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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第585回

ほぼ日編集部樣

9月21日のニュースから

毎日新聞の4面に「世界の目」というコラム欄がある。
世界各国の専門家が寄稿する場で、
私は必ずここは読んでいる。
21日の筆者はドイツの歴史学者、
ウ ォルフガング・ウイッパーマン氏だ。
タイトルは
「『報復』はテロ犯の思うつぼ」というものだ。
全体の趣旨は見出しにあるように、
報復という手段では何も解決しないというものだが、
その中にこういうくだりがある。
引用しておく。

「(ブッシュ)大統領は
 情け容赦なく容疑者を追いつめることを強調し、
 国際テロに対する"十字軍"を呼びかけている。
 だが、本物のテロリストは捕らえられることなど
 できるものではない。
 中世の十字軍を気取るのはまったく的外れだ。
 1096年に始まり、13世紀にまで続いた十字軍は、
 今日の観点から見れば、
 多くのイスラム教徒だけでなく
 ユダヤ人をも殺した犯罪だった。
 十字軍はイスラム教のみならず
 東洋文化全体を敵とした。
 欧州では十字軍はマイナスの概念だ。
 だが、米国ではそうではない」
 
私は直接聞いていないのだが、
ブッシュ大統領はこれまでのスピーチの中で
アメリカの軍事報復を十字軍になぞらえて話したらしい。
これは毎日新聞の7面、
国際面にワシントン発の
布施広・特派員電の中に
こういうくだりがあるのでそうなんだろう。

「ライス米大統領補佐官は
 米・インドネシア首脳会談が
 『非常にうまくいった』と喜び、
 軍事報復は『イスラムとの戦い』ではないと強調、
 『文明間の戦争ではない』と述べた。
 だが、こうした気配りをよそに、
 ブッシュ大統領は軍事報復を
 十字軍遠征に例えてイスラム諸国の神経を逆なでした。
 イスラム教徒から見れば、
 キリスト教徒圏の十字軍は侵略勢力にほかならない」

つまり、言っちゃたのね、言わんでもいいことを・・・・
ブッシュさん、
まだ大統領に成り立てで
最初こそなんだかモンチッチみたいに
オドオドしていたが、
だんだんスピーチも樣になってきて
地位が人を作るんだなああと
思わせるものがありましたんですが、
まあ、そこまではいいとして十字軍遠征云々は
口が滑ったとしか言い様がないですばい。
なんだか言いたい放題言えると
錯覚したんじゃないのかなあ・・・・・
世界中がこれはあくまでテロリズムとの戦いであって、
文明の衝突にしてはいかんと思っているときに、
アメリカの指導者が
「さあ、我々は1000年も前の十字軍をやるぞ!」
じゃあ、がっくりですたいね。
それは、昨日行われたアフガニスタンの
「タリバン聖職者会合」が出した
「ファトワ」の中にちゃんと反映されている。
マイナスの要素として・・・・
毎日新聞7面に「ファトワ」の要旨が出ているが、
その中の6項目中の一つに
十字軍発言に触れたくだりがあるので紹介しておきます。

「国連とOIC(イスラム諸国会議機構)は
 『テロ攻撃により
  クルセード(十字軍の聖戦)が始まった』
 とのブッシュ米大統領発言が
 イスラム教徒の感情を害した点を留意すべきだ」

テレビで見ているとブッシュさん、
ちょっと舞い上がってませんか?
もう少し内に秘めた静かな怒りの方が
伝わると思うんですけど・・・・
それともアメリカ人には
ああいう方がいいのかしらねえ・・・
「イマジン」
が何故放送自粛曲になったかについて
色んな人からメールで教えていただきました。
ありがとうございました。
でも分かりませんよねえ。
こういうときこそ
「イマジン」は歌われ、
ラジオから流れて心を癒すと思うんですけどね・・・

ということで今日はここまで

また明日・・・・

2001-09-22-SAT

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