TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第689 回

ほぼ日編集部様

1月13日のニュースから

毎日新聞が今日は面白い新聞の作り方をしている。
先日このページで取り上げた元N響楽団員老夫婦の死。
79歳の夫と82歳の妻。
正月を越して知人に発見された。
「老老介護」
というんだそうだ。
読者からのメールでそういう表現があるんだと知ったが、
考えてみれば我が家も61歳と57歳。
20年もしない内にこういう状況になるんだと思うと
他人事ではないな。
そう思ったのは私だけじゃないんでしょう。
多くの読者から感想メールを頂きました。
先日は毎日と朝日が
社会面で囲み記事を掲載していましたが、
今日の毎日はなんと1面トップで、
この老夫婦の死について
もう一度取材をし直して特集記事にしている。
先日の第一報では分らなかったことが当然ですけど
この特集では書き込んである。
いつもいうんですが、
新聞やテレビのニュース報道というのは
基本的には「欠陥商品」で、
一回ニュースと出しても、常に真実に照らして
修正して行く努力が大事なんだと思います。
今日の毎日の記事を見て改めてそう思いましたね。
見出しは縦に6段で、

「音楽で結ばれ、寄り添いあった50年」
「『2人の時間』最期まで  元N響団員・・・老夫婦」


記事には「87年の新春」というから
15年前に撮影されたご夫婦の写真が2段組で出ている。
15年前というと、お二人は64歳と67歳だ。
うん、私らともそんなにかわらん歳ですばい。
まあ詳しくは毎日新聞の記事を読んで下さい。
ただ先日の一報では分らなかったことが
いくつか出ているのでそれは紹介しておこう。
御主人は1昨年7月に膀胱癌で手術、
間もなく脳硬塞も併発。
以来入退院をくり返していたそうだ。
自宅にいる間は奥さんが夫の介護をしていたが、
その奥さんも3年前に腹部の大動脈瘤で手術、
1ヶ月でその時は退院できたそうだが、
体力的には衰えたという。
で、そんな二人を心配して近所や親戚の人たちが
「介護保険でケアを受けたら」と勧めたが、
奥さんが
「人様のお世話にはなりたくない」
と要介護認定の申請をしなかったそうだ。
12月30日に親類の人が電話した時には
「元気にやってます。来年もよろしく」
と奥さんが挨拶を返し、声は弾んでいたという。
記事では死亡原因などについてはこう書いてある。

「夫妻の遺体は、自宅を訪れた知人が発見した。
夫は(紙面では本名)ベッドに横たわり、
妻はその脇で倒れていた。
1日以降の新聞と年賀状は郵便受けに入ったままだった。
当初は妻が先に死亡し、
夫が衰弱死したものとみられたが、
医師の診断で1日ごろ2人とも心不全で死亡した
と推定された。
状況などから警察は、
妻が世話をしている途中で死亡、
ショックで夫も亡くなったとみている」

そうか、「『2人の時間』最期まで」というのは
こういうことか!
で、妻が介護保険を利用しなかった理由として
夫の義兄(78)のこういう話を記事は紹介している。

「Tさん(妻)は自分の入院時、
毎日病院へ来てくれたSさん(夫)に感謝していた。
今度は自分が面倒をみるとの気持ちが強かったんでは」

介護は受けたくない。自分でやりたい。
この気持ちは分るようなあ。
介護問題と一口に言うけど
実際にはそうは事務的にはいかないもんだよねえ。
改めてそういうもんだって思っておりますばい。

というところで今日は・・・
また明日・・・・

2002-01-14-MON

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