大事なことは
朝の数時間の内にさっと片付けるようにしている。

さて、今日の新聞ニュースは例によって
週末なのでベタ記事で光るものがない。
項目が少ない。
記者の数が少ないんだね。
大味になってしまう。
でも読書欄やコラムで面白いものがあるので
それはそれで読んでいるんだけど。
私のここの欄の基本線はベタ記事からの出発と言うか、
ベタ記事からの発見というものなので、
しめた!にやっ!という
嬉しくなるような
ベタ記事が見つからないとつまらないんだ。

ということを前提にして今日はそうした
ベタ記事はなかったということです。
で、ちょっとコラムや大きめの記事にも目を移す。
朝日新聞の6面、国際面。

「風 ワシントンから 
 アメリカ総局長 高成田 享」
「タリバ−ンになった米国人」


というコラムを読んで考えるところがあった。
アフガニスタンで捕虜になったタリバ−ン兵の中に
1人のアメリカ人青年がいたことは御存じでしょうか。
ジョン・ウォーカー・リンド被告(20)
24日、アメリカバージニア州アレクサンドリアにある
連邦地裁で米国人殺害に共謀した
「犯罪者」として裁かれる裁判が始まったんだそうだ。
「戦争捕虜」ではなく「犯罪者」
というところにこの裁判の特徴がある。
ワールドトレードセンターのテロ事件当時、
彼は恐らくアフガニスタンにいたんだろうし、
直接テロ事件には関わってはいないんだろう。
でも同じアルカイダのメンバーということで
アメリカ人を大量に殺害した犯罪の共謀の罪に
問われている訳だ。
まあ、アメリカ人としては
そこまでやらんと気がすまんということでしょうね。
そのことは置くとして、
このアメリカ人青年が
何故こういうことになあったのかだ。コラムによれば、

「カリフォルニアの中流家庭に育ったジョンは
 16歳のときにキリスト教からイスラム教に改宗、
 18歳のときに出国、イエメンでアラビア語を学び、
 パキスタンで信仰を深めるうちに
 タリバーンに心をひかれ、アフガニスタンに入る。
 アルカイダのキャンプで軍事訓練を受け、
 北部同盟と戦った。
 米軍の空爆を受け、北部の都市クンドゥズで降伏、
 マザリシャリフへ移送された。
 ジョンの物語は、物質世界に物足りなさを感じた青年が
 精神世界に救いを求めた『心の旅』でもある。
 現代社会は彼の罪を裁くだけでなく、
 彼の軌跡もじっくり検証する必要があるだろう」
 
コラムを読む限りでは
日本のオウム真理教に参加した多くの若者のことを
思い出させる。
かれらも「物質世界」に拒否反応を見せ、
精神世界での救いに人生を賭けた。
その結果が今裁判で少しづつ明らかにされる
犯罪そのものだ。
オウムの被告達は
直接犯罪行為に手を下しているのに対し、
このジョン青年は何をやったのか
今のところは何一つ分っていない。
コラムが書くような精神世界の遍歴があったのかどうかも
分らない。外形的に見えることから
キット彼はこういう心の旅をしたに違いないと
思っているに過ぎないんだね。
このコラムを読みながら
自分の若い時を思い返していました。
当時のというか、若者は全般に夢を見る。
与えられたもの=現状に反発する。
戦う。
更に戦う仲間を持つ。
そこから新しい彼、彼女なりの旅立ちが始まるんだけど、
それは失敗することもあるし 、
ハッと夢から覚めることもある。
そうしてこれまでの大人達が作って来た世界を
受け入れ次第に普通の俗物と言えば言え!
まあそうした社会人になって行く訳ですたい。
そういうことで言うと、
私もまたジョンやオウムの若者と
そう違わない入り口近くに立っていた
瞬間があるような気がする。
まあ、私の場合は瞬間だけどさ。
後は何となくずるずると
現世に引き込まれて行ったということですが、
別にそれを後悔しているというんでもないんだねえ。
私には別の世界には入って行くだけの
突破力がなかっただけです。
それだけの迫力はなかったんですよ、
有り体に言えばさ。
そういう点から見ると
ジョンのことはやはり気になりますね。
会って話はしてみたいなあ。

今日はそんなとこでひとつ・・・・
また明日・・・・・

2002-01-28-MON

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