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鳥越俊太郎の「あのくさ こればい!」

第296回

ほぼ日編集部様

11月7日のニュースから

毎日新聞の経済面にベタ記事で
「ビジネス情報」という欄がある。
この欄は結構目が行くところで、今日は
あ、そうかと感慨深いものがあった。

「吉野家上場に感慨」

の見出しで、牛丼チェーン、吉野家ディー・アンド・シーが
6日東証1部上場を果たしたことと、
社長の安部修仁さんの思いが書かれている。
短い記事だが、何度か吉野家の牛丼に
お世話になった者としては見逃せないんだな。
特に吉野家は一回倒産し、会社更生法の申請をしている。
貧しい時代に育った者としては
安い値段で牛丼が食べられるなんて何という幸せ、と
感じつつ味を噛みしめていたわけで、
倒産と聞いたときは残念に思ったものだ。
それが、その倒産劇から20年で東証1部上場だものなあ。
企業の浮き沈みの激しい時代に
どうやって復活してきたのか、
しりたく思うのは当然だろう。

記事によると、吉野家は1980年に会社更生法を申請、
その後セゾングループの支援の下で再建を進め、
90年に店頭公開し、
今回ようやく1部上場にこぎ着けたのだという。
安部社長の言葉を紹介しておこう。
「『うまい・やすい・早い』という吉野家の持ち味から
 (経営政策を)そらさなかった」
この持ち味を維持し続けたことがよかったんだろう。
1980年ごろは日本人が円高で
急激に金持ちになったような気分になっていく時期だった。
つまりバブルの時代。
安い牛丼より高いフレンチレストランが流行る時代。
やがてバブルの崩壊。価格崩壊。
食べ物も値ごろ感のあるものが流行る時代に移っていく。
そこで牛丼も「うまい・安い・早い」の
吉野家精神を持ち続けたのが今に繋がっているんだろう。
安部社長の言葉。
「(経営が)あしき状態になると、
 メニューを増やしたりするものだが、
 これをやると結局、クオリティー(質)が落ち、
 今日は吉野家に行こうかという
 お客さんを裏切ってしまう」
つまり、徹底した「単品志向」が
成功の秘訣だというわけだ。
現在国内の店舗は784店。
2006年には1000店舗にする方針だという。
「牛丼物語」
テレビでもやってみたいなあ。

今日はこれで・・・
また明日・・・・

2000-11-08-WED

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