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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第605回

ほぼ日編集部様

10月11日のニュースから

10日の夕刊(朝日)を今朝見ていたらこんな記事があって
そうか、と改めて考えてしまった。

「アフガン人 平均寿命40歳 国連開発計画報告
 幼児4人に1人 5歳までに死亡」


今回のニューヨークテロ事件がなければ
私たち日本人のほとんどは
アフガニスタンのことなど気にも留めなかったことだろう。
せいぜい、私たちが知っているのは
映画「ランボー」のタイトル「怒りのアフガン」とか、
アフガン織りとか、パシュミーナという高級ストールなどの
産地かな?というくらいでしょう。

アメリカの攻撃のターゲットが
アフガンニスタンのタリバンにセットされてから、
新聞・テレビが取り上げるようになった。
そこで初めてアフガニスタンがどこにあるかも知った人が
多いんだと思います。
ましてタリバンなどと言われても分かりませんよねえ。
ビンラディンと言う人物が
テロ行為の容疑者とされています。
まあ、そこまではアメリカがそれなりに捜査して
証拠をつかんだうえで言っているんでしょうから、
ということは私は100%の自信で
そうだとは言えないということですが、
まあ、アメリカの言い分を認めましょう。
ばってん、かくまっているからと言って交渉も何もなしに
犯人を差し出さないからおまえらを全滅するぞ、
というのも相当に乱暴な話なんですばい。
いくら6,000人を超える人が
亡くなっているからといって
筋道を外して何でもありというのは
やっぱり違うんじゃないの、と思います。

さて、そのアフガニスタンのことが
朝日の夕刊に載っていました。
これを見るとまあ、攻撃される以前の問題で
ひどい状況にあるんですね、アフガニスタンは・・・・・・
記事によると、
国連開発計画(UNDP)が9日発表した報告書に
アフガニスタンの国民の悲惨な状況が記されているという。
この報告によると、アフガニスタンでは
衛生設備の整った施設の水を飲めるのは
国民のわずか13%しかいないという。
そのためアメリカの資料ではこれまで
アフガニスタン国民の平均寿命が46歳と言われていたが、
それは間違いで、実際には何と40歳だそうだ。
これはUNDPの調査では世界187カ国中下から8番目。
アフガニスタンより平均寿命の短い国は
深刻なエイズ禍や内戦で苦しむザンビアやシェラレオネなど
アフリカの諸国だという。
報告によれば、国民の7割は栄養失調で、
幼児の4人に1人は5歳までに死亡する。
幼児の死亡率は25.7%で、調査191カ国中、
下から4番目だそうだ。

こうした数字をもって、
「だからタリバンはひどい政権だ」と見るか、
内戦と干ばつなど気候的な条件、
そして国際的には承認されず、経済制裁下にあるからだ、と
言うか、意見の分かれるところでしょう。
今週の土曜日朝10時50分からの
「ザ・スクープ」第2回では
改めてアフガン難民のことを正面から取り上げるので、
ゲストで出演される国連難民高等弁務官事務所の
カブール事務所長をされていて、現在帰国中の
山本芳幸さんにそのあたりをぜひ聞いてみよう。
山本さんは番組出演後18日にもまた
アフガニスタンへ戻られるらしい。
とりあえずはパキスタンへ行って
様子を見るんでしょうけど・・・・・・・

ま、こういう日本人もいるんだよねえ・・・・
日本人が国際的に貢献するなら
本当はこういうことなんだよねえ・・・・・・
若い世代にはこういう人たちが増えて来ているんだと思う。
それにしてもアフガニスタンは
日本人には想像を超えた国なんでしょう。

毎日の昨日(10日)の夕刊にこんな記事が。

「逮捕の仏記者を『裁判にかける』タリバン」


先日パスポートなしにパキスタン国境を越えようとした
イギリスの女性記者がタリバンに逮捕され、
空爆直後に解放されましたが、
今度はフランス人の週刊誌男性記者、
ミッシェール・ペイラール記者(44)が逮捕されました。

これはすでに報じられていたが、
アフガン・イスラム通信によると、
この記者はアフガン東部のジャララバード近郊で
女装してアフガンに入ったところを
タリバン軍の検問で見破られ逮捕されたんだという。
パキスタン人助手2人も拘束された。
逮捕はスパイ容疑で現在取り調べ中だが、
タリバン当局者の話では
「裁判にかけられるだろう」という。
取材活動というのは情報を集めるという点では
スパイと同じことをやるわけです。
だから、記者がスパイ容疑で捕まるケースは
昔からいっぱいありました。
中には記者の格好をした
本物のスパイもいたでしょうが・・・・
私も昔、レバノンやパレスティナで取材中は
いきなり「スパイ」として拘束されるかもしれない、
という覚悟だけはしていました。

それにしても先のイギリス人女性記者も
今回のフランス人記者もすごいよねえ。
危ないから行く!というのが結局記者魂なんですよ。
日本の場合は会社が「危ないから行くな」と
待ったをかけてしまうんですけどね・・・・・
危ないところには行かないんだったら
安全地帯でみんなと同じ発表記事でも書いていろ。
こういうことになってしまう。
フランス人記者はどうなるか予想もつかないけど、
もし帰ってくることができれば、
いい記事を書けるんでしょうね。

私は人より臆病かもしれないけど、
現場にいれば好奇心に負けて
私も何とか潜り込みたいと思ったかもしれない。
ニュースの職人である以上は
そうするもんだと思っていますけど・・・・
今は安全な東京にいるので
あんまり大きなこと言えないですばい。

今度PHP新書で、
『ニュースの職人 「真実」をどう伝えるか』(660円)
という本を出しました。
発売は17日ごろになるようですけど、
是非読んでみてください。

今日はここまで。
また明日・・・・・

2001-10-12-FRI

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