TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第575回

ほぼ日編集部樣

追加の原稿です。
12日午前0時過ぎです。

今先程からアメリカでの同時テロ行為と思われる
大惨事の映像を見ています。
恐らく史上最大のテロ事件でしょう。
人間がここまでやれるのかという、
私たちの想像を超えたテロ行為です。
テレビの情報を総合するまでもなく、
私は直感的にイスラム過激派の犯行だと思いました。

地球上でこれほどの残酷なことをやってのけられるのは
イスラムという宗教的情熱以外には考えられないからです。
もちろんイスラム以外の宗教でも
歴史的には残酷な行為を繰り返してきた訳ですが、
現在の世界ではイスラムのあるセクトの持っている
反アメリカという情熱しかないと思います。
可能性は、かつて、今回破壊された
ニューヨークの貿易センタービル地下駐車場で
大爆破事件を引き起した首謀者、
オサマ・ビン・ラディンの犯行だろうというものです。

ただ気になるのは先月、パレスティナで
パレスティナ解放機構(PLO)の中で過激派で知られる
PFLP(パレスティナ解放人民戦線)の議長が
イスラエル側によって暗殺されるという
事件があったばかりで、私は密かに
この報復があるんではないかと恐れていたんです。
でもまさかこういうことになろうとは
想像さえしませんでした。

と、いうのはパレスティナの過激派は
かつてベイルートで米軍のヘッドクオーター(司令部)に
爆薬を大量に積んだトラックで突入し、
100人を超えるアメリカ人が死亡した事件がありました。
私がベイルートを訪れた89年の1年前だったと思います。
こうした自爆行為はイスラム過激派の得意技なんですね。
しかし、パレスティナの過激派は
かなり激しくても一般国民を対象にしたテロは
あまりやらないはずです。

そういう点ではやはりもっとも可能性として高いのは
前歴があるオサマ・ビン・ラディンの
組織かもしれませんね。
私はかねがね21世紀は
イスラムがキーワードであると言い続けてきたのですが、
こんな形でイスラムの存在感が
世界中にアピールされるとは・・・・・絶句です・・・・
これから情報に注目です・・・・



ほぼ日編集部樣

9月11日のニュースから

東京の都心部を今し方台風15号が通過したばかりです。
今も激しい雨が降り続いています。
台風の予報がこれだけ正確になって備えていても
被害が出るんですね。
昔に比べれば少なくなったとはいうものの、
今回も犠牲者が何人か出ています。
心からお悔やみを申し上げたいと思います。
しかし、台風というのは雨をもたらし、
夏に渇水が問題になろうとすると、
あっという間に解決してくれる存在でもあるんですね。
自然と人間の営みの
この絶妙なバランスに感心させられます。
さて、今日の毎日新聞の社会面に3本の記事が、
一つは3段、あとはベタ記事2本、
一ヶ所にまとめて編集してあるんですね。こ
れは編集者がこの3つのニュースに、
ある共通性を見いだし、
読者にまとめて記事が置いてあることで
何かを感じてほしい、と思ったんでしょう。
私もこの3本の記事を見てある言葉が
頭に浮かんできました。
3段見出しの記事は今日が初出ですが、
ベタ記事の2本はこれまで
さんざん報じられている事件の続報です。
だから私の知っているニュースなんですが、
これまではそういうキーワードが
ポンと浮かんでくるなんてことはありませんでした。
毎日新聞の編集者のお陰で私なりに
ニュースの捉え方が出来たわけです。
3本の記事の見出しを順に並べておきますよ。

「警官を名乗り女性に"身体検査"
 容疑の高校教諭 鹿児島」
「好みの10代半ば女性探していた 福本容疑者」
「買春の村木判事 有罪判決が確定」


2,3番目のニュースは
ほとんどの人が知っていると思うので
省きますが・・・・・ちょっと待てよ・・・・
ほぼ日は外国で日本の新聞を読んでいない人も
見ているんだ・・・・
国内の人が知っている話でも
まだ知らない人もいるかもしれない・・・・・
うーん、ここは2,3番目の事件についても
簡単に説明しておいた方がいいかもしれないなあ・・・・

まず、最初のニュースは鹿児島で
35歳の私立高校の数学教諭が市内繁華街を歩いていた
18歳の女性に手帳を見せて
「警察のものですけど」
と声をかけてさらに
「近くで事件があった。逃げた犯人があなたに似ている」
と近くの駐車場に連れていき、
身体検査を装って女性の身体に触った疑い。
実はこれは6月11日の事件。
この時はどうやらばれずにすんだらしいが、
3ヶ月後の9日夜、同じように男に声をかけられた女性が
「警察を名乗る男がなかなか帰してくれない」
と友人に携帯電話で連絡。
友人の届け出で警察官が現場に行き、こ
の男を取り調べて6月の事件が分かったという。
記事では詳しくは書いてないが、
9日の事件では未遂なので
6月の事件について
凖強制わいせつ容疑でこの高校教諭を逮捕したものらしい。
類似の事件がほかにも数件あるらしく、
警察はこの教諭との関連を調べているそうだ。
高校の数学の先生で35歳。
分別もあるはずの男性が
なんてバカなことするんだろうと思いますが、
今やこの手の事件は実は掃いて捨てるほど
日本のあちらこちらで起きてるんですね。
分別・・・なんて言葉自体が
今ではもはや死語なのかもしれません。
40代だろうと、50代だろうと、
分別のない人は一杯いるのが
当世日本大人事情のようです。

2番目のベタ記事は、
例の兵庫県の高速道路で
車に轢かれて亡くなっていた中学2年の女の子に関する
続報。
こちらの事件も分別などという表現、
口にするのも恥ずかしいようなケースですね。
亡くなった女子中学生とテレクラで知りあい、
自分の車に乗せて、
しかも逃げられないように手錠までしていた男が
実は兵庫県今岡市の中学教諭(34)だったことは、
これまでショッキングな事件として
大々的に報じられている。
今日の続報は、この教諭の供述によれば、
「10代半ばくらいの女性が好みで、
 この年頃の女性を援助交際相手に探していた」
というもの。
これまでの報道を総合すると、
中学生が車から逃げ出そうとして転落、
後続の車に轢かれたもののようだ。
従って容疑は「逮捕監禁致死」
もし教諭が車から突き落としていれば
「殺人」の疑いも出てくるが、
女子中学生が車から転落した後、
身分がバレルのが怖くなって逃げたというのが
ホントのところでしょうね。
それにしてもこの教諭も鹿児島の高校教諭と
ほとんど同じ年齢。
30代半ばってこんなんですかね?
いやあ、こんなこと云うと
30半ばの男性に怒られますが、
年齢は関係ないんですかねえ・・・・

3番目のニュースは、少女へのわいせつ行為で
児童買春・ポルノ禁止法違反に問われた
東京高裁判事(43)の裁判で、
懲役2年、執行猶予5年の刑が確定したというもの。
これなどもまあ、呆れてものも言えないような
事件ですたいね。

さて、このニュース3つを見て浮かんだ
共通項とは・・・・
「聖職者の性犯罪」
教師と裁判官。
昔から「聖職者」としてあげられる代表的な職業ですね。
もちろん、最近では先生は
聖職者ではないという意見が多いのは
知ってて言うんですが、
こういう聖く正しくあらねばならないと
昔から考えられてきた職業に携わるから、
その反動として余計こうした性犯罪に手を染めるのか、
それともこういう社会が「聖職」と考えているから、
新聞、テレビなどマスコミなどで
取り上げられる比率及びその取り上げ方が目立つのか、
どちらなんでしょうか?
でも「聖く正しく」という分別などが
現代の日本ではあまり
なんの価値も持たなくなってきたのは
確かなことのようですね。
社会人として、人間として、
自分の支えになるような価値観が失われた状態が今、
私たちの目の前にあるんじゃないだろうか・・・
と考え込んでしまいます。

で、今日はここまで
また明日・・・・・

2001-09-12-WED

TORIGOOE
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