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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第672回

ほぼ日編集部様

12月19日のニュースから

先日ここで取り上げた「炭疽菌」の製造元の話、
昨日の夕刊に続報が出ている。
2面3段見出しで、

「炭疽菌 米で製造か
 報道官『公算大』軍関係者ら捜査」


米大統領の報道官、フライシャー氏が17日、
一連の炭疽菌事件に使われた菌の出所が
米国内の施設である公算が大きいと言明したという。
米ホワイトハウスが、事件の菌が米国内で培養、
製造されたものらしいという見方を示したのは
初めてだそうだ。
大統領報道官がここまで踏み込んで
発言するということは、
相当な証拠をすでに握っていることを示しています。
いい加減な材料でここまでのことを言って外れたら
大変ですからね。
「公算大」という表現はほぼ100%そうだ、
という意味に取っていいでしょう。
記事によると、判断の
具体的な根拠は示さなかったらしいが、
記者団に対し
「捜査と科学的な分析に基づくと考えてもらっていい」
と述べていることからも、
米軍施設が保有していた菌の遺伝子などを
分析した結果出た判断でしょう。
当然、犯人はそういう施設に近付きうる
軍関係者と言うことになるわけですね。
こういうニュースの本当の恐ろしさは
アメリカ軍があらゆる種類の化学生物兵器を実験し、
保有している事実です。
炭疽菌どころじゃないですよ。
オウム事件の時に我々は取材しましたけど、
米軍にはサリン弾が
山のように積み上げてある光景に
ゾッとした記憶があります。
アメリカは正義の味方で、
いつも正しいし無茶なことはやらないから、
アメリカ軍がどんな悪魔的な兵器を持っていても
許されるという、
現在誰も疑いを差しはまないことが
実は一番恐ろしいことだと思うんですがねえエ。
それと、炭疽菌事件は
あのニューヨークテロ事件とは
何の関係もなさそうだということですね。
最初の頃はアメリカのメディアも人々もまた
オサマ・ビンラディン一派の犯行に違いないと
思っていましたからね。みごとはずれましたね。
まあ、外れたからいいと
いう訳じゃないんですど・・・・・

さて、次は日本のニュースから。
毎日新聞の1面にベタ記事だけど大事な話が出ている。

「漁業権一部収用へ 国交省が裁決申請 
 川辺川ダム計画」


国土交通省の九州地方整備局は18日、
球磨川漁協が持つ漁業権の一部を収用する裁決を求めて
熊本県収用委員会(会長・塚本侃弁護士、7人)に
申請したという。
これで川辺川(熊本県相良村)も
ダム本体の工事着工に必要な手続きが始まった。
裁決まで半年近くかかるそうだが、
これは恐らくまだまだ地元住民の反対が
強くなるでしょうから、
そんなに簡単に昔のように『お上』の
言う通りにはならんでしょう。
環境への配慮を一切しないで
日本中の川をコンクリート漬けにして来た
最大の犯人が旧建設省、
現在の国土交通省なんですから。
ここは長良川、吉野川に続く環境問題の
実験場になるでしょう。
皆さんもこの問題には少し目を向けて下さい。
一九州の、一熊本の問題ではないんです。
日本の国のあり方を問う重要なテストを
私達国民が受けている、
そういう風に思っていいと思います。

これも毎日新聞の8面、経済面ですね。
囲み記事でこんなのがあった。

「技術の神様に『師範』の称号 
 三菱重工業 製造現場の17人に」


日本でモノづくりの現場が壊れていると言われている。
私もそこが一番恐いと常々思っているので、
こういう話にはピーンとくるんですね。
三菱重工業は人物、業績ともに優れた技術者を対象に、
技術者の最高の称号として「師範」という制度を新設し、
その候補者として17人を内定したと言う。
来年1月1日付けで認定するんだと言う。
記事によればこういう人たちは
「技術の神様と言っても過言ではない」
で、
「モノづくりを大切にする理念を
 社内外にアピールすることが目的」
だという。
三菱重工業では今年4月、
設計・開発分野の技術者のトップとして
「技監」
なるポストを新設したが、
今回の「師範」は工場など製造現場で
活躍している人たちから選ぶんだそうだ。
記事によれば、今回内定したのは
1000分の1ミリ単位のすき間を
手作業で調整できる技術主任ら、
50代の技術者達だそうだ。
凄いよねえ!!!
作業服に「師範」のマークをつけることが
許されるという。
これはとてもいい試みだと思う。
むしろ遅すぎるくらいだ。
でも、ちょっとネーミングがねえ・・・「師範」か・・
もうちょっとシャレた称号ってないのかいなあ。
「ニュースの職人」を自称している私にとっても
大変興味深い話だねえ。
もう今さら三菱重工業に言っても遅いでしょうが、
みんなでちょっと考えてみない?
どういう称号が
製造現場の技術の神様達に相応しいかさあ・・・・・・

というところでプラズマテレビが到着、
作業に入ります。
ではまた明日・・・・・

2001-12-20-THU

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