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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第406回

ほぼ日編集部様
3月6日のニュースから
 
今、徳島で取材中です。
少し時間があるので、
ホテル備え付けの新聞を見ながら
モバイルで原稿を書き始めました。
 
いつもは読売新聞は読んでいないんですが、
ここでは読んでみました。
朝日、毎日と違ってまたいい所もあるようです。
東京でももう1紙取ろうかと思っていますので、
読売にするかなあ・・・・
さて、その読売の1面左肩4段見出しでこういう記事が。

「機密費流用 外務省、証拠書類を廃棄」
「今年1月 内部調査の最中」


記事によると、外務省は内部文書のうち、
流用の証拠となる1994年の会計書類を
事件発覚後に廃棄処分にしていたという。
松尾さんという元要人外国訪問支援室長の
流用が始まった1994年に入ってからと言われており、
この廃棄処分が本当なら
外務省は事件解明にとっては
大変大事な証拠書類をわざと処分、
つまり法律用語で言うと「証拠隠滅」、
それも組織ぐるみでこの犯罪行為をやっていたことになる。

記事によると、今年4月から情報公開法が施行されるが、
この法律によると、過去5年間の中央省庁の会計文書は
保存が義務付けられている。
ただし、必要なものはそれ以前でも残す方針だそうだが、
今年1月4日河野外相の指示で機密費流用の
内部調査が始まってから5日後の1月9日、
省内の焼却炉での文書廃棄処分が行われたという。
記事の最後にこう言うくだりがある。
「複数の職員は読売新聞社も取材に
 『国際会議の書類の下書きなど必要がないものが残り、
  会計書類だけが捨てられている』
 『上司から都合の悪い書類が警察に渡らないよう
  処分をしろと言われた』と証言している」
読売のこの記事が本当なら
外務省ぐるみで証拠隠滅を図ったわけで、
これはこれで立派な刑法に違反する行為。
証拠隠滅は誰でもやりたくなることだが、
やったことがばれると逆に
犯意を立証するだけでなく新たな犯罪になることを
意外に誰もが知らない。事実は隠しようがない。
なるようにしかならない。
この単純なことに気づくべきなのだ。

もう一つ読売新聞から。
6面の外報面にこんな記事が。

「『トルストイ破門』覆さず
 ロシア正教会」
「子孫の取り消し請求を退ける」


記事によれば、ロシアの文豪、
レフ・トルストイは小説や評論の中で
教会の偽善をしばしば批判していたそうだ。
中でも名作『復活』についてロシア正教会は
「教会を冒涜している」
と断定し、1901年、トルストイを破門にしたという。
それから100年、文豪の孫で、
現在、モスクワのトルストイ博物館の館長をしている
ウラジミール・トルストイさんが
「破門は、帝政時代の抑圧的環境の産物」として
改めて破門取り消しの請求を求めていたそうだ。
しかし、教会側はトルストイのことを
「自ら教会を拒否した人間」
と表現して「100年前の破門決定を覆すことは出来ない」
と請求を退けたという。
人間の根源に迫るために誕生した宗教が
やがては人間の本性に反するようになり、
作家や画家などやはり同じように
人間の本質に迫ろうとして
形骸化した宗教の偽善性を暴いてしまう。
これは起こるべくして起こってしまうことですね。
トルストイとしては今更教会に頭を下げてまで
破門を許してもらいたくはないでしょう。
孫よ、このまま名誉ある「破門」にさわらないでくれ。
そう言いたいかもしれない。
「孫よ、マゴマゴするな!」
うわー、やっちゃった!ガンジーさんだあ。

朝日新聞では、今日のおすすめは5面の
「首相ことば」
例の首相番記者と首相のやり取りの会話だが、これは傑作。

腹を抱えて笑うしかないという「今日一押し」の読み物だ。
全部とは行かないのでそのさわりだけ。
記者 一部報道で総理から
   朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の
   金正日総書記あてにファックスで
   親書を送ったと報じられましたが。
首相 そうみたいですね。
記者 事実関係はどうですか。
首相 今日はいい天気だね。あー、いい天気だ。

この間は「さあ、飯だ飯だ」というのもあったが、
森さん、このはずし方、うまいのか下手なのか。
字面だけ見ているとなんだか
子供じみてるんですけどね・・・

さあ、これから取材です。
また明日・・・・・・

2001-03-07-WED

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