TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第530回

ほぼ日編集部樣

7月14日のニュースから

これも昨日のニュースの中で書き忘れたことがあるので
ちょっと触れておきたい。
13日の毎日新聞の5面、政治面ですが、
選挙が始まってから下の方に「遊説録」と題して
各地で行なった各党の幹部クラスの発言が再録されている。
地方で自由に喋っているので
いつもより本音が出ていて面白い。
12日、秋田市での竹中平蔵経済財政担当相の発言。

「構造改革を押しつぶそうとする3つの抵抗勢力がある。
 1つは、何にも言わない勢力。
 もう一つは、構造改革は必要だ、賛成だ、
 と言いながら、今の自民党には出来ないという。
 第3は改革派痛みが伴うぞと不安ばかりあおって
 票を獲得しようとする。
 こんな勢力をたたきつぶすのが今度の選挙だ」

ここで3つの抵抗勢力のことが問題になっている。
抽象的に言っているので
具体的にはどういう人たちのことを
指しているのかよく分らん。
2つ目は明らかに民主党や自由党のことを指しているらしい。
3つ目は共産党や社民党のことでしょう。
ここまでは分かりやすい。
問題は1番目の「何にも言わない勢力」という部分だ。
これは誰を指すのか?
政治に関心を示さない国民のことを言っているのか
それともある具体的な人々のグループをさしているのか。
自民党の中で例えば橋本派のグループで
現在の小泉人気で息を潜めて何も言わないが、
実はスキあらば頭をもたげようと
待ちかまえているらしい人達のことなのか。
どっちなんだろう。
竹中さんがどういうつもりで
ここの部分を言ったのかは分らないが、
現実を見れば、小泉流の構造改革に待ったをかけようという、
正真正銘の抵抗勢力は自民党内部にあることは
間違いないところですばい。
そうならそうと、竹中さん、はっきり言わないと
国民には分りませんばい。

ここで保存・・・・・
これから友人のつてで頼まれた長野県・伊那北高校の
関東同窓会での講演ヘ出掛けます。
帰宅してまたマリナーズの取材拒否問題のニュースについて
考えてみます。
0時半です。

ここから再び、あ、今午後7時ですが、この欄に戻りました。

今日のスポニチは1面全部を使ってマリナーズが
イチローと佐々木投手について
全面的に取材拒否の挙に出たことを報じています。
球団側は「選手のプライバシーが侵されたから」
としか理由を上げていないそうですが、
これは今週発売の「フライデー」の記事が原因であることは
明らかのようです。
そういえば昨日の新聞に載った「フライデー」の広告には
「イチロー&大魔神の『お遊びタイム』」
なる見出しが出ていた。   
マリナーズ球団の逆鱗に触れたのはどうやらこの記事らしい。
スポニチの記事に出ている
マリナーズ球団広報が配付した声明文には
こういうふうに書いてある。
  
「マリナーズ球団は、選手のプライバシーは
 守られるべきであると信じております。
 最近、その権利が侵害されることが起きました。
 球場外での選手のプライベートな時間が守られるまで、
 佐々木投手とイチロー選手は日本のメディアの皆樣との
 お話は控えさせて頂きます。
 当球団は両選手を全面的にサポート致します。

佐々木、イチロー両選手からのコメント

「今回このようなことが起こり非常に残念です。
 今回のことがはっきりと判明するまで、
 ファンの皆様には申し訳ありませんが、
 日本のマスコミの皆様とのお話は
 一切控えさせていただきます」

この件について私は2つのことに関して感想を抱いた。
一つは日本のマスコミが
アメリカのプライバシーに関する習慣というか
基本的な考え方を理解していないことから来る
一種の文化の衝突の側面。
アメリカではスポーツ選手はグラウンドから一歩離れれば、
もう一般人と同じようにプライバシーが守られる。
彼らが犯罪か交通事故でも犯さない限り、
個人的に何をしようと
その個人的な生活の内部まで入り込むことは
許されないという考え方だ。
日本ではあらゆる種類の「覗き趣味的」行為が
堂々と一部マスコミに許容されており、
また読者や視聴者も
それを見たり聞いたりすることを喜んだり、
楽しんだりする風潮がある。
税金で仕事をしている政治家や官僚とスポーツ・芸能人を
同じレベルで「公人」などと言って憚らない
一部マスコミが存在している。
そこのところのギャップが
図らずも取材拒否という形で表面化したわけで
恐らく遅かれ早かれ
こういう種類のカルチャー衝突が起きたんだと思う。
「フライデー」の記事を読んでみたが、他愛もないものだ。
イチロー選手が日本人男性と
ロサンジェルスで焼き肉店へ行ったという話と写真。
佐々木投手は日本人向けのクラブで飲んでいるという話。
大した話じゃないが、どうもこじれの原因は
中身じゃないようだ。
選手のプライバシーを写真を撮るという行為で侵害した
そのことにあるらしい。

もう一つは球団側が問題の侵害行為を行なった
「フライデー」誌だけを取材拒否の対象にするだけでなく、
「日本のマスコミ」というひとくくりで取材拒否にした点。
日本のマスコミは、
特にこれまでお行儀よくしていたと思っていた新聞各紙は
「日本メディア『連帯責任』筋違い」
(朝日新聞18面 畑中謙一郎記者)
と怒っているようだ。
確かにひと括りにするというのはおかしい。
が、そこにはアメリカ人の中に日本人の、
あるいは日本の文化への不信感が潜んでいるような気がする。
これは沖縄で女性に暴行した米軍人の引き渡しをめぐって
日米間に人権に対する考え方が違って
すんなりと行かなかったことと
同じ性質の問題のような気がする。
アメリカの球団からすれば
ことは一「フライデー」の問題ではなく、
日本人のプライバシーに関する考え方に
疑問を持っているということなのだろう。
そこのところをきちんと抑えておかないと
また同じようなトラブルが起きそうだ。
だから、この球団のやり方がおかしいと思う新聞社や
記者は自分個人であるいは新聞社独自に
球団に抗議すればいいと思う。
間違っても現地で記者クラブ的な団体行動は
しないでほしいものだ。

さて明日は、じゃなかった「今日は」「スクープ21」で
仙台・筋弛緩剤点滴殺人事件のついての
衝撃の証言を放送します。
問題の病院の元院長が警察・検察の考え方を
真っ向から否定する重大証言だ。是非見て下さい。
これは見ないとソンだ!!!!
ではまた明日・・・・・

2001-07-15-SUN

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