TORIGOE
3分間で、
最近のニュースを知る。

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第682回


ほぼ日編集部様

1月6日のニュースから

明けましてお目出度うございます。
さあ、今日から
鳥越 俊太郎の「あのくさ こればい!」は
2002年のスタートです。

正月はゆっくりと何をすることもなく過ごしました。
この、何もしないという時間が
私にはこれまでなかったなあ、という気持ちです。
正直言いますと毎日DVDで
映画ばかり見て過ごしていたんですが・・・・・・

耳の状況は変わりません。
変音、これは続いています。
これに慣れるしかないんだと正月に思い決めました。
耳が聞こえない訳じゃないから、
そういう状態から考えたら天国じゃないか・・・・
そう思えばどうということはないばいと・・・
腰痛はほぼ日の読者からのサゼッションを実行しました。
足を上げて腹筋の運動を最初は軽いところから始めていく。
最初は肩甲骨を10数センチ上げるだけで、
20回を3セット、
というのが読者のサゼッションでしたのでやってみました。
永年の運動無しのだらしない生活で腹筋ゼロになっていた、
わが腹は10回も持たずヒ−ヒー悲鳴をあげる始末。
腹が痛いんです。でもこれを続けました。
すると少しづつ回数が上がって行きます。
すると楽しくなっていく訳ですね。
3、4日すると20回がクリアーできました。
こうなるとどんどんやりたくなるんですね。
何もしない正月ですから、時間はいっぱいある訳ですたい。
朝、昼、晩と一日3回、やってましたら、
何と今では50回を3セット、朝昼晩。
間に100回を3セットも入れたりしています。
そこで腰の方ですが、痛みが間違いなく減って来ました。
歩く時の姿勢がシャンとなりました。
まだ始めて3週間ですから、
成果を言うのは早いのかも知れませんが、
腹筋が支えてくれるようになったので、
背筋がシャンとすることで腰椎の一部が
神経に触ることが少なくなったんだと思います。
もうだいぶん前なので読者の名前は覚えていませんが、
有り難うございました。
お礼を申し上げておきます。
ほぼ日のネットワークは実に有用でもあるんですね。
為にもなるほぼ日。
色んな知恵が集積されていて時に応じてそれが出てくる。
身をもって実感しました。
そうそう、あの『8月の砲声』も再版が決まりましたしね。
これもほぼ日の読者ネットワークのパワーでしょう。
ま、ついでに私のわがままを言わせてもらえば、
私が43歳の時に書いた本
『あめりか記者修業』(中公文庫)が
やはり復刊ドットコム の投票にかかっていて
現在30票を少し超えたところです。
情けない話ですが、
自分が書いた中で一番自分が気にいっているこの本が自
分の手元にないんです。
色んな方に上げているうちに
気がついたら一冊も残っていないんですばい。
ほんなこつこりゃあなんばしよるとじゃろうか!
書店を探しましたけど、
何せ13年前に発刊されたものなので
どこにもありまっせん。
真剣に探せばどこかの古本屋にはあるとでしょうが。
実はこの本は40歳前後のサラリーマンを初め、
人生半ばでふと立ち止まって
自分の人生について考えている人たちに
読んで欲しいんですね。
私が42歳の時に妻子を日本に残し
アメリカの地方新聞社で1年間働いた時の話ですから。
そしてこの時から私の人生は間違いなく変わりました。
人間、人生に一回ぐらい自分の意思で
運命を切り開く時ってあるとじゃなかでしょか?
多少のヒントは与えてくれるはずですばい。
自分で言うのもなんですが、そういう本だと
自分では今では客観的な目で見ているんですたい。
まあ、そういう訳で
厚かましくも投票をお願いする次第です。
伏して・・・・・・・

さて、今日のニュースで・・・・・
ところで今年は珍しく大きなニュースは
ありませんでしたねえ。
東京は天気もよく静かな日々でした。
もちろん北海道、東北、北陸では大雪が降ったようですが。
そうした地方の方々は大変だったと思います。
お疲れさまです。

今年もベタ記事から
日本を世界を見ていく
このページの基本精神は維持していきたいと思います。
今日のスポニチの社会面「NEWS東西南北」のコーナーの
ベタ記事。

「寺に2人組強盗」

この記事、僅か10行の短いものですが、
今年は恐らく大きな問題になるだろう
外国人犯罪に関するニュース。
事件のあらましを記事で見ていきましょう。
この記事はなんということか、
ニュースの最低限のルールと言われる
「5W1H 」の内、一番肝心の「WHEN 」、
つまり「いつ?」が入っていない、
珍しか記事ですばい。
いきなり・・・
「横浜市の宝蔵院に目出し帽をかぶった
 2人組の男が押し入り、
 住職和田真言さん(47)の妻慈泉さん(45)に
 ナイフと包丁を突き付け、
 片言の日本語で『お金、お金。騒いだら殺す』と脅し、
 現金500万円を奪って逃走。
 外国人と見られ、金沢署が強盗事件として捜査」
と一気に書かれた記事。
これだけでも大事なところは
ちゃんと押さえてはあるばってん、
いつ発生した事件かこれじゃあ分らんけんねえ。
そこで私としては朝日、毎日の両新聞をチェック。
今日の(6日の)朝刊には出てない。
ということは昨日5日の夕刊かなあ?
ありました、ありました。
朝日は夕刊の社会面ベタ記事。

「寺に2人組 500万円奪う  横浜」

まあ、さすがというほどじゃなかばってん、
朝日には発生日時がちゃんと出てましたばい。
「5日午前1時50分ごろ・・・・・」
5日の未明の事件なので朝刊は入らず、
夕刊の記事になったとでしょう。
で、朝日の記事には2人組の男たちが
「騒ぐと殺す」
と脅迫、事務所の金庫から
1万円札500枚を奪って逃げたことは記述してあるが、
スポニチの記事にはあった

「片言の日本語で『お金、お金』」

と脅したという下りは一切ない。
朝日の記事だけを見る限りは
外国人犯罪というにおいは全く感じられない。
朝日は警察の発表にはあったが、
外国人犯罪と特定する必要がないということで
わざとネグったのか、
それとも取材した記者が見落としたのか、
どっちなんだろうか?
確かに外国人犯罪という響きには
外国人に対する偏見を
助長させかねないところがありますたいね。
ばってん、ここは後々変な拝外主義の擡頭を防ぐためにも
今の内に事実を正確に明らかにして
それなりの対策を立てていた方がよかと思いますばい。
じゃあ、毎日はどげな記事ば書いちょるじゃろうか?
毎日の夕刊社会面の下に横組のベタ記事より
もっと小さか記事ですばい、これは。

「寺に2人組強盗、500万円奪う  横浜」

の見出し。
あれれ・・・・毎日によれば、発生時間が朝日と違う。

「5日午前1時40分ごろ・・・・」
朝日は「1時50分ごろ」
毎日は「1時40分ごろ」

うーん、これはどう見ても警察の発表を聞いて
書いた記事のように思えるとに、
なーしてこげん10分もの違いが出るとじゃろうか?
毎日の記事にも
「外国人」
を思わせる部分はゼロ。
朝日と毎日の記事を見た人は
「寺に500万円もあったのか?ふーん・・・・」
と驚くぐらいでしょうねえ。
さあ、今日の新年第一発目の
「あのくさ こればい!」は如何に新聞の記事は
不完全なものかを証明することとなった。
私の持論ですが、報道というものは常にある意味で
「欠陥商品」だということがこれで分ったと思います。
3つの記事は微妙にそれぞれ違っていました。
これは新聞記事が時間と競争の中で作られていること。
それに誤りを犯しやすい人間の書いたものであること。
ベタ記事のように目立たない記事になればなるほど
チェックが甘くなること、
などなど欠陥商品をつくり出す要素は
いくらでもあると言っても
過言ではないということですばい。
私にも今の時点でどの記事が真実を
伝えているのかは分りません。

というところで今年も宜しく。
また明日・・・・

2002-01-07-MON

TORIGOOE
戻る