TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第499回

ほぼ日編集部樣

6月13日のニュースから

今日はちょっとしたパーティの主役でしたので
少し疲れちゃいました。
200人を超える人の前だと
エネルギーがやはり吸取られてしまうのかなあ。
でもこれで一区切りです。

さて、今日の朝刊でこれはなんだ?
という記事を発見しました。
朝日新聞の4面に小さい囲みの記事。

「容疑者の顔隠すな
 田中外相 警察の対応批判」

 
外務大臣が容疑者の顔を隠すなというのは
一体どういうことだろうと思って記事を読んでみました。
大阪の池田市で起きた児童殺傷事件に関連して、
12日の閣僚懇談会で
田中外相は容疑者の顔を屋外で隠そうとした
警察の対応を批判して
こう述べたという。

「ビニールシートや毛布で顔を隠している。
 そのことでまた再発につながらないのか」
「被害者や一般の人がどういう感情で
 警察のこういう行為を見ているのか」

田中真紀子さんの言い分では
容疑者の顔を世間にさらすことが
犯罪の抑止につながるとの認識のようだ。
この見解はかなり奇妙なものだ。
警察が容疑者の顔を隠そうとするのは、
昔のように容疑者をカメラの放列の前で
「引き回し」をやって
人権侵害と批判されたことがあるのが一つ。
それともう一つは顔を隠すことで
この人物が本当に犯人であるという印象を
世間に与えることです。
顔を堂々と上げて逮捕されるのは確信犯か、
無実の人かもしれないという印象を与える訳です。
最近のメディアの人権感覚では
容疑者の段階といえども無理に
本人が顔を隠しているのを
引っ剥がしてまで報道するのは
やめようということになっています。
そういう状況からすると顔をさらすことが
犯罪の抑止になるなんてことは
まことにお粗末な考え方だ。
その辺の主婦が言うならまだしも、
仮にも外務大臣の人権感覚とはとても思えない。
ごめんなさい、
そのへんの主婦の方がよっぽどましじゃなかろうか。
それでいて、記事によると自宅周辺で
車に乗った報道のカメラマンが
交通違反を繰り返して
自分の車を追跡するのを警察は取り締まらない、
これは
「マスコミと警察のもたれ合いがひどい」
からだといって
「こきおろした」
と記事は表現している。
「こきおろす」
という記者の表現がなかなか言い得て妙というか、
記者の内心の感情をよく伝えている。
夜のテレビで観ていたら、
田中外相は国会内の自分に対する取材が
過剰取材だとマスコミを非難、
自分が水を飲むところや髪までテレビが写すのは
行き過ぎだというのだ。
もちろん、児童殺傷の容疑者と
田中外相を一緒に混同しているわけではない。
しかし、国会内で全く公的存在の
外務大臣の言動を撮影するのに
文句を垂れる感覚と
容疑者段階の最低限の人権に考慮するのを非難する感覚が
同じ人の中に存在しているのが奇妙だと思う。
自分には甘く、他人、
中でも容疑者には最低限のルールも認めない、
この手前勝手な厳しさ。
私たちはこの人の本質を見誤っているかもしれない。
ただただ我がままなお嬢さん。
そこには論理も何もありはしない。
そんな危険性はないだろうか。
この小さな記事を見て私はそう思ってしまったばい。

今日はここまで・・・

また明日・・・・・

2001-06-14-THU

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