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第645回
ほぼ日編集部様
11月22日のニュースから
昨日中国産野菜に関する「セーフガード」のことを
朝日新聞の東京都内版で見つけて書いたら、
早速ほぼ日の読者から反応があった。
私の原稿では中国産野菜として
生シイタケとネギにしか触れていないが、
実は日本政府がセーフガードをかけた農産物は3品目で、
このほかに中国産の畳み表(イグサ)がある。
私もそれは知ってはいたが、
朝日の記事が生シイタケとネギの
輸入量の増減についてのみ言及していたので、
イグサについては触れませんでした。
ところが、このページを見ている読者の中で
まさにこの問題に関わっている方がおられて、
イグサと中国についての切実な話を書いてこられました。
私の表現力では伝え切れませんので、
ご本人に御迷惑にならない範囲内で
一部をここで紹介しておきたいと思います。
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さて、今日のほぼ日にあった「セーフガード」について、
数品目のうちでしいたけの話題がありましたね。
私が住んでいる熊本県00郡というところは
畳表の生産全国一です。
以前は周りを見渡す限り、
イグサ・イグサ・イグサの田圃 でした。
それがここ数年の畳表の暴落で
作るだけ赤字」の状態が続いているようです。
昔を思えば嘘のようです。
イグサ御殿があったのですから。
15年くらい前でしょうか、
ここから中国へと農業視察に 行くのが
まるでブームのように
農業団体のツアー客が 出かけていました。
帰ってきて「いやぁ〜中国のイグサもなかなか良かばい」
とちょっと外国旅行に行った満足感で
ニコニコしながら話をしている人たちを見て、
さながら 「同業者の交流会」と感じていました。
ところが、です。
自分たちの蒔いた種で自分たちが苦しむ
などと当時の人たちは思いもよらなかったのでしょうか。
数年前まで、イグサ農家の自殺者が相次ぎ、
この小さな町村で、十数名にのぼったと記憶しています。
とにかく、いぐさ農家は悲惨な状態です。
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私はこのほぼ日を書きはじめてやがて2年になりますが、
今さらながらほぼ日というネット新聞の
凄さを感じています。
私が見つけた朝日の記事は
ほとんどの読者が見落としそうな、
小さな小さな都内版のベタ記事でした。
それを私なりに感じる所があってここで紹介したんです。
そうしたら上記のような日本のどこかで起きている
大変深刻な事態が、その当事者から報告されてきました。
もちろん私はこういう事実について
残念ながら知りませんでした。
東京でマスコミの仕事をしている人間は
誰もそうした日本社会の一部で進行していることについての
認識はないと思います。
ショッキングな事件だと地方でもマスコミが押し寄せ、
怒濤のごときニュースになるんですが、
こういうジリジリと進んでいる
いわば病理のような現象については感知されないんですね。
ところが、日本全国に新聞記者やテレビ局記者を
ネットワークとして持っているほぼ日刊イトイ新聞には、
編集部や筆者の予想・期待をはるかに超えたところで
凄い情報が集まってくるんですね。
実は、先日の
「坂本竜馬の拳銃を不法所持していて逮捕された住職」
の話も私が毎日新聞のベタ記事で見つけたものでしたが、
その後の展開は36年間この仕事をしている私にも
とても予想できないものでした。
私はこの住職の逮捕は
奈良県警のやり過ぎだと思いましたし、そう書きました。
ところが、驚いたことにその住職の女婿(娘婿さん)が
ほぼ日の熱心な読者でした。
で、このページを見て御本人も驚いて
実情を書いてこられました。
事情を聞く程に警察のやり方は
あまりにも乱暴だなと思いました。
すると、そういう私の気持ちを見越したかのように、
三重県の元警察官という人から
「この奈良県警のやり方の背景には
『拳銃摘発強化特別月間』があると思う。
私が警察官時代にもこの期間になると急に
拳銃の摘発件数が増えることがあった」
という主旨のメールが届きました。
そういうものかなあ、と思っていたら、
その推察通り10月は警察庁が
全国の都道府県警に競わせて実施した「特別月間」でした。
11月15日の毎日の夕刊にわずか11行の
警察庁発表の記事が出ているのを
私は運良く見逃しませんでした。
やっぱりそうだったのです。
奈良県警の点数稼ぎのために
70歳の老住職は10数日間も
留置場にいなければなりませんでした。
結果は「起訴猶予」でした。
その辺の経緯はここでもう書きましたので
これくらいにしておきますが、
住職の釈放のための嘆願書の署名集めに
私の原稿が多少役にたったことは
あとで御家族からお聞きしました。
もうこれは私の予想を超えた展開でした。
新聞やテレビとは違う意味を感じましたね。
「Web 」とはよく言ったものですばい。
クモの巣のことですが、まさにクモの巣のように
思いがけない方向に情報の網の目が広がって行く。
これはこれまでのメディアでは経験しなかったものでした。
今日はなんだかネット論みたいになってしまいましたが、
「ニュースの職人」を自認する私としては
新しい発見でしたので書かせていただきました。
あ、ところで私が最近出した本
『ニュースの職人』(PHP 新書)
もう読みましたか?
まだだったらぜひ買ってみてください。
660円で損はさせません。
なーんて、宣伝までしてしまいました、スンマセン・・
また明日・・・・・・・
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