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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第347回

ほぼ日編集部様

昨日から山形へ仕事で来ています。
山形テレビの特別番組で、
高校生たちといろんな話をして面白かった。
これから上ノ山温泉へ行くのですが、
時間がちょっと余ってじゃあ、ってんでそれじゃあ、
ほぼ日の原稿書くべえと、コンビニで新聞を買いこみ、
ホテルのティールームでモバイルを開いた、
そんな情景を想像して下さい。
先ずは地元に敬意を表して
地元の山形新聞から読み始めました。
社会面を開いて驚きましたよ。
確かに年末になると、殺伐とした事件が続発するのは
昔からですが、12月30日の紙面はなんともすごい!
トップの記事が
兵庫で起きた16歳少年少女によるタクシー強盗殺人事件。
2番手の記事は東京の信用金庫の現金輸送車が襲われ
職員が射殺された事件。
ともに襲われた男性が死亡している。
なんと人命の軽さよ。簡単に人の命が失われる。
人の生き死にって、もっと大騒ぎをする
大変なもんじゃなかったのかなあ。
その辺の地面を這っているアリでもひねりつぶすような
気軽さに今という時代の恐ろしいほどの
病巣を見る思いがするのは私だけじゃろうか。
で、山形新聞の社会面をさらに下の方へ見て行くと、
3番手の記事は3段見出しで、

「三重の郵便局 包丁男、300万円奪う」

の記事。ここでは郵便局長が包丁で脅されただけで
被害は現金300万円。
怪我はなかった。これだけでも大変なことなんだけど、
前の二つの事件の後ではああ、
それだけの被害でよかったねえ、
と思わず言ってしまいそうになる。
さらに下へ目を移すと、ベタ記事で

「独居の77歳 殺害される 岐阜
 男が預金引き出す」

記事によれば、一人暮らしの女性(77)が
胸を強打されて肋骨を折られたうえに
首を電気のコードで絞められて殺されていたという。
この女性の信用金庫の口座から
現金50〜60万円が引き出されているそうで、
カネ目当ての強盗殺人事件らしい。
岐阜の事件なので山形ではベタ記事なんだけどこれも
恐ろしい、人の命をなんとも思わない凶悪な犯行だ。
もうひとつベタ記事がある。

「埼玉では36万 2人組が御用
 カラーボールが効果」

 
これは埼玉県の郵便局を
目出し帽をかぶった2人組が襲い、床に灯油をまいて
「火をつけるぞ。カネを出せ」
と脅し、現金36万円を奪って逃走したという事件。
局員が投げつけたカラーボールと同じ
オレンジ色のしぶきを付けた車が警察官に見つかり、
こちらは1時間後にあっけなく御用。
このカラーボールというのが
山形新聞の記事ではよく分からないため、
毎日新聞をチェックしてみると、社会面にありました。

「女性局員”ストライク”
 カラーボール 逃走車の2人御用」

 
これは防犯用のカラーボールで、投げつけると
塗料が付着するようになっているものらしい。
このニュースのポイントは
カラーボールを投げたのが男性局員ではなく、
51歳の女性局員だったということだ。
見出しのように見事ストライクとはいかなかったのだが、
6メートルの距離から投げて、
オレンジ色のカラーボールは道路上で跳ね。
飛び散った塗料が逃走する車の後部バンパー右側に付着、
それが目印になったという。

正月の間は休みにすると言いながら
原稿書いてしまった私です。
そろそろ温泉へ移動します。
皆さん、明日はいよいよ21世紀!!
いい新世紀をお迎え下さい。

30日山形駅前のホテルティーラウンジから鳥越<

2000-12-31-SUN

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