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第639回
ほぼ日編集部様
11月16日のニュースから
15日の夕刊を見ていて
「やっぱりそうだったのか!」という、
怒りが改めてこみ上げてきました。
毎日新聞の15日夕刊の社会面にベタ記事で
ほんの12行ほどのニュース。
私の目はこの小さな記事に思わず釘付けになったんです。
「拳銃は104丁押収 取締強化月間」
記事は短いものなので全文を載せておきます。
「警察庁は15日
『拳銃取締特別強化月間』(10月)の
検挙状況をまとめた。
64件(昨年月間比6件減)を
銃刀法違反などの疑いで摘発し、
73人を検挙、104丁(同5丁減)を押収した。
今年10月末現在の押収拳銃は834丁で、
昨年同期より148丁増加している」
これを読んだ時、そうか、やっぱりなあ・・・・
私の中に押さえきれない、
許せない思いがこみ上げてきました。
先日、この欄で奈良県の田舎の方の寺の住職が
「坂本竜馬の持っていた古式拳銃」を
不法所持の疑いで逮捕されたことを書きました。
「11月1日のニュースから」
で取り上げています。
昨日の夜遅く
ほぼ日の原稿リストでチェックしてみました。
そうか、11月1日に私が新聞で読んでいる、
ということは逮捕の期日は10月31日だろうな。
この10月31日というのが意味があるなあ・・・・
つまり、11月1日になったら、
「特別強化月間」ではなくなるんだということですね。
10月の最後の日、ぎりぎりになって駆け込みの形で
この逮捕劇が行われたんではないかというのが
私の「ニュースの職人」としての直感です。
そこで私は早速、たまたまほぼ日の読者で
原稿を見すぐに私宛にメールを送ってこられた、
住職の義理の息子さん
(実は関西で医者をしておられる)、
そのメールをもう一度読み返してみました。
そのメールには奈良県警の警察官20人が突然、
31日の早朝7時に踏み込んできて、
住職を警察に連行したということでした。
やっぱり31日なんですね。
私はこの欄で住職を、それも70歳の、
地域の名士でしょうに、
なんの事情聴取もせずにいきなり連行していって逮捕、
そして10間の勾留、というのはいかにも
乱暴なやりかただなあ、と指摘しておきました。
住職は古美術の収集が好きで
いろんなものを集めておられた中に
昔古美術商が「これは坂本竜馬が持っていた拳銃だ」
と言われ、信用して買って持っていたもののようです。
警察に連行後
「鑑定の結果この銃は殺傷能力があるので」
と言うことを告げられ、逮捕されたそうですが、
恐らくこの住職は古美術品との認識はあっても、
それが銃刀法で登録を義務つけられている
拳銃という認識はなかったんでしょう。
確かに形式だけで見れば
「銃刀法違反」かもしれませんが、
犯罪の捜査にあたっては、
実態的に犯罪に当たるかどうか、
という吟味が必要なはずです。
言ってみれば、最初の時点では
住職のうっかりミス程度かも知れないはずです。
そういう場合は事情を聞いて
犯罪性がなければ何も逮捕までする必要はないわけで、
自宅で事情を聞けばいいんです。
先日も書きましたが、逮捕の要件は
1.証拠隠滅の恐れ
2.逃亡の恐れ
の2点です。
70歳の地元では、
数々の要職を務められている名士住職には
上のどの条項もあてはまりません。
いきなりやってきてそのまま逮捕という
強引なやり方に私はこれは警察がやりすぎだなあ、
と思っていました。
そのころ、私のこの欄の原稿を読んだ
三重県の「元警察官」という読者から
メールを頂きました。
そこにこの事件の強引さの背景には
「拳銃取締強化月間」があるのでないかという、
体験的な指摘がされていました。
私はそうかもしれないなあ、
と思いつつもそれを確かめること怠っていました。
そうしたら、昨日の毎日新聞の夕刊の記事でしょう。
「やっぱりそうか」
怒らざるを得ませんよ、これでは・・・・・
要するにこの事件を最初から冷静に観察すると、
これは奈良県警の警察庁に対する点数稼ぎのために、
本当は逮捕までしてやる必要のない事案を
無理に作ってしまったんだと思いますね。
これで奈良県警は住職のところにあった
古式銃を5丁も上げたことになったわけです。
警察庁にはこうした実情は報告されずに
数字だけが上がっていくんでしょうたい。
住職の10数日間の犠牲で奈良県警本部長という
キャリアーの警察官は実績を上げて、
多少なりとも今後の出世に好影響を与えたんでしょう。
汚いやり方だと思いませんか。
こういう弱いものいじめの権力行使には
私は心底腹が立つんですばい。
その後のことを報告しておきます。
結局この住職は
「起訴猶予」という処分になったそうです。
この起訴猶予というのがまたくせものなんですね。
起訴なら、これは犯罪性ありということになります。
不起訴なら全く犯罪性はなかったという意味です。
奈良地方検察庁も警察の面子を立てて
その中間の「起訴猶予」にしたところがずるいですね。
起訴猶予というのは「白でもない、黒でもない」、
つまり「灰色」ということです。
実態的には限り無く「犯罪性はない」に近いのに、
灰色では国家賠償法の道も塞ぐことができるわけです。
まあ、いろんなことを考えて
こういう結論を出したんでしょうが、
まことに小ずるい発想ですね。
許せんばい!!!!
今日はここまで
また明日・・・・・・
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