TORIGOE
3分間で、
最近のニュースを知る。

鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第307回

ほぼ日編集部様

11月18日のニュースから

朝日の13面、経済面に
「ボーナス商戦なんて死語」という見出しの
囲み記事が載っている。
経企庁が17日に発表した10月の
景気ウオッチャー調査に寄せられた生の声が興味深い。
その声だけを再録しておきましょう。

「芸者派遣の予約が前年の三分の一」(東北の観光ホテル経営者)
「暮れの忘年会は最悪ではないか」(南関東のレストラン)
「ボーナス商戦は死語に」(北関東の自動車販売店経営者)
「客が振り向かない」(四国のコンビニ担当者)
「3年前から忘年会の予約はゼロ。客の話も暗い」
 (九州のスナック経営者)
「商工会議所の会員に中にも自己破産する人がいて、
 商売人のつらさを感じる」(九州のパチンコ店の店員)
「回転すしに来る客も低価格志向で、
 多くが100円の皿を食べている」(東北のレストラン)
「常連客の車券の購入額が非常に少ない」(北陸の競輪場職員)

要するに今はいかにせち辛いかを
日本各地から集めた証言集というところだ。
そうなんだろうなあ。
だけど、一方で高額のブランド商品を売る
ヴィトンやグッチやエルメス、ディオールなどは
前年度の売り上げの4割、5割増というのも
日本の現実のようだ。
これってどう解釈したらいいんだろうか。
日本にもやはり階層分化がじわじわ進行しているとでも
言うんだろうか。

あ、ここで打ち合わせのため外出だ。
保存をかけて出かけます(2時20分)

「ガラス張りのクーデター」

毎日新聞の2面にこういう見出しの記事が囲み風に出ている。
見出しがチョイと面白かったので読み始めた。
筆者は与良正男記者。
この記者、私は全然知らないので
私の毎日時代にはすれ違うこともなかったと思うのだが、
いつもなかなかいい記事を書いているので名前を記憶している。
今回の加藤紘一さんが仕掛けた政局は
日を追うごとに面白くなってくるのだが、
与良記者は今回の動きに対して
「衆人環視の下でのガラス張りのクーデター」
と表現している。
記事によれば、クーデターは本来事を起こすに当たっては
「秘密を保つ」事が大事なはずだ。
ところが、今回加藤さんは新聞、週刊誌、テレビ、ラジオ、
インターネットとあらゆるメディアに出まくり状態。
自民党主流派からは「地に足がついていない」と
冷笑されているようだが、
「このメディア戦略が吉と出るか凶と出るかは不明だ」
と与良記者は書いている。
与良記者はこの後こう続けている。
「しかし、新しい試みであるのは間違いなく、
 今回の『加藤政局』の本質も表していよう」

その通りだ。
アメリカでは大統領選挙で、候補者が言論で戦っているとき、
日本では言論は全く関係ないところで政治が動き、
肝心の総理大臣は毎度つまんない失言で
国民の失望を買うだけ。
そういう一種窒息状態にあるとき、
加藤さんが少なくとも声を上げた。これは結構新鮮だった。
これまで「グズ」だの「慎重居士」だの
「石橋を壊してでも渡らない」「お公家集団」などと
さんざん揶揄され続けてきた加藤さんが
今回はいやにはっきりものを言う。
「不信任案には同調します」
ほうー、驚きと多少の期待感が交じった声が
聞こえてくるようになった。
その意味ではこの「ガラス張りのクーデター」は
6割ぐらいは成功だと思う。
あとはシナリオ通りに進むかどうかだ。
ただし、国民の期待感は今回いっきに加藤さんに回ったと思う。
今後の世論調査ではかなり高い支持率の数字が
出てくるんじゃないだろうか。
首相になりそうな人、ナンバーワンになるでしょう。
いわゆる風が吹き始めたのでしょう。
明日のテレビ番組で数字はどう出るのでしょうか。

はい、これで今日はおやすみなさい
また明日・・・・・

2000-11-19-SUN

TORIGOOE
戻る