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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第586回

ほぼ日編集部樣

9月22日のニュースから

今日お昼前、テレビから「イマジン」が流れていた。
アメリカで行われている追悼チャリティーコンサートで
名前は知らないがカナダ出身の歌手が歌っていた。
そうでしょう、こういうときにはふさわしい歌なのにさ、
誰がこの曲を放送自粛曲に指定したんだろうね。
いい歌だよねえ・・・・
まもなくマリナーズ対アスレチックスの試合が始まる。
それまでにこの原稿書いてしまわなきゃあ。

さて、今日は目についた英語の単語の話2つ。
一つは朝日新聞の昨日の夕刊に
ベタ記事で出ていたんだけどへえ!?という話しだ。
「イスラム配慮 作戦名変更か 米軍『限りなき正義』」
アメリカは今回のテロに対する戦争を宣言したが、
その作戦名を
「限りなき正義」
と名付けたと発表された。
こういう作戦コードネームというのは必ずあるらしいが、
我々戦争を経験してないものからすると、
なんだか戦争を嬉しがってやってるような
気分にさせられるものだ。
戦争屋の得意満面てえヤツだなあ。
湾岸戦争の時は準備段階が
「砂漠の楯」
で、軍事攻撃が始まったら
「砂漠の嵐」
だった。
で、今度が
「限りなき正義」
だって。そうかい、そうかい。
そうだろうよねえ・・・・・
限りなきってのはいいのかねえ・・・・
大きく出たねえ・・
と思っていたところ、夕刊の記事によると、
この「限りなき」てのにちょいと
クレームがついたそうなんです。
アメリカのラムズフェルト国防長官は、
20日、この作戦名が
「イスラム教徒に侮辱的」と指摘されため
名称変更を検討していることを明らかにしたそうだ。
なんでやあ?
これには英語の単語の意味を知らないと
分からないようだ。
「限りなき正義」の英語の表現は
「infinite justice」
だ。朝日の記事によれば、この「infinite」には
「神」の意味があり、
アメリカ国内のイスラム教徒からは
「アラーの神」に関わる言葉を
米軍が使っていると批判があったそうだ。
そこで、ここは英語の辞書を見てみようと、
辞書を開いて調べると・・・・・・
元々の意味は「無限の」「無数の」「果てしない」
などの形容詞だ。ところが名詞として
「the Infinite]
は「造物主」「神」という意味があるんですね。
毎日新聞の夕刊にもこのニュースは出ている。
こちらは2面に4段見出しだ。

「作戦名もイスラム教徒へ不快感? 学者指摘、変更も」

こちらは記事の中で「無限の正義」(infinite justice)
について、一部のイスラム学者から
「究極の正義を意味するのなら、
 それはアラーのみが
 与えることができるので不適切」
との声が出ていたんだそうだ。
で、国防長官は
「それは理解できる。
 聞く人が誤解するようなことを
 米政府は言ったり行なったりしない」
と問題があることを認めたという。
つまりは、そうですか、
それじゃあ変更しましょう、というわけですね。
先にブッシュ大統領が「十字軍」発言をして
問題になったばかりだけに米政府としても
言葉には神経質になっているのかもしれない。
毎日の中井良則記者は
「このような言葉が繰り返し使用されるところに
 異文化理解の壁があるようだ」
と指摘している。
作戦コードネームをつけた国防省の幹部も
「infinite 」にそこまでの意味があることは
知らなかったのかもしれない。
いやあ、ひとつ勉強になったなあ・・・・・
と思っているかな、それとも、
まあ、イスラムちゅうのはいちいちうるさいなあ、
とでも思っているのかしらね・・・・・

さてもう一つ英語のお勉強。
スポニチの社会面に

「Xデー 10月初旬 有力 空母到着とともに攻撃開へ」

というまたこれはバカでかい見出しが踊っているが、
そこにつけられたある軍事評論家の
コメントの記事と見出しに、
私、ちょっとひっかかったんですばい。
「米軍はクライスター爆弾で村ごと破壊」
この記事によると米軍の攻撃の第1弾として
予想されるのは
「クライスター爆弾での空爆。
 同爆弾は112発の子爆弾が内蔵されており、
 一発で周辺約1キロの兵士、
 車両を破壊する威力を持つ。
 同弾をじゅうたんでばらまけば、
 タリバンの拠点を村ごと破壊することになる」
ということらしい。
で、ここに出て来る
「クライスター爆弾」
ですが、これは私の記憶に間違いがなければ
「クラスター爆弾」
じゃないかなあ・・・・
「cluster]
には「ブドウやサクランボなどの房」「群れ」「集団」
などの意味があり、私が昔、
毎日新聞の外信部にいるころ、
ブラジル製のクラスター爆弾をたしか
「集束爆弾」と訳していたような記憶がある。
一発の爆弾から多数の子供爆弾が飛びだす
とても危険で残忍な兵器だと、当時思いました。
きっとこれだと思うんですよね。
コメントしておられるのは有名な軍事評論家ですから
そんな単純な間違いはしないはずです。
きっと、電話でコメントを取った記者が
まだ若い記者で戦争用語など
普段使い慣れていないので
「クラスター」を「クライスター」とやって、
しかも編集局の中でだれ一人として
それに気がつかなかったんでしょう。
平和なニッポンの出来事ですねえ。
「クライスター」という発音であるのは
「cloister]
という単語です。
これは「回廊(修道院・大学などの中庭の周囲の)」
「修道院」
などの意味があります。
爆弾の話なんだからこれじゃないでしょうね。

後ろでマリナーズ対アスレチックス戦。
イチローはこれまでのところ内野フライに2三振。
打率2位のカタラナートは4−2ですよ。
追い上げてくるよねえ
頑張れイチロー!!!!!

今日はここまで
また明日・・・・

2001-09-23-SUN

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