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第446回
ほぼ日編集部様
4月15日のニュースから
今日の朝刊には
ちょっとショッキングなニュースが出てましたね。
兵庫県尼崎市で、小学6年生、
11歳の少年が母親を包丁で刺して、
母親は死亡した事件だ。
今自分でこの原稿を書いていて分ったのだが、
私も
「少年が自分の母親を刺し殺した」
とは表現できなかった。
11歳の少年だと、どうしても刺した行為と、
母親が死亡した結果を直につなげないんですね。
そう思いながら各紙の見出しを見ていると、
とっても興味深いことに気がついた。
朝日新聞は1面4段の記事だ。
「小6、母刺し死なせた疑い
兵庫・尼崎『自殺止められて』」
毎日新聞は1面トップ、
「小6、母刺し死なす
転校直後『自殺とがめられ』 兵庫・尼崎」
朝日も毎日もやっぱり同じ表現だ。
見出しを付けた整理部の記者は
ちょっと悩んだんじゃないだろうか。
「小6,母親を刺し殺す」
とはどうしても言えないんだろう。
これが大人の行為ならば即「刺し殺す」でしょう。
厳密に言うと殺すまたは殺害・殺人という表現は
殺す目的を持って人を傷つけた場合に限るんですね。
ところが、実際には結果的に人が死んだ場合も
「殺害・殺人」の言葉を使っている。
結果的に死んだんだから「殺害」でいいだろう。
もっと言えば、ある行為をしたとき
死ぬかも知れないと思っていても不思議じゃない、
まあ、そういう常識的判断が出来る年齢だ、
というのが前提になっています。
ばってん、11歳では刺すという行為が
死ぬという結果を招来するとは
まだ分らないんではないか、
というのがこの場合考慮されているようですね。
ところが、スポニチを見てちょっとビックリ。
スポニチは社会面トップでど派手に展開しているんですが、その見出し。
「11歳少年が母刺殺
自ら無人の交番から尼崎北署に電話」
「転校が嫌で 自殺のためらい傷も」
スポニチはしっかり「刺殺」と表現している。
ここら辺が一般紙とスポーツ紙との
境目だろうなと思いました。
それにしてもとても痛ましい事件ですね。
各紙を総合すると、
少年は父親の仕事の関係で今年3月に転校し、
4月7日、新しい小学校で始業式があったばかりだという。
記事によれば、
少年が無人交番から直通電話で泣きじゃくりながら
事情を訴えたという。
その知らせでパトカーが自宅へ急行
すると、母親(44)が胸を刺され死亡していた。
その後の事情聴取に対し
少年はなぜそういうことになったのかについて
こう言っているそうだ。
「この春に学校を転校したが、
前の学校の友達と別れたくなく、
自殺しようと思ったところに、
母親が買い物から帰宅しとがめられたため、
包丁を振り回した」
母親は右胸の刺し傷と左手にも傷があった。
また少年の左手指にも
ためらい傷と見られるものがあったそうだ。
ここまで、私は「少年」という表現を使ってきたが、
朝日と毎日は「男児」という表現で、
スポニチのみが「少年」を使っている。
朝日と毎日はこの子供が少年法で言う
「少年」に当たらず、14歳未満の場合は
「児童福祉法」の対象でしかないので、
あえて「少年」の表記は使わず、
「男児」としたと思われる。
この子は事情聴取の時、母親のことを聞くと、
涙を浮かべ
「お母さんはどないなったんやろ」
と呟いているという。
転校で新しい学校になじめずに悩む子供は
昔から大勢いたと思う。
いじめも伴っていることもあっただろう。
でも、昔から「自殺したい」と思う子はいても、
実際に行動に移す子供はそうはいなかったと思う。
ここに、今の子供たちの生死の現実感のなさや、
耐えていく力のなさといった「生きる力」の
希薄さを感じてしまうのは私だけだろうか。
この事件は本当のところを
チャンと検証してほしいですね。
今日はここまで。
明日は矢沢永吉さんにインタビューです。
また明日・・・・・
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