TORIGOE
3分間で、
最近のニュースを知る。

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第659回

ほぼ日編集部様

12月6日のニュースから

2年前のことです。
12月3日と4日のニュースを書いて編集部に送りました。
そして6日のこの欄に初めて
「3分間で、最近のニュースを知る
 鳥越 俊太郎の『あのくさ こればい!』」
というページが出現しました。
以来2年、途中耳の病気で
半月入院したこともありましたが、
その間は読者がこのページを作って下さいまして
何とか今日まで続いてきました。
確かに仕事をしながらこの作業を続けるのは
かなりしんどいことではありますが、
一つのことをほぼ毎日続けることに意味があるようで、
これからも続けようと思っています。
改めて心新たに再出発の言葉です。

しかし、ここまで続けられてきたのは
毎日私の原稿に目を通し一言のメッセージを付けて下さる
糸井さんの大変な作業(私だけじゃないですからねえ!)の
おかげ、そして読者からのメールに目を通し転送してくれる
編集部の木村君、草なぎ(漢字が出ない)さんら
みなさんのおかげ、さらに日本中はもちろん、
世界中でこのページを読んで頂いていて
間違いがあれば即座に、
新しい情報があればすぐにメールで発信して下さる
「ほぼ日」読者の皆さんのおかげ、
こうしたネットワークの力に支えられてきたからです。
改めてお礼を申し上げておきます。

先日北九州に講演に行った時、会場で
「ところで、あのくさ、こればい というのは
 どういう意味ですか?」
と聞かれてしまいました。
えっ?!
九州で聞かれるとは・・・・・
驚きでしたが、考えてみると、小倉は小笠原藩、
私達筑後は有馬藩ですから
言葉が違っているのは当然なんですね。
ここでもう一度意味を表示しておきます。
これは筑後地方の方言です。
「あのくさ」
というのは
「あのねえ・・・」
という軽い呼び掛けみたいなものです。
「こればい」は
「これですよ!」
という意味です。
「あのくさ これたい!」
でもいいんですが、
どちらも少し強調の意味を含んでいます。
ばってん、自分でも
「ばい」と「たい」の使い分けがよく分りませんので、
取りあえず「ばい」の方で行くことにした訳です。
今日のニュースはくさ、これですばい、
つまり今日の新聞を見て私が
あのねえ これがニュースだと思うんだけどねえ、
ということです。

さて、今日のスポーツ紙は
野村沙知代夫人の脱税事件で大騒ぎ。野村監督の辞任。
スポニチはもともと野村監督とは仲が良くなかったらしく
1面で、

「深夜の解任会見 野村 謝罪たった 3分」

と、野村という字と3分という字だけがひときわ大きい。
「野村」と呼び捨てとはこりゃあまた・・・と思ったら
小さい字で「監督」という活字が見えました。
まあ、意地悪たっぷり、嫌みたっぷりで書いてます。
これはどのスポーツ紙も同じらしい。
結局、日頃の監督並びに夫人の人付き合いの結果が
どっと出た感じですね。
まあ、夫人の脱税事件は実の息子が
逃れられないような電話の録音をしていて、
しかもそれをマスコミから検察当局へと
流しまくっているんですから、助からんわねえ。
そういうところがこの事件を
なんかうすぎたない印象にしているんでしょうか。

正直言ってこの話のテレビも新聞記事もうんざりで
見聞きする気はないんですが、昨日のスポニチには

「『あいつは守りたい』ナインは支援態勢も
 問われる道義的責任」


という見出しで野村家の息子、
カツノリ君のことが出ていました。
こういう表現でした。

「ただ、カツノリの誠実で温厚な人柄には、
 周囲からの信頼も厚い。
 11月29日に行われた選手会納会では、
 選手会長の檜山に続いて音頭を取って場を盛り上げた。
 常に明るく振る舞い、選手としても前向きで
 手抜きしない努力家に、ナインからも
 『何かあっても、あいつだけは守ってやりたい』という
 支援の声が上がっており、カツノリ自身も親しい知人に
 『自分から辞めることはない』と話している」

こういう記事を見るとちょっとほっとするねえ。
あのどこか嫌みをいつも漂わせている両親に比べると
信じられないぐらい純朴な人柄のカツノリ
(私一度インタビューしているんです)だけに、
まあ見ている人は見ているなあと思った次第です。
なんかねえ・・・一家全員血祭りにあげるという感じの
テレビワイドショーのやり方には
あんまり感心しませんねえ。
ああ、こういう記事も出てましたよ。
スポニチの3面、

「『カツノリ心配』弟分気遣う新庄」

新庄選手は5日のベストドレッサー賞の授賞式の席上で
記者団から野村監督夫人の問題について聞かれると
「今はそれよりカツノリの方が心配。
 いいヤツだからちゃんとしてもらいたい。
 機会があったら電話するつもり」と
「弟分のように親しかった元チームメートを気遣った」
という。
うん、新庄のこの言葉だけで
今日はなんか心が和らぐよねえ。

人の不幸に付け込むのはたやすいんだけど、
そういう事態の時に掛けられた優しい言葉は身にしみるし、
記憶から消え去ることはない。
それが人間だ。

今日はここまでです。
また明日・・・・・・


2001-12-07-FRI

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