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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第646回

ほぼ日編集部様

11月23日のニュースから

朝日新聞を見ていて私の知らないことが
あるコラムに出ていましたので紹介しておきます。
朝日の14面「オピニオン」のページに
「記者は考える」というコラムがある。
今日のタイトルは
「日本スポーツ界の過剰反応」
筆者はヨーロッパ総局の稲垣 康介記者。
コラムの主旨は日本のスポーツ団体が
あのニューヨークのテロ事件の後、
国際競技会を次々にキャンセルしている。
つまり、海外に飛行機で行くのは危ないという
過剰反応を日本のスポーツ界がしているんだという。
記事によるとこの秋ベルギーで
世界体操選手権大会が開かれたんだそうだが、
日本体操協会はテロ後の世界情勢を踏まえ
「選手の安全を最優先する」
ということで選手のベルギーへの派遣を
中止したんだそうだ。筆者はこう書いている。
「前回大会の個人総合銀メダリスト、
塚原直也(朝日生命)らは、飛行機に乗ることなく、
挑戦の機会を失った」
私は知らなかったが、
この他に柔道やウエートリフティングなども
国際大会への参加を取り止めたそうだ。
実はこういう現象は日本だけでなく
欧州のスポーツ界にもみられるという。
サッカーの強豪チェルシー(イングランド)は
欧州カップ戦で主力選手6人が
テルアビブ遠征を拒否したという。
これに対しチームの幹部は
「会場はヨルダン川西岸やガザ地区と違う。警備は万全だ」
と説得を試みたそうだが、
フランス代表メンバーであるプティ選手は
「私だけの体ではない。家族に心配かけたくない」
とイスラエル行きを断ったという。
またオーストリアの代表9人も
イスラエルでのワールドカップ予選参加を拒んだそうだ。
確かに今イスラエルは世界で一番ヤバいと
誰もが考えるところかも知れない。
パレスティナとの紛争は続いているし、
もしアフガン戦争の報復があるとすれば、
個々だと考える人がいても不思議ではない。
そりゃあ、そうだ。
あのテロ事件後は世界中のあちこちで
こういう危機感がこれまでより多く働いているようだ。
その結果世界中で海外旅行者の数が
激減しているんでしょう。
ここまではいいのだが、筆者が指摘したいのは、
欧州のスポーツ界の反応と日本のスポーツ界の
反応の違う点だ。
欧州のケースは参加する、しないは
個々の選手の判断に任され、
チームも個人の意思を尊重する。
ところが、日本の場合は全く違うと筆者は指摘する。

「日本は違う。方針は上意下達で決まる。
ボランティアで運営される競技団体は、
互いに責任を背負いたくないのか、
幹部の決定はどうしてもリスク回避の安全策に傾く。
風土の違いを感じずにはいられない」

さらに筆者はいう。
日本は海外遠征を自粛する一方、
外国選手を招待する日本での国際大会を
中止する動きはないんだそうだ。
コラムの結びはこうなっている。

「『日本行きの飛行機は安全です。
我が国はテロも炭疽菌の危険もありません』
という理屈なのか。
そんな『御都合主義』は、
世界からは矛盾としか映らないだろう」

そうか、なるほどこういうことはあり得るはなあ。
日本は日本体操協会が参加するか、しないかを決める。
そこには選手一人一人の意思は全く存在しない。
ある意味では選手はコーチや競技団体の
ロボットみたいなもんだ。
だから、例の日本水泳連盟も
あの千葉すず選手の自己主張をいやがったんだったなあ。
そういう選手と団体との関係だから
日本の選手はいつまでたっても自立心が弱く、
オリンピックのような大舞台では勝てないんでしょうね。
そんなことを考えさせるコラムでした。

というところで今日はそろそろさようなら、
お休みはまだ早いかなあ・・・・
また明日・・・・

2001-11-24-SAT

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