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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第542回

ほぼ日編集部樣

8月4日のニュースから

外務省に人事をめぐる田中真紀子外相対首相官邸の
対立抗争は
結局、真紀子さんの完敗に終った。
今日の新聞はその詳細を報じている。
スポニチが社会面で詳しく報じているところでは、
真紀子さんは、3日、最後の抵抗として
自宅から外務省の局長ら幹部に電話をかけまくり、
「加藤良三事務次官に賛成するように
 一般職員に署名運動をさせて・・・」
とまで指示したようだ。
これに対し官邸側は飯島勲・首相秘書官を外務省に派遣、
あと1時間真紀子さんが抵抗を続けるなら
外相を更迭、首相が外相を兼任するという、
官邸側の究極の人事案のシナリオを練っていた
とスポニチの記事は伝えている。
これが本当なら小泉さんも
最後のギリギリの決断に追い込まれていたようだ。
外務省に行った飯島秘書官は
昼になっても姿を現さない真紀子さんを探すため、
夫の田中直紀・農水副大臣に電話したという。
ようやく午後になって外務省に現れた真紀子さんに
飯島秘書官は
「もう終りですよ」と最後通牒を突きつけ、
この時点で真紀子さんはギブアップ。
「官邸の意思が強かった。首相が言うならと納得した」
と悔しさを滲ませながら記者団に語ったそうだ。
さらに15日に予定されていて
今後大きな論議を呼びそうな、いや
もうすでに呼んでいる、
首相の靖国参拝についても
「このイッシュー(課題)は
総理の個人としての責任ある行動になると思う。
以後、私から直接申し上げるつもりはない」
と、こちらもギブアップすることを明らかにした。
おやおや、あれだけ「総理を説得する」とか
「姑息な」とか言っていた勢いはどうしたんだろうな?
小泉内閣が発足してから100日になるんだそうだが、
田中真紀子外相の主張は最初は勢いはいいのだが、
結局何にも実現していないことになる。
外務省の機密費の問題、首相官邸への上納金の問題、
外務省の一連の不祥事の解明、
どれをとってもなんら進展していない。
また最初アメリカに対する外交姿勢も
「自立すべき」と言っていたのに
沖縄の女性暴行事件のあとに問題となった
「地位協定の見直し」について何のアクションも起こさず、
その後アメリカへ行ってパウエル国務長官に会いながらも
毅然とた態度は取れなかった。
地球温暖化に関する「京都議定書」の問題で
アメリカが離脱した時にも
外相として何にも自立した態度は見せずじまい。
外務省人事は完敗。
靖国問題でも最後はトーンダウン。
ホントニ、あんた、いったいなんばしちょると?
と言いたかですばい。
言動ばかりが突出しているので人気を呼んではいるが、
どうやらこれは真紀子さんの
バブル人気と言っても差し支えないようですばい。
まあ、この爆弾みたいな真紀子外相を抱えて
小泉さんの心中や如何に?
   
外務省問題はここ暫く面白がって書いてきましたばってん、
もうよかですね。
何か虚しい・・・・・

「被害者不明のまま立件 千葉の女性死体遺棄事件 
 強殺容疑で再逮捕」


朝日の社会面に3段見出しのこんな記事が出ている。
またか、と思う。
このところ本当に殺人事件が多くなった。
で、今日もそういう感じで見過ごそうとしていたんですが、
記事の中にこの一言があったので
立ち止まって読んでしまいました。
「寝顔を見ているうちに
 人が死んでいくところを見たくなった」
記事によるとこの言葉を吐いたのは
テレクラで知りあった女性を殺害し、
現金を奪った容疑で千葉県警に逮捕された29歳の男性。
テレクラで知りあった女性(20〜30歳)に
睡眠薬入りのお茶を飲ませ
自分の車の中で首を絞めて殺害。
その後習志野市内の空きビルに死体を放置した疑い。
現金1万5千円を奪っているので強殺事件になっているが、
殺した動機が先に書いたような
「人が死んでいくところを見たくなった」というものだ。
これは前にも少年の事件で
いくつか同じような例を見ている。
豊橋だったかな、
少年が人の死ぬところを見たいという理由で
女性を襲ったことがあったと記憶している。
この男性は29歳だが、
事件を起こした少年たちとは同じ心のありようだ。
豊かになるにつれ人の生き死にに関して
実感が希薄になっている日本社会の状況が
如実に表れている。
こういう理由で人を簡単に殺してしまう、
今の日本人の心が恐ろしいね。

さて、
先に私が書いた原爆と靖国・戦争についてのコラムには
大変多くのメールを頂いた。
もちろん編集部がある程度セレクトして
私に転送してくれているんだろうけど、
結構若い人たちもそれなりの
戦争や靖国の問題を考えていることが分かって嬉しかった。
ここで皆さんにお礼を言っておきます。
本当はその中のいくつかは紹介したいぐらい
中身の濃いものもありましたが、
本人の了承を得なければ出せません。
でも私がジーンと来たあるメールの
ほんの一部だけを以下に紹介しておきます。
ある男性からのメールです。
この中で「叔父」と言う人は
かつて海軍の特攻隊に所属して、
一度は出撃したけれど機関の不具合で帰還。
辛くも生き残った方のようです。
こうして家族で語り継がれる戦争の話は
学者のいい加減な話より
よっぽど真実味と迫力があるもんですね。

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大学のときに叔父と飲んでいて、ぼそっと叔父が
「天皇陛下、万歳と言って死んでいったやつはおらん。
 みんな母親や恋人の写真を出撃前に抱きしめていた」
と言ったようなことを話していたのを覚えています。
私が小学生のときに
叔父の家に一家で行ったときのことです。
お小遣いをじいさんからもらって、弟と一緒に
ゼロ戦と隼戦闘機のプラモデルを作っていました。
そこへ叔父が食事ができたことを知らせにきました。
そして、僕たちのつくっている戦闘機を見て、
つかつかと歩いてきたと思うと、
足でそのプラモデルを踏み潰して、
「人殺しの道具をつくって、何がおもしろいか!」と
一喝され、父親も怒られていました。
戦争を美化する人間を叔父は許しませんでした。
(叔父に言わせると中曽根康弘はイカサマ政治家です)
これが、私が家族から学んだ戦争です。
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この方にはここでお礼を言わせて下さい。
ありがとうございました。

今日の「スクープ21」は
1.外務省をめぐる真紀子さん問題を
 舛添要一、田嶋陽子、それに鈴木宗男氏らが
 生で激論です。
2.世界選手権5連覇を成し遂げた
田村亮子さんの生出演で私が同じ九州弁
(もっとも向こうは博多弁、私は筑後弁・・・
 似たようなもんですが・・・)でトークです。
乞うご期待・・・・・

ではまた明日・・・・

2001-08-05-SUN

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