TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第428回

ほぼ日編集部様

3月28日のニュースから

腰を痛がる私を見て娘が戸越銀座にある
鍼灸院を紹介してくれまして
そこへ行ってきたところです。
痛みが完全に取れるには3ヶ月、
と言われヌヌヌヌ・・・・
さらにこのままほっとけば救急車で入院、
で1ヶ月は入院、または手術で3ヶ月入院などと
脅かされまして・・・こりゃいかんばい・・・
自由に気ままに歩き回れることの幸せを
今ほど感じたことはないですね。
近くにあるテニスコートで
若い男女が跳ね飛んでいる様子を見て、
俺にもあんな時代があったんだけどなあ。
もう戻れんかなあ・・・・・・と少し弱気になって帰宅。
このまままじゃいかん、と気を取り直し今日のニュースを。

もう今さらって感じなんで、
森首相のことをどうこう言う気はさらさらないんですが、
首相が国賓主催の行事を欠席したことについての
新聞の扱いがここまで違うかと言う
見本みたいなケースがありましたので
紹介しておきましょう。
今日はいつもの順番と違って偶然ですけど
朝日新聞から読み始めたんです。
2面に2段分の扱いでこういう
見出しが目についたんですね。

「森首相 国賓主催行事を欠席
 若手議員とすし屋へ」


ま、この時はフーン、またか、
森さんそんなことしていいのかいなあ。
程度で読んでました。
内容は簡単に言うと、
27日の夜、迎賓館で
ノルウエー・ハラルド5世国王主催の
レセプションが開かれたんだそうです。
森首相は当初は出席の予定だったそうだが、
急遽出席を取りやめ、
自民党森派の議員らと赤坂の寿司店で会食したという。
朝日の記事は指摘していた。
「首相が国賓主催の行事に欠席するのは異例」
昨日書いたように「意外性」はニュースなんですね。
「異例」と言うことは「意外性」でもありますね。
すると朝日も一応
それなりにニュースという
認識はあったということでしょうね。
でもね、この扱いはどんなもんじゃろうか。
これは各紙で扱いが違うぞ・・・・・と予感を覚えて
次に手に取ったのはスポニチだ。
さあ、どうだ・・・・・
どーん、やってるね、スポニチは。
社会面トップで派手な扱いだ。

「外交ドタキャン 森首相 会食へGO
 ノルウエー国王主催レセプション」
「昼は『花道訪ロ』に激怒 夜は"急変"寿司店へ」
「秘書官『非礼には当たらない』も・・・」


スポーツ紙は一般紙より
庶民の目線でものを見ようとしているところがある。
このニュースの扱いなどはその例かも知れない。
記事の前文(リード)をちょいと紹介しておきます。

「相次ぐ失言や言動で批判を浴びてきた
 森喜朗首相が27日夜、ノルウエー国王主催の
 レセプションへの出席を突然キャンセルした。
 自民党森派の若手議員との会食を優先したもので、
 首相秘書官は
 『主賓は天皇陛下で(欠席は)非礼に当たらない』
 と説明。
 一方で、同日午後の国会では先の訪ロを
 『花道外交』と批判した野党議員に
 『極めて失礼』と激しく反論。
 果たして、失礼極まりないのはどちら?」

スポニチはこの日の首相の日程について、
レセプションの前には亀井政調会長の油絵展や
竹村健一さんの夫人の絵画展には足を運びながら
上機嫌だったのに、
首相としては当然の外交日程をキャンセルしたことを
皮肉っている。
で、次が毎日を手にしたら、あららら・・・
1面左肩2番手4段見出しの記事。

「国賓ノルウエー国王の答礼宴
 森首相、異例の欠席」
「すし店で派閥若手と会食」


1面だけかと思ったら記事中に
(社会面に関連記事)の注つき。
で、社会面はというと、
社会面のトップ記事でこちらも大きな扱いだ。

「迎賓館の1キロ先で・・・森首相、
 国賓行事欠席し派閥でスシ」
「『無礼 不愉快 汚点』識者もあきれ顔」


毎日は朝日と違ってやる気十分だ。
なめるなよ!てな感じだね。
ある外交官OBの談話が出ている。
「国際的に見てこの種の行事に
 行政のトップが欠席するのは異例で、
 ノルウエー国王は不快だったろう。
 外務省は何としても首相を説得し、
 出席してもらうべきだった。
 外務省の責任が重い」
毎日はこの日会食をした議員の一人から
次のようなコメントを得ている。
「公邸にうかがいたいと申し入れたところ、
 『公務もない。メシでも食おう』ということになった。
 (レセプションについては)
 『腰が悪いので行かないことにした』と言っていた」
まあ、本当に腰が悪いのなら気持ちはわかりますばい。
私も苦しんでいますけんで。
ばってん、「公務もない」とはどういうことですかね。
天皇陛下が主賓で国賓主催の答礼宴に出るのは
公務じゃないんですすかね?!
確かに国王主催のレセプションといえば
疲れるでしょうね。
だから出席を急遽取りやめ
気の合う派閥内の若手議員らと寿司ば食いた
かち思うとはあったかもしれませんね。
ばってん、腰の話は何か言い訳のように見えますたいね。
ま、森さんがどうしようがどうでもいいことかも
知れまっせん。
もはや。
私は記事の扱いにこうも違いが出るのが
面白いなあと思ったんです。
ついでに他の各紙もチェックしてみた。
読売新聞・・・4面に3段の囲み記事。
産経新聞・・・3面にベタ記事。
東京新聞・・・2面にベタ記事。
私の知るかぎり毎日とスポニチがこの一件を
大きな伝えるべきニュースと判断したらしい。
私はこう言うふうに新聞社によって
判断が分かれる方が健全だと
日ごろから思っているのでこれはこれでいいと思います。

ニュースの価値判断は一つではない。
これでいいんだと思います。

これから美容院へへヤーカットに出掛けます。
また明日・・・・・・

2001-03-29-THU

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