TORIGOE
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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第414回

ほぼ日編集部様
 
すみませんが、
まだ間に合うのなら昨晩送った酔っ払い原稿を
ボツにして下さい。
朝早くに目が覚めましたので再送します。
お手数ですがよろしくお願いします。
鳥越 俊太郎


3月14日のニュースから

先ずはスポニチの社会面3段見出し。

「米海軍機が誤爆
 クウエートで演習中6人死亡」
「原潜事故査問会議中『最悪のタイミング』」


えひめ丸の原潜事故も米海軍の問題だったが、
今度の誤爆事件も米海軍の戦闘機によって引き起こされた。
事故か事件か分らないが、記事自体は短いもので、
どうしてこんなことが起きるのか、良くはわからない。
ばってん、アメリカの海軍は一体どうしたの?
と言いたくなりますばい。
共同通信の記事によれば、
クウエート上空で演習をしていた米海軍の
F18戦闘機が12日、
地上の軍用車両を誤って爆撃したという。
国防総省当局者によると少なくとも米軍人5人、
ニュージーランド兵1人の計6人が死亡、
10人が負傷したそうだ。
単に誤爆ちゅうても
一体自軍を爆撃するなんてどういうことかいな。
訳わからん。
実弾を発砲しているから
演習と言っても実戦に近い戦闘訓練中だったのだろう。
で、地上に何やらうごめく車両を発見、
上空からロケット弾かミサイルを発射したのかな。
記事に付いている写真のキャプションが
「米海軍が誤爆した
 イラク-クウエートの国境近くの現場を撮影した
 クウエートテレビの映像」
となっているところに、
この誤爆問題のナゾを解くカギがありそうだ。
地上の軍用車両はイラクとの国境近くにいたわけだ。
上空で演習中のF18戦闘機には
それはイラク領土内のイラク軍のものと
認識されたのかもしれない。
イラク軍の車両だと見て攻撃した。
とすると、クウエートで演習中の米軍は
イラク軍に対しては何をしてもいいという
暗黙の了解があるのかも知れない。
したがってこの誤爆は標的の認識を誤らなければ
「正しい」攻撃、つまり国境を越えようとした
イラク軍車両を上空から発見、
米海軍機がこの侵略行為を
阻止したことになったはずなのだ。
これは単純な誤爆じゃなかろうね。
恐らくクウエートとイラクの国境での緊張が
もたらしたものでしょう。
この事故を伝えたCBS テレビは
えひめ丸の事故も引き合いに出して
「米海軍の安全性に疑問が高まっている」
と伝えたらしいが、
えひめ丸と同じようにこの事故を海軍内部の
気の緩みと見るわけにはいかない。
これはイラク相手なら何やってもいいという、
これまでの対イラクでの米政府または
米軍そのものの中に潜む傲慢性に
原因があるとじゃなかでしょうか。

毎日新聞の5面、
政治面に自民党大会での
神崎・公明党代表と扇・保守党党首の様子が描かれている。
この記事では記者の扇党首に対する書き方が
面白いので取り上げておきたい。
見出しは

「神崎、扇両氏 首相批判、影ひそめ
 自民党大会連立維持に重点移す」

 
記事の前半は森首相を批判し
「森降ろし」をリードしてきた神崎氏が
一転して批判なしのスピーチに終始したことを伝えている。

「一方、野中広務前幹事長を推す考えを示すなど、
 大胆な発言を重ねる扇氏はこの日も
 人一倍存在感を示した」
と言う前振りで始まる扇さんのくだりで
ちょっと目についた表現。
扇さんの発言を紹介しながら・・・
「『森総裁を筆頭にして国民を引っ張っていくのは
  自民党だとの誇りを持ってほしい。
  国民に勇気を与える政治を行ってほしい』と
 甲高い声で自民党にエールを送った」
ここでは「甲高い声で」と言う表現が
何度読んでも違和感が残る。
男の議員ならこういう声の調子まで書くかな
という疑問がある。
記者の扇さんへの感情が
自分でも知らない内に出てしまった気がする。
そしてこの文章を通してしまったデスクも
同じような男性で、
「甲高い声」に
何がしかのメッセージが込められているのを知ってか、
知らずか、どっちかはわからないが、
疑問には思わなかった。
さらに記事の最後はこういう表現で終わっている。
「首相の『退陣表明大会』の中での元気はつらつぶりに、
 会場からは『首相を意識しているのではないか』
 『まるで自民党総裁のようだ』との声も上がっていた」
本当に会場の中からはこういう声はあったんでしょう。
ばってん、わざわざ
こういうコメントで原稿を締めくくるというのは
書いた記者の扇さんへの
「あんた何だと思ってるの?思い上がるんじゃないよ」
みたいな感情がにじみ出ていると思うのは私だけかしらね。

こういうことに気がつくのは
実は私が記者に近い感情を扇さんの言動に感じたからです、
本当は。
でも本当に野中・小泉の対決が
にっちもさっちも行かなくなったら
案外この手はあると思うんですがねえ。
自民党がかつて危機をしのいだ
村山政権と同じ手法ですばい。
扇政権で参院選をしのぎ、
秋には自民党の本格政権というシナリオ。
あるような気がするんですが・・・・・

毎日新聞の社説。

「株価大台割れ
 宮沢財務相の責任は重い」

 
という見出しで宮沢さんの責任を
かなり激しく追及している。
「森喜朗首相の
 リーダーシップのなさはいうまでもないが、
 とりわけ、政治経済の双方に精通する
 宮沢喜一財務相の責任は重い。
 失言は首相だけではない」
これは8日の参院予算委員会で宮沢さんが
「わが国の財政は破局に近い状態。
 根本的な財政再建をしないといけない」
と述べたことを問題にしている。
日本のメディアはベタ記事扱いだったらしいが、
海外のヘラルド・トリビューンや
フィナンシャル・タイムズは
この「破局」に敏感に反応したという。
私はこのベタ記事は気がつかなかった。
恐らく夕刊の記事だったんだと思うが、
まあ、いずれにしろ財政の最高責任者の発言として
1面トップの記事になった。
反響に驚いた宮沢さんは翌9日の会見で
「用語が不適切だったようだから、おわびします」
と前言を取り消したんだそうだ。
この人、いつも大臣なのに評論家みたいな
口の聞き方をするのが気になっている。
99年の予算編成の時には
「わたしは将来にツケを残す大蔵大臣になると思う」
と、まるで他人事のようなことをのたまわって驚かされた。

評論家のようなことを言うなら辞めればいいんだと思うが、
本人、一向にその気はないようだ。
何かうそ寒い光景だなあ・・・・

これから人間ドックの検査に行ってきます

2001-03-15-THU

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