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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第478回

ほぼ日編集部様

5月19日のニュースから

小泉内閣はとにかく「改革」「変える」を
売り物にして誕生した訳だ。
これまでは批判的な人たちは「具体性がない」
と言って小泉内閣が口先だけのものだということを
アピールしてきた。
確かに発足直後は所信表明にもあまり具体性がなく、
そう言われればそうかなあ、と思っていた人も
多いでしょう。
ばってん、ここへ来て小泉首相と塩川財務相が
打ちだしてきた、「特定財源の見直し」
と言うテーマは、「改革」と言う意味では
今後を占う大きなポイントになりそうです。
毎日新聞が5面と11面でこの問題を取り上げている。
「特定財源」やらいうても一般国民には何のこつか
分らんと思いますけど、私の勉強も兼ねて
少し説明しておきます。
この特定財源の法的な根拠は「財政法13条」に
こうあるからです。

「国が特定の事業を行う場合、特定の資金を保有し、
 その運用を行なう場合、その他特定の歳入をもって
 特定の歳出に充て、一般の歳出と区分して経理する
 必要がある場合に限り、法律をもって
 特別会計を設置する」

法律の文章てどうしてこんなにまわりくどかっちゃろうかね。
要するにある特定の事業にはある特定の資金で賄う、
ちゅうこつですたいね。

入りと出がストレートにつながっちょるケース。
1種のひも付きみたいなもんですたい。
もっと言えば、それ以外には使うちゃいかんちゅうこつでも
ありますたいね。
一般会計に対して特別会計と言われるこの国の金の出し入れは、
実はいっぱいあって38種類ぐらいあるという。
代表的なのが郵政事業特別会計で、
郵便事業はここですべて行われている。

その中にある一つが「道路整備特別会計」というものだ。
この会計の中で収入の中心を担っているのが、
「ガソリン税」(揮発油税)だ。
このガソリン税を「特定財源」と呼んでいる。
なぜなら、このガソリン税は道路整備事業以外には
使えないものだからだ。
特定財源の意味は、財源が特定されているというだけでなく、
使い道が特定されていると言うのが特徴だ。
さて、「道路整備特別会計」はこのガソリン税の他に
一般会計からの繰り入れや地方公共団体の負担金などで
賄われているが、私の手元にある資料だと、
99年度の「道路整備特別会計」予算額は
4兆4124億円だ。

この特定財源の問題点は、普通はこれだけの支出が
あるのでこれだけの収入を充てると考えるものだが、
このやり方では収入があるから支出があるという
本末転倒の事態が起こってしまう。
つまり、ガソリン税による道路整備も、
道路が必要だから道路整備にカネを出すのではなく、
ガソリン税が入ってくるから、
じゃんじゃん道路を造りましょう。
まさに本末転倒状況が起きてしまう。
実はこれは日本で実際に起きていることなんですね。
a 道路が整備されて車が増える。車が増えれば
ガソリン消費量も増大する。すると、
ガソリン税もジャブジャブ入ってくる。
しかし、このカネは道路整備以外には使えないので
また道路を造る。車は都会を中心に多く走っているが、
ここで得られたガソリン税は今ではせっせせっせと
地方のあまり人も車も通らない道路整備に
注ぎ込まれているというわけだ。
   
この構造が変えられないのは自民党の建設族と
呼ばれる議員達ががっちりガードしているからで、
その中心が自民党の「道路調査会」という
部会だ。ここの会長は80年以降、一人の例外を除いて
経世会の金丸信さんら現在の橋本派がしっかりと握ってきた。
今回、加藤派から分れて堀内派を創った古賀誠前自民党幹事長が
就任したが、堀内派は橋本派別動隊などと言われているので、
まあ、依然として旧経世会系が実権を握っていると言って
過言ではないでしょう。

小泉首相と塩川財務相はこの牙城に切り込むというのだから、
これはもう大変なことなんですばい。
特定財源にはガソリン税のほかに石油税や航空燃料税、
電源開発促進税   
などがあるが、小泉さんはこれらにも手を付け、
もっと他の分野でも使えるようにしようというわけだ。

出来るかどうか?
みものです。
でもこれくらいのことに手を付けられなければ、
「改革」はありません。
今日の「スクープ21」は
1時間通して「小泉内閣の改革・田中真紀子外相の冒険」
を検証します。
スタジオには
河野太郎(自民)
達増拓也(自由)
穀田恵二(共産)
大阪から中継で辻本清美(社民)
の政治家が出演。

さあ、どうなりますやら?

2001-05-20-SUN

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