TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第643回

ほぼ日編集部様

11月20日のニュースから

アフガニスタンは北部同盟が支配下に置き、
自由が戻ったという報道が新聞紙面に溢れている。
ばってん、以前から私らが番組でも言ってたんですが、
タリバン=悪者、北部同盟=正義派 という図式は
事実と違うんじゃないかということ。
これがとうとう
外国人ジャーナリストの殺害という形で表面化したことに、
正直言ってついに来たかという気持ちです。
今日のスポ二チも朝日、毎日の3紙とも伝えている。
スポニチは社会面トップで大きく取り上げている。

「外国人記者殺害  武装グループが車を襲撃
 機関銃を乱射  日本人の被害はなし」


19日、パキスタンから国境をこえた所の町、
ジャジャラバードから首都カブールへ向かっていた
6〜8台の車列の内、2台に乗っていた記者ら4人が
車からおろされた後、丘の方へ連れて行かれ、
銃声が聞こえたという。
殺害された4人の遺体は路上に捨てられ、
衣服には物色された跡があったという。
殺されたのはイタリアの女性新聞記者、スペインの記者、
ロイターテレビのカメラマン、
アフガニスタン出身のスチ−ルカメラマンの4人だ。

記事によれば、18日にも同じ道路上で
フランスの国営ラジオの記者らが
機関銃を持った数人の男達に所持金を奪われたという。
タリバン政権が確立している間はこういうことはなかった。
イギリス人の女性記者やフランス人男性記者は
逮捕されたが、解放されているし、
柳田大元さんも危害は加えられていない。
やはり、タリバン勢力が去った後、心配されていたように
権力の空白の中で強盗行為を働く
武装グループが横行しはじめたんでしょうね。

かつてタリバンがやってくるまでは
もっとひどい状況だったことは
先日話を聞いた中村哲医師の証言の中にもあった。
テレビや新聞はカブール解放というニュースで
如何にタリバンがひどかったか、
今はいかに自由になったかを強調して伝えるが、
実はこの記者団殺害が物語るものも、
ポスト・タリバンの重要な一側面なのだ。

スポニチは「日本人の被害はなし」と伝えているが、
実はあったんですね・・・・
朝日新聞だけしか書いていないが、社会面にベタ記事で
こういう見出しが出ています。

「テレ朝クルーもカメラ奪われる アフガン、武装集団に」

記事によると、テレビ朝日とフジテレビの取材クルーが
やはり同じ19日、
ジャジャラバードからカブールへ移動中、
武装したグループに「検問」を受け、
身の危険を感じたクルーがカメラ機材を差し出し、
命は助かったという。
同じ日に同じルートで
外国人グループのジャーナリストが襲われている。
これが以前のタリバンなら
スパイ容疑で連行され拘束は受けるが
殺されるということはなかった。

その証拠にスポニチの記者団殺害の記事の横に
タリバンに拘束されていた日本人、
柳田大元さん(37)の帰国の記事が出ているが、
その見出しは

「柳田大元さん成田に到着 『タリバン兵いい人』」

となっている。

もう日本にかえって来たからには
今さらタリバンの御機嫌伺いをする必要はないわけで、
これは柳田さんの本音なんでしょうね。
記事を読むとこういう下りがある。

「拘束中に接したタリバン兵らについても
 いい人が多く、一緒にいたタリバン兵も
 例外ではなかった。これからどうしていくのかと思うと
 残念というのも半分ある」

まあ、柳田さんが拘束中に洗脳されたという
見方もあるでしょうね。
でも、私は彼はありのままを話しているんだと思います。
毎日新聞はやはり柳田さんの帰国の記事を
社会面にベタ記事で載せてはいますが、見出しは

「『たこ焼き食べたい』帰国の柳田さん」

となっていて、タリバン兵への言及の部分は一切ない。
同じ記者会見での記事なので、会見に臨んだ記者の感性か、
記者は書いたんだけど、
本社でデスクが削ったかどっちかでしょうね。
「たこ焼き食べたい」
などというのもニュースかも知れませんが、
あまりにも情緒的な記事ですね。

いずれにしろポストタリバンは
治安が悪くなっていることは確かでしょうね。
そこはちゃんと見ておく必要があるんではないでしょうか。
中村哲医師のように永年アフガニスタンで診療と
最近では井戸掘りを続けてきた人は、
住民の中でタリバンが来て一番喜んだのは女性です、と
断言されていました。
ニューヨークのテロ事件とタリバンというイスラム勢力とは
また違った見方をする必要があるようですね。

これから会議で出かけます。
まだ書きたいことがあるので一応保存。
気力がない時は深夜帰宅後このまま送稿。

保存・・・・・・・・・

残念ながらこのまま送稿。
また明日・・・・・・

2001-11-21-WED

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