TORIGOE
3分間で、
最近のニュースを知る。

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第349回

ほぼ日編集部様

山形からは大雪や切符の取り間違いなど重なって
予定より遅く帰京しました。
山形の雪はすごかったですばい。
従って「あのくさ こればい!」も
一日遅れでスタートです。
今年もニュースを感じながら、考えながら
一日一日を踏みしめて行きたいと思いますので
世界中の皆さん、どうぞ宜しくお願い・・・・しますばい。

1月4日のニュースから

今年もベタ記事から社会を世界をのぞいて行こうという
気持ちは変わりません。
変りませんが、時として私の心が動かされる記事や論評が
目にばあーっと入ってくることがあるんですたいね。
そげなときにゃあ、しょんなか・・・・
大きさにゃあ拘らんですたいね。
そこで今日は毎日新聞の2面の社説に
注目してみましたばい。
社説やらいつもはそげん気にはならんとばってん、
今日だけは
ほう、なかなかよかこつば書いとんなしゃるばい、ち思うて
読んでみましたと。
かなり長か文章やけん、ちょびっと読みこなすのは
辛かろばってん、辛抱して読むとよかですよ。
今日はおすすめですたい。
見出しは

「景気主義の呪縛から脱出  GDP型発想はもう危険だ」

この社説ば、私なりに解釈すると、
日本の社会の基本的な考え方は国民総生産、
つまりGDPを拡大することがすべていいことで、
常に日本人はGDP拡大のためにあるという、
いわば「GDP至上主義」に貫かれてきた。
もっと平たく言い直すと「大きいことはいいことだ」という
量的拡大路線である。
その考え方のキーワードをとなっているのが
「景気」という言葉である。
「景気」が伸びることが善で、
伸びないのはどこかに問題があるというわけだ。
毎日新聞の社説もこういうふうに描写している。

「『景気は回復基調にあるが、
 個人消費に力強さがなく・・・』と
 まるで世相のバックミュージックのように流れている」

つまり「景気」というキーワードの主人公は
「個人消費」である。
景気が伸びないのはすべて
個人消費が停滞しているからで、
個人消費の伸びないのが諸悪の根源みたいに
書かれ、言われるんだ。
社説は言う。

「あたかも個人消費というなにかの実体がり、
 それを活性化させないと、日本はだめになるかのようだ。
 それを盛り上げるために、いかに政府は苦労しているか、
 もう何年にもわたり毎日のように宣伝してきた。
 国民にその個人消費という怪物を活性化させるように、
 協力とむだ遣いを呼びかけている。
 まるで悪いのは個人消費というなにものかで、
 政府ではないとでもいいたげだ」
 
で、毎日の社説子はさらにこの個人消費の調査が
昔ながらのデパートや家計調査という手法で
割り出されていると指摘、
これには安売りの店での消費動向は出てこないともいう。
つまり実際の消費動向と統計調査の結果は
かなりずれてしまっている事実を指摘してさらにこういう。

「その計りがたい実は幻想のようなGDPの増大を
 政策の筆頭に置くGDP至上主義とは、
 言い換えれば幻想の政治ともいえる。
 その幻想から覚めること、
 つまり『景気』に日本のキーワードの筆頭から
 降りてもらうしか、この虚構の積み上げから
 抜け出す道はない」

21世紀はこの「景気」概念の呪縛から脱却することが
大事だという。
私はこの社説の結論とはチョット違うけど、
これからの社会はなんでもかんでも
個人消費を伸ばすという考え方は
少し考え直す必要があると思っているわけですたいね。
なしてかと言うと、大量生産−大量消費−大量廃棄
この仕組みを根本から考え直さないと
21世紀はやっていけないと思うからです。
個人消費、個人消費と言って
安売りの店がどんどん進出しますけど、
私はなにかこれは恐ろしく思えますね。
こんなんで大丈夫なんだろうか。
貧乏な時代に育ったせいでしょうか。
大量消費に罪の意識を感じてしまうのです。
そういう人は読者の中にいませんかねえ??

今年は正月の1回目はそんなことを考えています。

ではまた明日・・・・・

2001-01-05-FRI

TORIGOOE
戻る