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第486回
ほぼ日編集部樣
5月31日のニュースから
今朝の新聞を見ていて同じ出来事なのに
記事の書き方で
こんなにも違うニュースになるのかという
見本を発見しました。
これは新聞というものを考えるうえで
なかなか面白い事例です。
毎日新聞と朝日新聞の社会面の記事です。
まず朝日から。
「スプレー?まき 乗客軽いけが
大江戸線、男走り去る」
この記事はベタ記事です。
あまり目立たない地味な扱いですね。
最初、朝日を読んだときはこの記事には
気がつきませんでしたばい。
毎日新聞は第2社会面に3段見出しで、割と目立つ扱い。
見出しはこうだ。
「目が合いスプレー
大江戸線で突然若い男 座席の外国人の顔に」
この記事の隣には4段組で
「芸能リポーター 鬼沢慶一さん、
車内暴力を語る」
「『無視決め込まず声を出して』」
というかなり長めの談話が囲み記事の形で出ている。
これはの毎日新聞の記者か
デスクかどちらの考えか分らないが、
電車の中で目が合ったことがスプレーを顔にかけるという
暴力になってしまった、
つまり最近多くなったといわれる車内や
ホームの暴力の問題としてこのニュースを捉え、
実際に車内で声をかけたために
若者に鉄棒で殴られ重症を負った
著名人の体験談を添えることで、
ニュースの焦点を絞って見せたわけですね。
ここが素っ気無い朝日の記事と大いに違うところで、
記者の努力によるものです。
事件の概要はこうだそうです。
東京の都営大江戸線の電車内で専門学校に通う
オーストラリア人の男性(24)が
若い学生風の男と目が合った途端、
男は「何を見ているんだ」と大声を出しながら
オーストラリア人男性にスプレーをかけて、
駅で下車して逃げたという。
近くにいた会社員(48)も
スプレーで涙が止まらなくなったという。
普通電車に乗るときに
スプレーなんて持ってはいませんから、
ひょっとするとこの男は
最初から誰かにスプレーを
吹きかけるつもりだったのかもしれません。
しかし、電車の中で「目が合う」ということが、
予想もしない暴力という展開をもたらすもんだというのが
この事件の焦点ですたいね。
つまり毎日電車に乗っている普通の市民にとっては、
ここをきちんと書いてほしかつですもんね。
談話として載せられている鬼沢さんの体験も実に怖い話だ。
詳しくは記事を読んでもらいたいけれど、
簡単に要約すると、井の頭線の車内で
3歳ぐらいの子どもを連れた母親のために
シルバーシートに大きく足を広げて座っている
2人組みの若者に
「席を譲ってあげられないかなあ」
とできるだけ穏やかに話しかけたそうだ。
すると、2人は鬼沢さんをにらみつけ、
足をさらに広げたという。
2人は駅で停車中に
鬼沢さんを威嚇するように肩をぶつけて席を立ち、
他の車両に移った。
その二つ先の駅で降りた鬼沢さんが自宅に向かっていたら、
後ろから
「てめえー、この野郎!」
と怒鳴り声とともに鉄棒で何発も殴られ、
全治3ヶ月の重症を負ったという。
この記事にはこういう後日談が書いてある。
「事件が忘れられず、
暴走族の若者にインタビューした。
『自分だったら尾行して殴るなんて
まどろっこしいことはしない。
駅に降りた瞬間に刺す』
と返ってきた言葉が忘れられない」
さて一方の朝日の記事だが、内容はほとんど同じだ。
こちらにも若い男が「何を見ているんだ」と
大声を出して専門学校生に
オレンジ色のスプレーをかけたことが書いてある。
しかし、「目が合う」ことから始まる
車内暴力という点に焦点が合わされていないので、
単なる「車内でスプレーまき事件」として処理されている。
だから朝日はベタ記事なんだろうなあ。
これはニュースセンスの問題ですが、
記者としてはこういう形で
差をつけられたときほど恥ずかしいことはないんですばい。
ということで今日はここまで
また明日・・・・・
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