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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第335回

ほぼ日編集部様

12月16日のニュースから

私はプロ野球の中でいつもこの人の動向を
目で追いかけてきました。
今年巨人のピッチングコーチをしていた
鹿取義隆さん(43)です。
巨人の日本一に貢献したにもかかわらず、
自ら申し出て退団。   
どうするのかと思っていたら
アメリカへの留学だそうです。
スポニチの4面の隅にベタ記事ながら
彼のことがちょこっと出ていました。

「鹿取前コーチ 米留学正式決定」

記事によれば、鹿取さんは
米大リーグ・ドジャース傘下の
1Aベロビーチにアシスタントコーチとして
留学するんだそうです。
「無給留学」と書いてあるので、
アメリカの球団から報酬をもらいながらの
仕事ではないんでしょうね。
「メジャーに上がれないで埋もれている投手を
 日本で大成させられたら」
鹿取さんはこう語っている。

来年1月下旬に渡米、各地のキャンプを視察、
3月にはフロリダ入りして1Aのリーグ戦開幕に
備えるんだという。
この記事だけではよく分らないところもあるが、
要するに無給でアシスタントコーチとして
働くことが出きる。
つまり勉強できるんだと思う。
と、言うのは18年前、私も毎日新聞を休職して、
アメリカの新聞社に無給留学した
経験があるからです。
私の場合はペンシルバニア州の田舎の新聞社で
コラムを書きながらアメリカの新聞社の現場を
経験することができました。
新聞社のオーナーはそれでも下宿代だけは
出してくれました。
1年でしたが、これが私の人生の
分岐点になったことは間違いないことです。
鹿取さんは43歳、私が42歳で
家族を日本へ残してアメリカに行った時と
ほとんど状況は似ているようです。
人生の折り返しで、誰しも何かを考えるんでしょう。
鹿取さんもこのまま巨人にいてコーチ稼業を積み、
やがてどこかのテレビ局で
野球解説者などをやって、
またそのうちどこかの球団から誘いがあれば、
コーチをやればある程度安定した生活は
保証されるでしょう。
ばってん、鹿取さんはそういう人生は
望まなかったんでしょう。
もう少しチャレンジングな道を歩きたかったんでしょう。
私は鹿取さんのことを全然知らないので、
これは私の勝手な推測にすぎませんが、
巨人を辞めていくらアメリカとは言え
1Aのアシスタントコーチでしょう。
しかも無給ですからねえ。
持ち出しです。
それでも彼はアメリカに何かを求めて行きたかった。

いいじゃないですか。
鹿取投手は確か明治大学出身で巨人に入り、
中継ぎ、抑えの投手として活躍した後、
西武に移籍、西武ライオンズでも
抑えの投手として活躍しました。
体はそんなに大きくもないし、
それ程の速球があったわけでもない。
それでもキレのいい球を投げ、しかも故障のない、
使い減りのしないピッチャーだったなあ。
派手ではないが玄人好みの選手だった。
その彼が43歳にして立つ。
鹿取義隆の第二の人生が今始まる。
野球を知らない人でも鹿取と言う名前は
覚えておいて下さい。

もう一つ野球の話です。
スポニチの5面にこんな見出しが出ていた。

「『言葉出ない』200万増 遠山
 登板54試合 スペシアル継投も」

 
阪神の遠山奨志投手(33)が契約更改交渉で
今年より200万円しかアップしない3900万円の
呈示を受けたそうだ。
で、遠山投手は
「金額を聞かされた時、言葉が出なかった」
と怒りの表情を表していたという。
昨年は63試合で防御率2.09。
カムバック賞に輝いた。阪神からロッテへ行き、
一度は打者に転向するなど苦労をなめながら、
阪神に戻ってからは、野村監督のもとで中継ぎ、
特に左打者へのワンポイントリリーフ
では完ぺきな仕事をして阪神ファンを喜ばせた。
今年も54試合に登板、2勝、3セーブ、
防御率2.55。

6試合では葛西投手との「スペシアル継投」で
1塁も守って阪神ファンだけではなく
野球ファンをうならせた。
こういうプロ中のプロに対する評価が低い。
もう少し職人の評価を上げて欲しいものだ。
阪神の野崎とかいう専務さんよ、
もちっと出したらんかい!

明日は本番放送「スクープ21」
メニューは
1.長野県田中康夫知事に長野智子が密着取材
2.小渕総理の病室。今明かされる真実。
  今年は明日が最後です。
あ、そうだ、20世紀最後の「スクープ21」ですね。
是非見てね!!!!!

2000-12-17-SUN

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