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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第563回

ほぼ日編集部樣
  
8月24日のニュースから
  
経済に関してはあまりよく分からないので
したり顔したことは、言えないんですが、
このところ新聞を読んでいると、
「インフレ目標」という言葉がよく出て来ます。
これからの国会でこれはかなり議論になりそうなんで
一応ここで取り上げておこうかなあ、
それぐらいのことです。
毎日新聞の1面にも3段見出しで
「小泉首相 インフレ目標、否定的」
という記事を載せています。
2面には
「調整インフレに否定的 自民・加藤氏」
という記事も出ています。
1面の記事は今、自民党の一部にデフレ対策として
「インフレ目標」という議論が出ていることに対し、
小泉首相がこう述べたという話。
「目標を設定しても、いざそういう局面になると、
 制御できなくなる。・・・・・・・経済は生き物だから、
 政府の思い通りにはいかない。 
 そこが世界経済の難しいところだ。
 やっぱりここは痛みに耐えて我慢しよう。
 ここ半年、1年は正念場だ」
小泉首相としては舛添さんあたりが言い、
そして先日は竹中平蔵・経済財政担当相も
それらしきことを言っていた、
この「インフレ目標」という考え方を取らないと
言ったことになる。
2面の記事、「インフレ調整に否定的」という
加藤発言も同じ趣旨と思えるんですが、
さてどうなんでしょうか。
加藤さんの発言に関する記事の一部・・・

「自民党の加藤紘一元幹事長は
 23日、東京都内で講演し、
 日銀の金融政策で物価上昇率の目標設定を求める
 政府・与党内の動きについて
 『調整インフレは危ないし、なかなか簡単には出来ない』
 と述べ、否定的な考えを示した。
 さらに『物価が一気に上がると、
 年金生活者を中心にめちゃくちゃなことになる。
 (調整インフレ政策で)政府が得をしても、
 国民が損をするので政治的に持たない』と指摘した」

さて問題はここからですばい。   
毎日の記事を読むかぎり小泉さんのいう
「インフレ目標」
と、加藤さんの言う
「調整インフレ」
という言葉は同じ意味合いで使われているように見える。
書いた記者もそのつもりで使っているようだ。
要するに政府が人為的に物価の上昇率を設定し、
そこに合わせた金融政策をやろうということのようです。
さあ、そこで次に朝日新聞を見ていたら
次のような解説記事に出会い、ありゃりゃりゃ、りゃ。
朝日新聞の2面に4段見出しでこんな記事が。

「インフレ目標 導入論議 国会近づき表舞台へ
 自民・民主 是非論が交錯」

      
記事の趣旨は毎日と同じで、
小泉さんはインフレ目標には否定的だというもの。
そこまではいいのだが、
ひょいとその記事に付けられた解説を見て
こりゃどうよ、というわけだ。
その解説記事。
「インフレ目標策:中央銀行が事前に一定の物価上昇率の
  目標(ターゲット)を設定し、
 それに沿って資金供給を増やすといった金融政策。
 インフレを起こして景気浮揚を図る『調整インフレ』とは
 異なり、物価安定と中央銀行の説明責任向上が
 狙いとされている。・・・・・・」

さあ、困ったぞ。
朝日では明確に
「インフレ目標」と
「調整インフレ」とは
違うと書いてある。
経済に弱い私としては困ったわけですね。
どっちが本当なんじゃい?
まあ、そういうわけで言葉の定義には
首をひねるところもありますが、
どうやらこのインフレ目標論なるものが
与野党を超えて真っ二つに割れている状況のようだ。
竹中さんや山崎自民党幹事長らは
どうやら導入に積極的なようだ。
それに対し小泉さん、加藤さんは消極的、
一方民主党では菅直人・幹事長は導入の急先鋒だそうだ。
で、鳩山由紀夫代表は
「副作用の方が強い」
と慎重な姿勢だと朝日の記事は伝えている。
そして、速水優・日銀総裁は
インフレ目標論には反対だそうです。
さて国民にとってはどっちがいいのか、
私には判断がつきかねるんですが、
読者のみなさんで少し議論しますかねえ。
詳しい方はメールを下さいな。
今日はこ難しい経済のことを書いたので
頭が疲れましたばい。
もう1時ですか。  
寝ましょうかねえ。
また明日・・・・


2001-08-25-SAT

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